はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

リップル社のXRP販売量減少の可能性が浮上、価格への影響は?|仮想通貨市場の出来高水増し疑惑を受け

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

リップル社、出来高水増し疑惑に対応方針
リップル社がビットコインなど仮想通貨市場の出来高水増し疑惑を受け、3つの対応方針を発表。同社が販売するXRP量が減少する可能性も生じている。その理由を業界の背景から解説。

リップル社、出来高水増し疑惑に対応方針

過去数ヶ月間に渡り、仮想通貨市場で取り沙汰されている「出来高水増し疑惑」の問題を受け、米リップル社が対応策を発表した。今回の発表によって、リップル社が行うXRP販売量が減少する可能性も生じている。

出来高水増し疑惑(ウォッシュ・トレードなど)とは、世界に点在する仮想通貨取引所の一部が、不正に出来高を水増ししていると指摘されているもので、リップル社が関与したものではない。

リップル社は、「決定的な解決策ではない」と前置きした上で、3つの取り組みを公表。市場透明化を目的とした新たな取り組みを公開した。

概要は、以下の通りだ。

  • 同分野で信頼できるパートナーと積極的に協力し、問題の範囲および規模への理解をさらに深める
  • 市場データの新たな入手手段や要件見直しを含む、XRPの数量報告に対する自社のアプローチを査定中
  • 今四半期のXRP売上高に関して、より保守的なアプローチを用いる(重要)

リップル社は今回のリリースにて、業界全体の透明性の重要性を主張、XRPの出来高や売上報告により高い精度を追求するとした。

重要なポイントと通貨価格への影響

出典:Ripple

リップル社は四半期ごとの報告書にて、リップル社のXRP販売量を市場全体の出来高から算出している。

これは、リップル社のXRP販売量が市場全体の出来高からみて、(価格への影響が)軽微であると示したものである。市場全体の算出データを第三者機関(CoinMarketCap)から取得しているため、出来高水増しが是正された場合、全体量が減少し、相対的にリップル社の販売%が上昇することになる。

この対策として発表したのが、リップル社が提案する3つ目の『保守的なアプローチ』だ。リップル社のリリースでは、四半期ごとに報告しているプログラマティックセールス(セールサマリーの2つ目に該当)の数値目標が20bpsに設定されていたが、今回の保守的アプローチによって10bps以下に半減する可能性があると報告した。

出来高水増しが是正された場合、相対的にbps数値は上昇するが、今回が逆にbps数値が減少する可能性を指摘している。この意味として考えられるのは、『保守的なアプローチ』がプログマティックセールスによるXRPの販売量を減らすことを示しているということだ。

bpsとは、Basis Pointsの略で、1万分の1の値を「1.0」とする単位である。(例:1bps=0.01%) よって、10bpsは0.1%に相当する数値となる。

XRP価格への影響は

また、投資家にとって気になる点は、リップル社が透明性を目的として行う『保守的なアプローチ』に伴うXRP価格への影響だろう。今回、XRP価格の懸念点にあげられているRipple社の販売量の減少が起こり得る状況が示唆されたことで、売り圧力の低減期待につながる動きとなる可能性がある。

一方で、市場全体における出来高水増しが是正されることで起こり得る、出来高および流動性の数値面での減少は、適正価格から乖離する懸念や価格操作懸念などから通貨価格への悪影響も考えられる。発表より、この数値面での是正による影響は、通貨価格面で反映されていないが、実際に新たな基準出来高が公表されたタイミングでの影響は注意したい。これはXRPも例外ではない。

注目はCoinMarketCapの新データ提供

特に注目したいデータは、CoinMarketCapのデータとなる。

リップル社も全体の出来高データの算出元として指定するCoinMarketCap(CMC)は、業界の中で最多のアクセス数を誇るサイトであり、世界的に通貨データを調べるユーザーを顧客に持っている。

現在、CMCではデータの透明性の向上に向け、Data Accountability & Transparency Alliance (DATA)という新たなアライアンスを発足。取引を行う全取引所に、「APIを介して提供される継続的なライブ取引データ」および「APIを介して提供される継続的なオーダーブックデータ」を、6月14日までに提出するよう義務付けている。提出を怠った取引所はCMCのデータから削除されるが、この適正データを元に、新たな算出データの提供が開始される予定である。

新たな算出データの公表日時は明かされていないが、過去にCMCのデータ変更による通貨価格への影響も確認されている(韓国のプレミア価格を削除)だけに、新データの公表タイミングの影響には注意が必要だ。リップル社が算出データに利用するなど、企業側のレポートにも影響する可能性も加味したい。

業界で高まる水増し是正の動き

出来高水増し疑惑報道の発端は、仮想通貨資産マネージメントBitwise Asset Management社による、「仮想通貨取引所の取引高のおよそ95%は水増し、あるいは虚偽」というものだ。

同社は、ビットコインETFに向けた申請修正案の一部として、今年3月にSECに提出した報告書の中で、仮想通貨データサイトCoin Market Cap(CMC)のデータは信憑性に欠けると指摘し、実際のBTCの取引高は「一般に理解されているよりはるかに小規模で、規律正しい」と主張した。

これに対し、業界の大手データサイトであるCoinMarketCapやCoinGeckoなどが対応方針を発表した。

すでにCoinGeckoは、取引高とアクセス状況に乖離が見られた場合、Trust Scoreを基に取引高の正常化修正を加え、取引高の偽装行為に歯止めをかける独自データの公表を行っている。

