はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

「Swell 2022」開幕、リップル社はアフリカ大陸に展開へ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

6回目のSwell

米リップル社が例年主催する大型イベント「Swell 2022」16日、英ロンドンで開幕。カンファレンスではリップル社の最新動向や新たな提携が発表され、無事1日目が終了した。

Swellは例年開催されている同カンファレンスはリップル社が年に1度開催する大型行事。暗号資産(仮想通貨)XRPを活用した決済ネットワークの発展状況や、有識者と実世界の課題を解決する為のブロックチェーン活用方法などについて意見交換を行う場だ。

2022年はマスターカードなど以下の団体や企業から関係者が登壇している。

  • マスターカード
  • バンカメ
  • AWS
  • アーンスト・アンド・ヤング(E&Y)
  • 国際スワップデリバティブ協会(ISDA)
  • Trust Wallet(TWT)

また、直近2週間で業界全体に波及が続くFTXの破綻を念頭に、リップル社のブラッド・ガーリングハウスCEOは以下のようにコメントした。

この数週間で起こったすべてのことを考えると、クリプトとブロックチェーンで現実世界の問題を解決することについて率直に話し合うために、我々が直接集まることがより不可欠になったと感じる。

私は透明性と信頼に焦点を当て続ければ、その分クリプトは強くなると固く信じている。リップル社はこの点でリードしてきたし、これからもリードし続けるだろう。

逆風こそ吹いているが、送金、個人間決済、大量資金調達、財務管理など、顧客が世界中で価値の移動を支援するために日々専念しているリップルのチーム非常に誇りに思っている。

関連:仮想通貨市場に激震、アラメダショックとFTX騒動の動向まとめ

なお「Swell 2022」1日目での主な発表は以下の通り。

  • アフリカへの事業拡大(MFS Africaとの提携)
  • ODLの提供範囲を強化(新地域の追加)
  • 機械学習機能の追加

関連:仮想通貨市場に激震、アラメダショックとFTX騒動の動向まとめ

アフリカ参入

リップル社は15日、アフリカを中心に決済プラットフォームを展開するMFS Africa社との提携を発表。リップル社のODLソリューションとリップルネット(RippleNet)活用して、仮想通貨を介したリアルタイムの国境間送金がスマホで可能となる。

同地域では世界的に見てもアンバンクド層(銀行口座を持たない人口)の比率が多く、金融包摂が急務となっている。

一方で、アフリカ大陸全域の人口は2030年までに17億人に達する見込みなど、成長が高く期待されている地域の一つ。決済企業の業界団体GSMAの統計では、世界全体で1兆ドル(140兆円)規模のモバイルマネー市場の7割を占めており、2021年には送金取引量は前年比39%増の7,014億ドル(98兆円)に達した。

金融包摂とは

経済状態や居住地などに関わらず、誰もが基本的な金融サービスをアクセス・利用できるようになること。国連の掲げる持続可能な開発目標(SDGs)の主要項目の一つ。

▶️仮想通貨用語集

MFS Africaはアフリカ地域の35カ国ですでに4億以上のモバイルウォレットを網羅する決済ネットワークを提供。サイロ化しやすい地域決済の「相互運用性とシームレスなクロスボーダー決済」の構築を目指している。

今回の提携について、リップル社のBrooks Entwistle氏は2022年に企業レベルでの仮想通貨利用は急増したと説明。仮想通貨はのメリットについて以下のようにコメントした。

クリプトは、かつて100%フィアット通貨ベースだった金融インフラを低コストで補完しながら、長い送金時間、不安定さ、高いコストなど、クロスボーダー決済に関連する従来の問題を解消することができている。

なお、金融包摂については2020年のSwellでも議題に挙がるなど、これまでも課題とされていた。

関連:Swell 2020、世界銀行責任者が語る「金融包摂」の重要性

ODL拡大

Swellでは、同時にリップル社の提供するODLの提供範囲を拡大する方針も判明。上述のアフリカ以外にもアルゼンチン、ベルギー、そしてイスラエルの3ヵ国も追加すると発表した。

また、既存の提供地域である以下の国・地域でのODL体制を強化する計画だ。

  • オーストラリア
  • ブラジル
  • シンガポール
  • アラブ首長国連邦
  • 英国
  • 米国

これにより、「ODLは世界のFTX市場の9割を占める40の決済市場に提供を拡大する格好となった」リップル社のグローバルカスタマーサクセス部門の責任者(SVP)であるBrooks Entwistle氏は説明した。

ODLとは

ODL(オンデマンド・流動性)は、仮想通貨XRPを利用した国際送金ソリューション。19年11月に、Rippleのブロックチェーン基盤送金ソリューションxViaとxCurrentは「RippleNet」に名称が統合され、本来の『xRapid』は、「On demand liquidity(ODL)」へと変更された。

▶️仮想通貨用語集

機械学習も導入

さらに、仮想通貨XRPを活用する流動性管理ソリューション「RippleNet」に機械学習の機能を追加したと発表。リップル社は技術的機能の強化について以下のように説明した。

リップル社は、決済体験を合理化するため、機械学習を利用して流動性をインテリジェントに管理する技術的機能を追加。さまざまな取引タイプをサポートするとともに、顧客ウォレット内の資金を管理し、顧客に代わって最適な流動性を確保できるようにした。

同社は22年夏にカナダ・トロンで技術開発の主要拠点を新設したばかり。6月に計画を明らかにした際は50名のエンジニアを募集も同時に開始しており、「機械学習の専門家」も含まれていた。

