- 仮想通貨市場
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●サンバイオショックで、株の新興指数が記録的下げ幅
●微反発するBTC価格が目指す先
●韓国の「今年最も期待する仮想通貨」でXRPが1位
●BitTorrentが異例のICOである理由
金融市場と仮想通貨
本日の国際金融市場の値動きは、以下の通り。
日付 | NYダウ | 日経平均株価 | ドル円 |
---|---|---|---|
1/23(水) | 24,404ドル(-301) | 20,593円(-29) | 109.63円(+0.3) |
1/24(木) | 24,575ドル(+171) | 20,574円(-19) | 109.69円(+0.6) |
1/25(金) | 24,553ドル(-22) | 20,773円(+198) | 109.76円(+0.7) |
1/28(月) | 24,737ドル(+183) | 20,649円(-124) | 109.41円(-0.35) |
1/29(火) | 24,528ドル(-208) | 20,664円(+15) | 109.43円(+0.02) |
1/30(水) | 24,579ドル(+51) | 20,556円(-108) | 109.35円(-0.8) |
本日の日経平均株価は、前日比108円安の20,556円で反落。米民間調査機関コンファレンスボードが発表した1月の消費者信頼感指数が120.2と、2017年7月以来の低水準だったことが重しとなった。
その他の要因として、直近数ヶ月で高騰していた、再生細胞医薬品を開発するバイオベンチャー「サンバイオ(4592)」の暴落が及ぼした悪影響も挙げられる。
サンバイオと大日本住友は29日、共同開発していた再生細胞医薬について、慢性期脳梗塞を対象とした米国での治験フェーズ2bで主要評価項目を達成できなかったと発表した。
2018年11月に3500円台だった同銘柄は、脳細胞薬の治験2相をクリアしたことで実用化への思惑が急台頭。将来的に認知症分野での適用拡大が期待されるなどして、上場来高値を連日更新するなど過熱状態にあった。
今回、成功を織り込んでいた慢性期脳梗塞を対象とした米国での治験失敗がネガティブサプライズとなり、寄らず(3,000円幅)のストップ安を付けた格好だ。
マザーズ市場最大にまで時価総額が膨らんでいたサンバイオの影響で、「マザーズ指数」が-8%の記録的下げ幅になるなど大きく押し下げたほか、多岐に渡る銘柄で、追証回避の連鎖売りが発生するなど、センチメントが急悪化した。
通常であれば、個別銘柄の影響は限定的だが、株式市場全体が薄商いのため、指数売りを助長するなど地合いの悪さもネガティブに働いたものと思われる。
前場引け前時点で、発行済み株式総数約4900万株に対し、約1200万株が売りに殺到。これに対し、買いはわずか3万株足らずだった。
2016年に6日連続ストップ安を付けたアキュセラを彷彿とさせるとの指摘もあり、昨年10月以降、金融市場全体の地合いが悪化する中、新興市場を牽引する存在だっただけに、今回の暴落劇は個人投資家の懐を再び直撃したと言える。
ビットコインテクニカル分析
ビットコイン価格の週足ベースでは、昨年12月半ばに約47万円まで反発して以来、高値・下値ともジワジワと切り下げ続けている。
とは言え、チャネル下限に届く前に一旦下げ止まって反発しており、短期筋の目線も変化しつつある。
短期足では、底値圏で逆三尊のような形状(下図)を描きつつあり、ショートの利確及びドテンロング目線が増える可能性も考えられるが、売り圧力が強く抵抗帯も多いため、中期的には下目線優勢と言えるだろう。
明けない夜はない
実需を伴った上昇には、好ファンダの後押しでの投資家のセンチメント改善は必要不可欠だが、本日、大型投資運用企業であるフィデリティ社の仮想通貨関連企業(Fidelity Digital Assets社)が、3月中に機関投資家向けにビットコインの保管サービス提供を目指していると報じられた。
春先には、ビットコイン先物取引提供予定の「Bakkt」サービス開始も控えており、同じく流動性向上、および機関投資家の参入が見込まれる。
仮想通貨市場に関しては、新しい資産クラスとして数十兆円規模まで成長し、世界各国の大企業が多数参画している以上、このまま未来永劫下がり続けるということは考えにくい。極寒の冬が長引いている現在だが、バブルに沸いた2017年と比較しても共通規格など環境整備の観点では大きく前進していることから、今は「忍耐の時」と言えるかもしれない。
