CoinPostで今最も読まれています

独規制当局「DeFiには新しい規制が必要」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

分散型金融の問題点

ドイツ連邦金融監督庁(BaFin)のVon Birgit Rodolphe執行理事は16日、分散型金融(DeFi)が従来の金融市場と真の意味で競合していくためには、明確な新しい規制が必要だと述べた。

Rodolphe氏は、急な融資が必要になった時「世界中から集まった数千人の仮名集団」から数秒で融資が受けられるようなDeFiは、「まるでユートピアのようだ」と形容。一方、融資の延長や暗号資産(仮想通貨)の「突然の消失」を何処に持ち込めばよいのかなど、対処方法が不明で預金の保証もされないため、「むしろディストピアなのでは」と批判した。

DeFiは、その熱心な支持者が描くほど草の根的で利他的な存在ではないことが、経験から証明された。この領域には技術的な問題、ハッキングや不正行為が蔓延している。数百億円規模の被害も珍しくない。

Rodolphe氏は、DeFi市場は依然としてニッチな市場だが、規制が整備されないまま放置される時間が長くなるほど、消費者にとってのリスクが増大すると指摘。さらに極めて重大な製品やサービスが確立してしまうリスクも高まると警告した。

そのため、BaFinは積極的に新しい製品/サービス提供に関する規制の基盤整備を推進し、革新的なプロバイダーが「法的に確実な方法」で事業を展開することを可能にすべきだと、同氏は強調した。ただし、規制の基準を緩和したり、DeFi関連製品が従来の金融市場の同等の製品よりも有利な立場に置かれることはないと付け加えた。

DeFi(分散型金融)とは

「Decentralized Finance」の略。ブロックチェーンを活用し、中央管理者不在の状態で行われる金融サービス、またはそのシステムを指す。

▶️仮想通貨用語集

関連:DeFi(分散型金融)とは|初心者でもわかるメリット・デメリット、重要点を徹底解説

欧州の統一規制

Rodolphe氏がDeFi規制に言及した背景には、欧州連合(EU)域内の統一仮想通貨規制案「MiCA」についての議論が進行していることがある。

Rodolphe氏は、EU市場の分断を防ぎ、欧州全体でのイノベーションの可能性を活用するためにも、域内で統一されたDeFi規制を導入することが理想的だと述べている。

EUが2020年9月に公表したMiCAでは当初、ステーブルコインの規制整備が主要目標の一つだったが、現在はNFT(非代替性トークン)やDeFiを規制の枠組みの中に含めるかどうかに、議論が移ってきているようだ。

MiCAは3月末、懸念されていたPoW(プルーフオブワーク)銘柄の禁止条項は承認されずに、EU議会、委員会、評議会の三者協議にかけられる段階に入った。

関連:EUの仮想通貨規制法案「MiCA」、次の段階へ

一方、欧州議会では3月31日、仮想通貨の自己管理型ウォレットを規制対象にする法案の条項を承認。自己管理型ウォレットもマネーロンダリング対策(AML)の監視対象となるため、米仮想通貨取引所コインベースらが懸念を示していた。なお、この条項を含む法案が正式に議決されるには、三者協議が必要とされる。

関連:欧州議会、仮想通貨の自己管理型ウォレットに関する規制を承認

仮想通貨を推進するドイツ

ドイツの連邦財務省は10日、法人や個人など様々な納税者に向けて、仮想通貨の所得税取り扱いについて、容易に適用できるガイドラインを発行した。同国初となる全国的なガイドラインは、最終的な結論ではないとされている。

ドイツでは取得した仮想通貨を1年以上保有後、売却した場合、所得税が非課税となっている。今回のガイドラインでは、レンディングやステーキングなどに用いた仮想通貨であっても、1年が経過すれば、売却した場合に所得税が課税されない方針が示された。

また、ドイツ政府は今後4年間の推進プロジェクトの一つに仮想通貨とブロックチェーン技術を挙げており、昨年7月には、機関投資家が特別のファンド(Spezialfonds)を通じて、資金の最大20%を仮想通貨に投資できるようにする新しい法律が可決された。