関連:リップル社、カナダに技術開発の主要拠点を開設へ

追記

なお、Swell 2022の1日目での発表について、リップル社の戦略・オペレーション担当のバイスプレジデントである吉川絵美氏はCoinPostに対して以下のように語った。

投機的な動きで暗号資産業界が揺れ動いていますが、Rippleではこれまでと同様に暗号資産の実世界のユースケースで真のインパクトをもたらすことに引き続き愚直に取り組み、全力を尽くしていきます。

また、リップル社は、決済ソリューションの提供を従来の金融機関だけではなく企業向けにも拡大する方針を発表した。2022年のクロスボーダー(国境間)決済の総取引料は156兆ドル(約2京円)にのぼると分析するE&Yのレポートを参照し、企業の財務管理の一環とした国際送金の活発化している傾向が背景にある。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
10/21 火曜日
17:30
日銀副総裁、ステーブルコインが国際決済の中核担う可能性を指摘
日銀の氷見野副総裁は21日、ステーブルコインが国際決済システムの主要プレーヤーとして浮上する可能性があると指摘。世界の資産の半分がノンバンク保有で規制の枠組みが追いつかない現状に警鐘を鳴らした。
17:06
ヴィタリック、ゼロ知識証明を10倍高速化する新技術「GKRプロトコル」を解説
イーサリアム共同創設者ヴィタリック・ブテリン氏が、ZK証明を高速化する新技術「GKRプロトコル」を解説した。従来のSTARKと比較して約10分の1のコストで検証が可能になるという。長期目標「Lean Ethereum」の実現に向けた重要技術として注目される。
15:35
SBI系ビットポイント、法人のイーサリアム活用支援を強化 
SBIグループのビットポイントジャパンは、株式会社Def consultingとの提携により、イーサリアムを活用した法人向けの資産運用支援を強化。最新の戦略で企業価値向上を目指す。
14:08
片山さつき氏、財務大臣に起用 暗号資産規制整備にも期待
片山さつき氏が新財務相に就任。1988年に財務省入省後、金融政策や暗号資産規制、税制改革に関与してきた実績が注目されている。
13:30
X、ユーザーネーム市場を開設し最高100万ドルで販売開始
Xがプレミアム会員向けにユーザーネーム市場を開設し、非アクティブなユーザーネームを最高100万ドルで販売すると報じられた。無料の「プライオリティ」と有料の「レア」の2種類を提供する。
13:17
株価大幅下落のソラナ・カンパニー、私募株ロックアップ解除を予定通り実施へ
パンテラ・キャピタルが支援するソラナ・カンパニーは、株価下落する中、私募株のロックアップ解除を予定通り実施すると発表。「絆創膏を一気に剥がす」アプローチで、市場の圧力に対処する方針を示した。
12:50
ナスダック上場グリーンレーン、165億円調達でベラチェーン(BERA)戦略を開始
米グリーンレーン・ホールディングスが1.1億ドルの私募増資を実施し、仮想通貨BERAの保有戦略を開始すると発表した。ポリチェーン・キャピタル主導で上場企業として最大規模のベラ保有者を目指す。
11:40
アマゾンAWSの大規模障害、コインベースやロビンフッドにも影響
アマゾンAWSの障害で仮想通貨取引所コインベースや取引アプリのロビンフッドに一時不具合が発生した。集中型クラウドへの依存リスクが改めて浮き彫りになった。
11:25
パンプファン、ミームコインローンチ市場を再び支配 日次1.5億円収益維持=報道
ミームコインローンチパッドのパンプファンが市場シェア95%を獲得し独占状態に。市場低迷下でも日次1.5億円の収益を維持。圧倒的な卒業数と強固な回復力を示す。
11:03
ユーザー数5500万人突破、Web3ソーシャルインフラ「UXLINK」のCEOが描くマスアダプションへの道
UXLINK CEOローランド・サフォー・ンタゲ氏の独占インタビュー。Telegram基盤で5500万ユーザーを抱えるWeb3ソーシャルインフラの戦略と日本市場への期待を聞いた。
10:40
カナダの州政府、AI電力制限と仮想通貨マイニング恒久禁止を提案
カナダのブリティッシュコロンビア州が人工知能データセンター向けの電力供給を制限し、新規の仮想通貨マイニングプロジェクトを恒久的に禁止する法案を提出したと報じられた。
10:00
BTC採掘企業ビットディアの株価目標上方修正、ベンチマークがAI事業を評価
ベンチマークが仮想通貨ビットコイン採掘企業ビットディアの目標株価を大幅に引き上げた。AI事業の社内化により収益創出が加速すると予測している。
09:35
「ETHに押し目買いの傾向」CoinSharesが先週の資金流動結果を公開
CoinSharesは、先週の仮想通貨投資商品への資金フローは約5.1億ドルの純流出だったと公表。イーサリアムの投資商品では押し目買いが見られたが、ビットコインの投資商品に相殺されたと指摘している。
08:30
コインベース、米財務省にマネロン対策規則の全面見直しを要請
仮想通貨取引所コインベースが米財務省に対し、1970年制定の銀行秘密法を含むマネーロンダリング対策規則の全面見直しを求めた。AI活用やブロックチェーン解析を推奨し、現行制度は時代遅れで逆効果だと主張。
08:10
イギリスで仮想通貨ETP解禁、ブラックロックなど個人投資家向けに上場
21シェアーズ、ビットワイズ、ウィズダムツリーがビットコインとイーサリアムの上場投資商品を英国の個人投資家向けに初めて開放した。当局が4年間の販売禁止を解除。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