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米財務省、800億円相当のイラン関連仮想通貨を凍結

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • 米財務省がイラン関連仮想通貨を約5億ドル分凍結
  • イランが仮想通貨建て海上保険基盤を新設

イラン仮想通貨5億ドル凍結

米財務省のスコット・ベッセント長官は、「オペレーション・エコノミック・フューリー」を通じてイラン政権に関連する仮想通貨の凍結総額が約5億ドル(800億円相当)に達したとFOXビジネスの番組「バーニー&カンパニー」内で明らかにした。先月は1か月だけで3億4,400万ドルを凍結したとしている。

脅威検知データ企業の推計によれば、テヘランが管理する仮想通貨資産は約77億ドルに上る。ブロックチェーン分析企業チェイナリシスも2025年時点でのイランの仮想通貨保有額を78億ドルと試算しており、その約半数をイラン革命防衛隊(IRGC)が管理しているとしている。

イランは長年にわたり仮想通貨を活用して米国主導の制裁網を回避してきた。ビットコインマイニングを国家収入源として公認した経緯を持つ同国は、原油取引の決済手段としても仮想通貨の利用を拡大させてきた。

関連記事:米財務省、780億円規模のイラン関連仮想通貨を押収 先週は550億円のUSDT凍結も

米財務省のベッセント長官は4月29日、経済制裁作戦を通じて約5億ドルのイラン関連仮想通貨を押収したと明らかにした。イランによる仮想通貨を用いた制裁回避工作に対し、テザー社と連携した550億円規模のUSDT凍結など米政府は対抗措置を強化している。

4月24日にはステーブルコイン最大手テザー社が米外国資産管理局(OFAC)と連携し、トロン基盤のUSDT約3億4,000万ドルを凍結した事例もある。

業界関係者の間では、仮想通貨が制裁回避に使われるという認識とは裏腹に、ブロックチェーンの透明性が当局の追跡を容易にするとの見方が広がっている。

ビットコイン建て海上保険基盤「ホルムズ・セーフ」

クリプト・ブリーフィングは5月17日、イランがペルシャ湾およびホルムズ海峡を通過する船舶向けのデジタル海上保険基盤「ホルムズ・セーフ(Hormuz Safe)」を立ち上げたと報じた。これはイラン経済省が後援する国家主導の取り組みで、保険料の決済にビットコインをはじめとした仮想通貨を採用している。

世界の石油供給量の約2割が通過するホルムズ海峡では、タンカーや貨物船が海上保険への加入を必要とする。従来の保険はSWIFTを通じた欧米金融機関が引き受けてきたが、制裁によって締め出されてきたイランにとって、同基盤はドル基軸の金融インフラを迂回する手段となる。イラン政府内の推進派は、ペルシャ湾の海上保険市場で一定のシェアを獲得できれば100億ドル超の収益が見込めると試算しているという。

一方で、ベッセント長官はイラン産原油の取引を容認する金融機関や産業に対して二次的制裁を科す用意があると各国の買い手に通告しており、米財務省は追加の経済圧力強化策を続けている。

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