各取引所から申告された24時間の取引高による分類の代わりに、インターネット上のアクセス数とオーダーブック分析の組み合わせに基づく「正常化取引高」と「信頼スコア」(Trust Score)をベースにした取引高算出方法で、コインのページで統一して反映されている。

CoinPostの関連記事

突然の『アルトコイン主導上げ』仮想通貨市場はなぜ高騰した? XRPゴールデンクロスの進捗情報も
仮想通貨市況の記事内容:●アルト主導上げ●ビットコイン市場で重要ポイント●高騰要因と背景●XRPのゴールデンクロスについて
リップル社、当初よりも「21年早く」保有のXRPを放出か
ブロックチェーン調査会社がレポートを公表し、XRPの放出プロセスが、リップル社の当初の発表内容よりも早いペースで進んでいると指摘。調査会社は不一致による影響についても言及。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
07/06 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、ETH価格特化の新組織誕生や米国初のソラナ現物ステーキングETF上場など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコイン週次レポート:1600万円台を窺う展開、トランプ減税法案通過で相場底堅く推移|bitbankアナリスト寄稿
今週のビットコイン(BTC)対円相場は1600万円を窺う底堅い展開。トランプ減税法案上院通過で1520万円台で下げ渋り、ADP雇用レポート下振れによる早期利下げ観測で1570万円台に回復した。bitbankアナリスト長谷川氏は下降チャネル突破も11万ドル乗せに苦戦と分析。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|BitwiseのBTC20万ドル到達予測維持に高い関心
今週は金融アドバイザーの推奨ポートフォリオ、Bitwiseのビットコイン20万ドル到達予測維持、アリゾナ州知事による押収仮想通貨の準備基金法案への拒否権行使に関するニュースが最も関心を集めた。
07/05 土曜日
13:40
トランプ一族の「World Liberty Financial」、WLFIトークンの取引開始を提案
World Liberty Financialが仮想通貨WLFIトークンの譲渡可能化を提案。早期支援者のトークンがアンロックされる見込み。
13:00
リップル社、シンガポールでXRPLの起業家育成プログラム開催へ 最大20万ドル資金提供
リップル社がシンガポールでXRP台帳基盤の起業家育成プログラムを開始する。RWAトークン化・DeFi・AI分野などに焦点を置き、最大20万ドルの資金提供を予定している。
10:20
1兆円相当ビットコインが移動も、構造的売り圧力は限定的か=Bitcoin Vector分析
14年以上動かなかった8万ビットコイン(約1.2兆円)が8個のアドレスから移動。仮想通貨取引所への売却ではなくOTC取引との見方も。
09:45
ロシア国営ロステック、トロンでステーブルコインRUBx発行へ 制裁回避狙いも
ロシア国営企業ロステックがルーブル建てステーブルコインRUBxを年内に発行する予定だ。決済プラットフォームRT-Payも立ち上げる。経済制裁回避の意図もあるとみられる。
08:20
Mercado Bitcoin、XRPレジャーで約300億円の資産トークン化計画
ブラジルの仮想通貨取引所Mercado BitcoinがXRPLで実世界資産トークン化を拡大。南米機関による最大規模の取り組み。
07:10
英上場ゴールド探査会社Hamak Gold、ビットコイン財務戦略導入で247万ポンド調達
ロンドン上場のHamak Goldが仮想通貨戦略転換を発表。カタール王族系投資ファンドも参加し株価6%上昇。
06:55
14年以上動かなかったビットコイン、合計1兆円相当が移動 警戒感高まる
14年以上動かなかった合計1兆円相当の仮想通貨ビットコインが、8個のアドレスから移動したことがわかった。当時からどのくらい価値が増えているのかも明らかになっている。
06:30
Ondo Finance、米SEC登録のOasis Pro社買収でトークン化証券市場に本格参入
RWAトークン化プラットフォームOndoが規制準拠のOasis Proを買収。米国投資家向けトークン化証券サービス拡大へ。
06:21
初心者向け|仮想通貨取引所のKYC手続きとは?スマホでできるeKYCの流れと注意点
口座開設の必須手順 暗号資産(仮想通貨)取引所を利用し始めるには、口座開設時に「KYC(本人確認)」と呼ばれる手続きが必要です。これは、ユーザーの身分確認や、利用目的の確認を通…
06:10
スウェーデン、違法収益による仮想通貨の押収を強化
スウェーデンのストレマー司法相が警察や税務当局に仮想通貨を含む犯罪収益の押収強化を指示。昨年11月導入の欧州最厳格な没収法により840万ドル相当を押収済み。
05:40
2800分の1の確率を突破 個人マイナーがビットコイン採掘に成功、5000万円獲得
個人ビットコインマイナーが7月4日にブロック903,883を単独採掘し、3.173BTC(約5000万円)の報酬を獲得。ネットワーク全体の0.00026%のハッシュレートで成功。
07/04 金曜日
17:43
マックハウス、仮想通貨事業でゼロフィールドと基本契約
アパレル大手マックハウスが暗号資産事業に参入。国内マイニングシェア1位のゼロフィールドと基本契約を締結し、ビットコイン購入とマイニングの両輪戦略で収益多様化を目指す。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