*本レポートは、X-Bankクリプトアナリストである仮想NISHI(@Nishi8maru)氏が、CoinPostに寄稿した記事です。
仮想通貨マーケットレポート(11/5 AM9時)
仮想通貨ビットコイン(BTC)は一時10万ドルを下回り、円ベースでは24時間で約140万円下落した。背景には、MEXCやBalancerにおける信認性および流動性不安が依然として解消されていないことに加え、米株式市場でIT銘柄が失速したことが下落を後押しした格好となった。
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11月4〜5日相場状況
成行注文の状況をみると、下落の主因は現物市場での売りであることが確認できる(下画像赤枠)。特に節目である10万ドルが近づくにつれ売り圧力が強まり、損切注文が連鎖的に発動した可能性が高い。
オーダーブック(板情報)を分析すると、10万ドルの厚い板が崩壊した結果、9万4千ドル付近に新たな厚い板が形成されている。一方、現値から上方の水準では明確な厚い板が見られず、ショートカバーが発生した場合には短期的な反発上昇が起こりやすい状況にある。
さらにデリバティブ市場では、複数の主要取引所で先物価格が現物価格を下回る「バックワーデーション」が確認されており、需給が引き締まっていることが示唆される。このため、短期的にはショートカバーによる反発上昇の余地があると考えられる。
オプション市場では、プットコールレシオが依然として高止まりしているものの、直近ではやや低下に転じている。これは、10万ドル割れを経た反発局面を投資家が意識し始めている兆候とみられる。
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現状分析(11/5日 AM9時)
ビットコインは10万ドルを割り込んだものの、内部構造を精査すると、短期的にはショートカバー主導の上昇が生じやすい局面にあるといえる。
ただし、今回の下落の根本的な要因は、大手CeFiであるMEXCの信頼低下およびBalancerのハッキング被害に伴う市場全体の流動性不足である点を忘れてはならない。加えて、下落のタイミングがちょうど3年前のFTXショック(2022年11月初旬)と重なることも市場心理を悪化させている。
これらの不安要因が短期間で一定の改善に向かわない限り、ビットコインが再び本格的な上昇トレンドを形成するためのハードルは依然として高い状況にある。
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