アーサー・ヘイズ氏「G7中央銀行の利下げで仮想通貨は新たな強気相場へ突入する」

強気相場の復活

暗号資産(仮想通貨)取引所BitMEXの創業者で元CEOのアーサー・ヘイズ氏は6日、最新のブログで相次ぐG7中央銀行の利下げを取り巻く状況を分析し、「仮想通貨の強気相場が再び目覚めようとしている」と主張した。

「愚か者の集団」と題したブログでヘイズ氏は、ドルと円の為替レートが最も重要なマクロ経済指標だが、「G7を率いる中央銀行のいかさま師たち」は円と米ドル、ユーロ、ポンド、カナダドルの金利差が徐々に縮小するというシナリオを演出するため、日本以外のG7の中央銀行が高い政策金利を引き下げる可能性があると示唆した。

ヘイズ氏は、将来、金利が収束に向かうことを市場に納得させることが円高につながり、中国による人民元の切り下げ阻止に役立つとの見ている。人民元の切り下げにより、米国債が大量に売却されれば「パックス・アメリカーナ」(米国の覇権による平和)主導による世界金融システムが脅かされる恐れがある。

ヘイズ氏は、イエレン米財務長官が金利差を縮小することを決定した場合、唯一の選択肢は政策金利が高い中央銀行が金利を引き下げることだと指摘している。

先週、カナダ銀行(BoC)と欧州中央銀行 (ECB)は、インフレ率が目標を上回っているのにも関わらず、金利を引き下げるという異例の措置を取った。ヘイズ氏は、欧州とカナダの動きは、世界的な金融融政策緩和への転換を示していると見ており、投資家は ビットコイン(BTC)などの代替資産を求め、仮想通貨の強気相場につながる可能性があると示唆した。

FRBは利下げに向かうか

13日から15日までG7サミットが開催されるが、日銀以外の各国中央銀行が利下げの開始に合意するかに関心が集まるとヘイズ氏。

中でも最も大きな影響力を持つ米連邦準備制度理事会(FRB)の動向が注目される。

米国では今年11月に大統領選が迫っており、通常ならFRBは方針を変更しないと同氏は語る。しかし、「有力な大統領候補が実刑判決の可能性に直面する」という前代未聞の状況下では、「柔軟な考え方をするつもりだ」と述べた。

同氏は、インフレ指標が目標を上回る中、FRBが金利を下げるのは「政治的自殺行為」だと考えており、基本的にFRBは金利を据え置き、日銀による金融政策にも変更はないと見ている。

一方、保守党の大敗が予想される英国に関しては、「イングランド銀行に失うものは何もない」ため、「BoCとECBの金利引き下げを考えると、下落に驚かされる局面もありうる」と述べた。

予想シナリオの変化

ヘイズ氏は、利下げという「中央銀行の花火」は、主要国の中銀総裁や著名エコノミストが参加し、世界金融市場に大きな影響力を持つ経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」が開催される8月から開始するのが基本的な流れだと考えていたという。

同会議は「突然の政策変更が発表される場」でもあるとヘイズ氏は指摘する。しかし、BOCとECBの利下げにより、中央銀行はすでに金融緩和のサイクルを開始したと同氏は見ている。

このようなマクロ環境の変化によって、ヘイズ氏は戦略を変更すると発表。同氏は、「ステーブルコインUSDeで、かなりの年利を稼いでいるが、ビットコインと確信を持てるコインに投入する時が来た」と述べた。

仮想通貨の強気相場が再び目覚め、放漫な中央銀行家たちの皮を剥ごうとしているといえば十分だろう。

関連:ビットコイン強気相場継続の根拠、アーサー・ヘイズ氏語る

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