関連:仮想通貨取引所FTX、アップルやテスラなどトークン化された株式を1株未満売買可能に

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
05/17 金曜日
13:00
ワールドコイン、秘匿化技術で生体認証データの保護・オープンソース化を発表
暗号資産(仮想通貨)でベーシックインカム実現を目指す、ワールドコイン・ファンデーションが生体認証データ保護にSMPC技術を導入。そのシステムをオープンソース化した。セキュリティとプライバシーを強化するとともに、システムの普及拡大を目指す。
12:32
短期トレンド変化のビットコイン続伸なるか、ミームコインが牽引する場面も
CPI発表で急反発を見せた暗号資産(仮想通貨)相場ではビットコイン(BTC)が下降チャネルをブレイクアウトした。16日には賛否両論渦巻くミームコインが相場を牽引する場面も。
12:00
世界最大の証券清算機関DTCC、チェーンリンク活用した「Smart NAV」を実験
世界最大の証券清算・保管機関DTCCは、チェーンリンクを活用した「Smart NAV」の実証実験を行った。JPモルガンなど金融大手10社が参加している。
11:10
Slash Fintech、暗号資産決済でVプリカ販売サービス開始 NFT特典も実施中
Slash FintechがVプリカ販売サービスを開始。暗号資産(仮想通貨)決済でVプリカ購入可能。特典としてSlash Genesis NFTをプレゼント。利用方法から使い方まで解説。
10:00
ブラックロックのビットコインETF、アナリストが高評価
ブラックロックの仮想通貨ビットコインETFの購入者数は記録的な数字であると、ブルームバーグのシニアアナリストが高評価。レポートが提出され、ビットコインETFのパフォーマンスを分析した。
09:30
SECの仮想通貨保管ガイドライン覆す決議案、米両院で可決
米連邦議会上院は、下院に続き、SECが発行した仮想通貨の保管に関する会計公報を覆す決議案を可決した。議員やSECがコメントを発表している。
08:35
TON基盤の「Notcoin」、800億トークンをエアドロップ
仮想通貨NOTトークンはエアドロップの実施に際しBybitやOKX、バイナンスに新規上場した。現在0.0075ドルで取引されている。
08:00
「BTCの短期の上値余地は限定的」JPモルガン
仮想通貨ビットコインの短期の上値余地は限定的であるとJPモルガンは予想。他にもビットコインの生産コストやマイナーの状況を分析した。
07:10
モルガン・スタンレー、420億円相当のビットコインETFを保有
米金融大手のモルガン・スタンレーが第1四半期の時点(3月末まで)で、420億円相当の仮想通貨ビットコインの現物ETFを保有していたことが13F書類で確認された。
06:20
ソラナ基盤のリステーキングSolayer、わずか45分で目標の31億円入金上限額を達成
Solayerの「epoch 0」は招待のみのアクセスで、仮想通貨ソラナネイティブステーキング、mSOL、JitoSOL、bSOL、INFのステーキングを対象としたもの。TVLが最も高いのは、mSOLで、833万ドルに達した。
05:45
コインベース、3つのソラナ銘柄の永久先物提供
米仮想通貨取引所大手コインベースは16日、3つのソラナ基盤の銘柄のパーペチュアル先物取引を新たに提供した。JupiterやJitoが対象となった。
05/16 木曜日
15:14
アークとフィデリティが牽引するビットコインETFの資金流入
米国のビットコイン現物ETFに巨額の資金流入が2日間続いている。直近ではブラックロックのiシェアーズ・ビットコイン・トラスト(IBIT)への資金流入が一服した一方、ARKBとFBTCが注目され、累積純流入額は121億ドルに達した。暗号資産(仮想通貨)投資信託に対する直近の流入動向を分析。
14:30
メタマスク、ボット対策の取引機能を提供開始
米Web3ソフトウェア企業Consensysは、 仮想通貨ウォレットのMetaMaskで同社が開発した新技術「スマート・トランザクション」が利用可能になったと発表した。
14:10
米デリバティブ大手CME、ビットコイン現物取引の提供を計画
現物の仮想通貨ビットコインへの直接アクセスは、規制された最大のデリバティブプラットフォームを通じて、金融商品として本格的な普及につながる見込みだ。
13:04
SBI VCトレード、ジパングコインの貸暗号資産で特別年率を提供
暗号資産(仮想通貨)取引所SBI VCトレードがジパングコイン取扱いを開始し、貸コインで年率99%の特別キャンペーンを実施中。デジタルゴールドでインカムゲインを得る機会が期間限定で提供される。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア