FTXへのエクスポージャー
高速L1ブロックチェーンのソラナ(SOL)をサポートするソラナ財団は10日、財団のバランスシート上のFTX破綻による影響に関するレポート「エコシステム・ファクツ」を公開。14日に情報を追加した。
投資家の間で、破綻したFTXやその姉妹会社Alameda Researchが資産計上していたSOLを、資金繰りに瀕して既に売却したかどうかについて関心が高まっていた。同レポートは、FTXグループが大量のSOLをまだ保有していることを示している。
ソラナ財団によると、FTXが顧客資金の出金停止措置を取る前日(11月6日)時点で、約100万ドル相当の現金及び同等の暗号資産(仮想通貨)をFTXに預けていた。
FTXは11日に米連邦破産法11条(チャプターイレブン)にもとづいた破産申請を行っており、これらの資産は破産申請中に動かすことができない。
しかし、ソラナ財団にとっては管理資産の1%未満に過ぎないため、運営上の影響は軽微としている。また、FTX上で保持する資産にSOLは一切含まれていないとも加えている。
また、同財団は11月14日時点にFTX Trading LTDの株式約3,240,000万株とその独自トークン約3,430,000 FTT、ソラナ基盤のDEXインフラプロジェクト「Project Serum」の独自トークン134,540,000 SRMを、FTX.comのアカウントで保持している。
FTXへのSOL販売量
ソラナ財団が最初にFTXや姉妹会社のAlamedaにSOLを売却したのは、ソラナ・メインネット(β)ローンチの半年後に当たる2020年8月のこと。
その後、20年11月、21年7月と3回に分けて販売された。販売単価は公開されていないが、直近2回は権利確定まで1年間の待機期間が設けられ、6年かけて毎月アンロックされる条件が組まれている。
さらに、開発企業Solana LabsもAlamedaに対して過去2回に分けてSOLを販売。2025年3月にアンロックされる予定の7,500,000 SOLは執筆時点で時価150億円に相当する。
これらのトークンは、ステーキングアカウントにロックされている。ステーキングに当てることは可能だが、他人に譲渡することはできないという。また、ソラナ財団が販売した分(計46,524,833 SOL)の多くも、同アカウントに残されている。
ソラナ(SOL)のステーキングは、約2日間隔の「エポック」終了時に解除できる設計になっている。FTXによるSOL売却への懸念から解除申請が急増し、10日に約3400万SOL=約700億円(4億7,600万ドル@14ドル換算)が引き出されていた。
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リストラと倒産を専門とする弁護士wassielawyer氏によれば、企業がチャプターイレブンの手続きに入る利点の一つは、事業者スポンサーや投資ファンドが、FTXの資産と負債の中から「有望な部門だけを選別して買収を試みるいわゆる「チェリーピッキング」が可能になること。
同氏は、デューデリジェンスの末に買収契約から手を引いたバイナンスを例に、巨大な穴を抱えるFTX.comやその姉妹会社Alamedaを切り離し、残りの仮想通貨の買収や投資家の資産保護が求められるローカルファームのみを救済することも可能になるとの見解を示していた。
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