はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

2024年の上場仮想通貨銘柄とパフォーマンスを分析 アニモカ最新レポート

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

2024年トークン上場レポート

香港に本拠を置くWeb3大手アニモカブランズ(Animoca Brands)は、2024年に発生した暗号資産(仮想通貨)の上場イベントを対象に、9つの主要中央集権型取引所(CEX)と120を超える分散型取引所(DEX)の傾向とパフォーマンスへの影響を分析したレポートを発表した。

仮想通貨プロジェクトにとって、取引所への上場は極めて重要な節目であり、取引所の選択やタイミングによって、その後の価格やパフォーマンスが大きく左右される。レポートでは、3,000件超の上場イベントを調査し、価格変動(上場日終値からの7日・30日後)と取引量(初日および30日間)を軸に評価した。

同時に、上場時の完全希薄化後評価額(FDV)に基づいて、トークンを3,000万ドル未満、3,000万~1億ドル、1億~5億ドル、5億ドル超の4層に分類し、規模別の傾向を分析した。

まず、CEXにおける上場の実態として、調査対象となった9つの主要CEXでは、トークンのFDVの高低に応じて、独自の上場戦略を展開していることが明らかになった。

例えば、上場頻度が少ない取引所は、FDVが5億ドル(約736億円)を超える大型トークンを重視し、一方で頻繁に上場を行う取引所はFDV3,000万ドル(約44.2億円)未満の小型トークンを優先する傾向が見られた。

また、上場活動はビットコイン価格と連動しており、強気相場では活動が活発になる一方で、弱気相場では活動が鈍化した。特に大型トークンは、市場センチメントの変化により敏感だった。

完全希薄化後評価額(FDV)とは

仮想通貨やトークンプロジェクトの価値を評価する際に用いられる指標の一つで、あるトークンの総供給量(将来発行されるトークンも含めた最大供給量)のすべてが市場に流通した場合の、プロジェクトの時価総額を表す。

価格動向と取引量

上場日終値に対する7日および30日後の価格は、ビットコインの価格にほぼ連動していたが、取引所間では違いが見られた。

全取引所における価格パフォーマンスにおいては、「スマイルカーブ」が出現。高FDVの取引所(例: Binance)や低FDVの取引所(例: MEXC)では30日後に価格が上昇したが、その中間に属する取引所(例: Bybit、Bitget)では平均10%の価格下落を記録した。

また、7日後の価格パフォーマンスも、同様のパターンを示し、バイナンスに上場したトークンは3%上昇、MEXCがほぼ横ばいであったのに対し、中規模取引所は大きな損失を被る結果となった。

新規上場トークンの取引量では、バイナンスがトップに立ち、OKXとUpbitが続いた。Upbitでは、上場初日24時間の取引量でバイナンスに匹敵する結果を出し、OKXでは、FDV3,000万~1億ドル層に属するトークンの取引量でリードした。

DEX対CEX

従来、DEXでの上場は中央集権型取引所(CEX)の補完的な役割と見なされてきた。

CEXでの初上場と並行してDEXに流動性プールが作られ、ユーザーはオンチェーンとCEXの両方で取引が可能だった。一方、DEX単独での上場は、主に主流性の低いニッチな需要に対応したトークンに使われる、より分散化志向のアプローチとされてきた。

しかし、最近では、初上場先をDEXのみに限定し、CEX上場を延期または放棄する傾向が強まっているとレポートは指摘した。

この戦略の有効性と影響を評価するため、2024年後半に上場したFDV3,000万ドル超のトークン(415件)に焦点をあて、DEX先行上場アプローチ(DEXのみで30日間取引)とCEX上場のアプローチを比較した。そのうちの114件が、DEX先行上場トークンだった。

また、2024年の仮想通貨市場では、二つの強気市場(2月~3月及び9月~12月)があったが、DEXへ上場活動は、市場の勢いに敏感であるとレポートは指摘した。

その背景として、DEXへの上場活動は、8月に低下したのち、第4四半期に回復した。第3四半期において、DEXへの初上場は新規トークンの20%未満だったが、11月と12月には30%以上に急増したことを挙げた。

価格パフォーマンス(2日目~7日目および30日目までの変化で測定)に関しては、DEX初上場トークンは、5つの中規模CEXのうち4つを上回る結果となった。また、上場後30日間の取引量に関しても、DEXの取引量はKucoin、Gate、MEXC などのCEXと同等かそれ以上となった。

CEXでの上場

DEXに初上場したトークンのうち、約16%が後にCEXに上場したが、中規模取引所が主な上場先であり、バイナンスやUpbit、OKXなどのトップCEXに上場したのはわずか2%にとどまった。

一方、中規模CEXに初上場したトークンのうち、最終的に約3%がトップCEXに上場した。DEX先行トークンと同程度の成功率であり、どちらの場合もトップに進出する道は険しいことが明らかになった

この結果は、DEX先行トークンがCEXへの上場を果たす可能性はあるものの、主に中規模層で止まる傾向を示している。中程度のFDVトークンにとって、スタート地点がDEXか中規模CEXかに関わらず、大規模CEXへの飛躍は容易ではないようだ。

