数百万ユーザーに影響
グローバル版の暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスは19日、EU(欧州連合)地域の法定通貨ユーロ(EUR)の入出金のために、決済サービスプロバイダーの契約を締結したことを発表した。ユーザーは既にEURの入出金を利用できるという。
今年6月に米国の証券取引委員会(SEC)はバイナンスを提訴。その後、Checkout.comやPaysafe Payment Solutionsなどの決済サービスプロバイダーがバイナンスとの提携を順次終了。その結果、9月25日にバイナンスはユーロの入出金を一時停止していた。
Checkout.comはまた、規制当局の方針に加え、マネーロンダリング対策やコンプライアンスの問題点を挙げて提携解消の理由を述べていた。
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Checkout.comはバイナンス宛の書簡で、規制当局の動向だけでなく、マネーロンダリング防止、経済制裁、コンプライアンス管理の対策に対する懸念を指摘したという。
「コミュニティに様々な決済サービスを提供するために、多くの新しい規制および認可されたフィアットパートナーとの契約を締結した。ユーザーはすでに新しいサービスに移行し始めている」とバイナンスは述べた。
新しいパートナーシップのもと、バイナンスはEUで推進されている各種の銀行サービスを提供可能になる。結果的に、銀行カードを使用した仮想通貨取引やオープンバンキング(資金の一元管理)、即時の銀行間支払い「SEPA」などを再び利用可能になるとした。前日には、ユーロ取引を再開する方針を示し、複数のFDUSD通貨ペアを追加する計画を発表していた。
バイナンスは、法定通貨と仮想通貨間の交換を簡単にできることがユーザーに重要な影響をもたらすと強調。必要なパートナーを確保したことで、「数百万人のバイナンス・ユーザーは、法定通貨チャネルに簡単にアクセスできるようになった」と主張した。
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バイナンスのEU規制対応
バイナンスは2023年に欧州市場でのコンプライアンス強化に向けた動きを進行中。6月にはプライバシー関連の仮想通貨取引市場の提供を中止。EUではマネーロンダリング対策の一環としてプライバシー関連銘柄の使用禁止が検討されているところだ。
加えて、バイナンスは2024年6月までにステーブルコインの上場廃止も検討中と伝えられている。これは、来年6月に施行予定のEUのMiCA法により、ステーブルコインのコンプライアンスを厳格に求める動きがあるためだ。
バイナンスは7月末、ドイツの金融監督庁であるBafinから仮想通貨カストディ(保管業)ライセンスの申請を拒否されていた。Bafinは拒否理由を公表していないが、バイナンスはBafinとの協議を継続し、要件を遵守しようとしている。バイナンスは変化した市場と規制状況に対応するために、再び適切なライセンスを申請する意向を示していた。
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