韓国の「2019年最も期待される仮想通貨」アンケートでXRPが1位
韓国4大取引所として知られる「Coinone」で行われたアンケート、「2019年最も期待される仮想通貨」の調査結果にて、リップル/XRP(22.9%)が1位になったことが明らかになった。
利用者の関心度を図るため、16日から27日までに調査を実施、約2200人が回答した。
2位のETH(18.7%)、3位のBTC(15.2%)を抑えて首位に選ばれた理由としては、Ripple社の「xCurrent」ソリューションが挙げられており、海外送金分野で本格的に商用化されることに対して、韓国人投資家の期待を集めているという。
「Coinone」では、XRPなど上位に選ばれた仮想通貨に関するミートアップ(非公式イベント)を開催予定としている。
ICO「BitTorrent(BTT)」がバイナンス上場
世界最大級の仮想通貨取引所バイナンスが行った「BitTorrent(BTT)」のICOが、セール開始15分で720万ドル(約8億円)分が完売するなど異例の人気を集め、この影響で関連銘柄のTRON(TRX)が活気付いている。
BitTorrentは2018年8月、TRONの創業者Justin Sun氏に約130億円で買収され、仮想通貨プロジェクトTron(TRX)の子会社となった人気データシェアプラットフォームだ。
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1月28日にバイナンスプラットフォーム「LaunchPad(ローンチパッド)」上で行われたBTTのICOは、BNBかTRON(TRX)で購入可能であったが、今回、2月11日にトロン(TRX)保有者を対象に、BitTorrentトークン(BTT)のエアドロップが行われることが発表された。
ICO考察
クラウドファンディングの仕組みである「ICO(Initial coin offering)」は、2017年後半のバブル期を除き、基本的に上限数まで投資家の資金が集まることはない。仮に資金が集まったとしても、現在の市況にある中で、上場後にICO割れを起こすことも珍しい話ではない。
ところが今回、わずか15分で完売しており、多くの買い手に行き渡っていないことから、買い需要が継続していると考えられる。
ここで重要となるのが、31日で判明する上場直後の価格(初値形成)であり、ICO取得単価及びICOの売出し価格(0.00012ドル)をこれが上回れば、需要が供給を上回っていることを証明できる。
そしてその場合、TRONの価格にも好影響を与える可能性が高い。なぜなら、トロン(TRX)ホルダーを対象にしたエアドロップ実施が予告されたからだ。
#Binance Lists BitTorrent (BTT) and Completes Distribution for Successful Launchpad Participants and Additional Airdrophttps://t.co/y86k9sZJkY pic.twitter.com/6SACE8K6zi
— Binance (@binance) 2019年1月30日
トロン(TRX)において、660万ブロック到達時点のスナップショットに基づき、BitTorrentトークン総供給量の1.1%相当の「108億9000万BTT」が分配されるという。
トロン保有者1人あたりのエアドロップの配布量次第にはなるものの、差益(TRXとBTT初値が取引価格との価格比)が大きいようであれば、同等程度の買い圧力が予想される。
今回の動きの評価点
- 上場速度
- 透明性
- 流動性
「BitTorrent(BTT)」におけるバイナンスのICOから上場までの速度は異例であり、これは取引所側の本気度を示唆している。また通常であれば、ICO→上場まで時間を要するケースが多く、上場までに地合いの変化などロックアップリスクを被りやすいが、この懸念はすでに解消されている。
通常であれば実態に関して不透明な企業が懸念されるが、今回はバイナンスがデューデリジェンス(投資先の価値やリスク調査)を行い、審査している
世界最大の流動性を有するバイナンスへの上場であることで、一定水準以上の出来高が期待できる。
このような視点で見ると、悪材料続きで規制ばかり強化されたことで、投資家の関心度も薄れ、結果的に下火になっていたICO需要が再び上昇するきっかけと可能性も考えられる。
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