関連:仮想通貨を種類別に解説|アルトコイン、ミームコインまでわかりやすく

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
05/09 金曜日
14:49
コインチェック、ビットコインステーキングで法人向け新サービス検討へ 
コインチェックがBabylon LabsとNext Finance Techと共同でビットコインステーキングサービスの提携を開始。事業法人・機関投資家向けに、ビットコイン保有からのインカムゲイン獲得機会を創出。世界初の信頼不要型・自己管理型プロトコルにより、BTCの新たな収益化手段を提供。Coincheck Primeを通じて日本企業の暗号資産活用を促進。
13:50
トランプ大統領、XRP準備金投稿にロビイスト関与で激怒 リップル社との深い繋がりが明らかに
トランプ大統領による戦略的準備金にXRPを含むとする投稿の裏に、リップル社を顧客に持つロビイストの存在が判明した。トランプ氏は激怒し、このロビイストをホワイトハウスから締め出した。
13:25
ソニー・バンダイナムコ・Gaudiy、100億円調達で日本IPの海外展開加速
ソニー、バンダイナムコHD、Gaudiyが戦略的パートナーシップを締結し100億円の資金調達を実施。CrunchyrollとMyAnimeListの連携などでグローバル展開を強化、次世代クリエイター育成やブロックチェーン・AI活用も推進。
13:01
G7、北朝鮮の仮想通貨ハッキングを議題に検討か
G7サミットで北朝鮮によるサイバー攻撃対策が議題になる可能性がある。2024年の仮想通貨ハッキング被害は13億ドル超となり、IT労働者を装った企業への侵入も報告されている。
11:46
ビットコイン大台の10万ドル奪還、低迷していたイーサリアム高騰の背景は?
ビットコインは3ヶ月ぶりに10万ドルの大台を回復し、イーサリアムが高騰した。背景には複数の好材料が挙げられる。ビットコインETFへの資金流入も加速し、直近2週間で約6200億円が流入した。機関投資家の動きも活発化する中、アルトコイン市場への波及効果も期待される。
11:15
仮想通貨時価総額、34兆円急増
仮想通貨市場の時価総額が一日で34兆円増加。イーサリアムは「ペクトラ」アップグレード実装で20%高騰、ドージコインとエイダも12%超え。米国の仮想通貨法案可決と米英貿易協定が追い風に。
10:50
まずはソラナ上で株取引サービスを開始へ Superstateが発表
RWAトークン化企業Superstateは、株を発行できるプラットフォームOpening Bellを発表。まずは仮想通貨ソラナのブロックチェーンに対応し、その後はイーサリアムに拡大する。
10:25
コインベース1~3月期決算報告 収益は事前予想下回る
米仮想通貨取引所コインベースの2025年1-3月期決算を発表。収益は予想を下回る20億ドルとなった。一方、ステーブルコインUSDCは好調であり、デリビット買収で成長戦略を加速している。
09:20
ビットコイン10万ドル復帰でより強気な予測に、6月までに12万ドル超の可能性
ビットコインが心理的節目の10万ドルを突破。スタンダード・チャータード銀行のアナリストは第2四半期で12万ドル超、2028年には50万ドルに達する強気予測を示す。実需資金流入とトランプ大統領の仮想通貨政策が価格上昇を後押しへ。
08:15
ビットコイン10万ドル突破 米各州で仮想通貨法案が次々と成立|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは、米ニューハンプシャー州におけるビットコイン準備金法案の成立を皮切りに、アリゾナ州、ミズーリ州と続けて仮想通貨に対して好意的な法案が次々に可決・成立したことを受け急騰した。
07:40
コインベース、デリビット買収合意 時価総額1兆ドルへ成長の可能性
仮想通貨取引所コインベースは、デリバティブ大手Deribitの買収で合意したと発表。買収金額、今後の目標、デリビットCEOのコメントなどを公表した。
07:25
米SEC、証券のトークン化促進に向け規制緩和を検討
米SECのパース委員がブロックチェーンを活用した証券の発行・取引・決済を可能にする規制免除命令を検討中と発表。企業がトークン化証券のための革新的取引システムを利用できる環境整備を目指す。
06:35
米GENIUS法案が否決、ステーブルコイン規制の先行き不透明に
米上院のステーブルコイン規制法案「GENIUS法案」が手続き投票で否決。民主党議員の支持撤回の背景にトランプ家の仮想通貨関与による利益相反懸念。他の仮想通貨法案にも影響の恐れが浮上。
06:15
ザッカーバーグのメタ社、ステーブルコイン導入で国際決済市場に再参入か=報道
メタが仮想通貨企業と連携し、インスタグラムのクリエイターへのコスト効率の高い国際決済にステーブルコインを活用する構想を模索。Libraプロジェクト廃止以来の動きとなる。
05:50
リップルとSEC、XRP訴訟で和解合意
リップル社とSECが和解合意に達し、1億2500万ドルのエスクロー資金解除を求める共同申立書を提出。最終的に5000万ドルを支払う条件で3年半続いた法的争いに終止符が打たれる見通し。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