ファントム(FTM)の概要
ファントム(FTM)は、イーサリアム(ETH)と特徴が良く似た仮想通貨で、スマートコントラクトプラットフォームで使用されている。実際にブロックチェーンはイーサリアムと互換性がある。
これからファントムのブロックチェーン上には、イーサリアムと同様に、DeFi(分散型金融)やNFT(非代替性トークン)などのプラットフォームが増えていく予定。「Fantom Foundation」という財団が開発を主導しており、メインネットは2019年12月にローンチされた。
ファントムの用途は送金、手数料の支払い、ステーキング、ガバナンスの4つ。総発行量は約31億枚である。
現在ファントムは独自ブロックチェーンの規格のほか、イーサリアムの規格「ERC-20」とバイナンスチェーンの規格「BEP-2」の3種類が流通している。
ブロックチェーンの特徴
ファントムを開発する主な目的は、「スケーラビリティ・セキュリティ・分散性」の3つ全てを同時に実現することは困難であるという「ブロックチェーンのトリレンマ」を解決すること。
ラケシスという独自のコンセンサスアルゴリズムを導入し、非同期で合意形成を行いながら、有向非巡回グラフ(DAG)というデータ構造を採用するなどして、処理を速めている。
コンセンサスでは「プルーフ・オブ・ステーク(PoS)」の仕組みも導入。現在もセキュリティを維持しながら、ノードの数を増やして分散性を高め、ネットワークを発展させている。
ユースケース
大企業との提携のような大きなユースケースはないが、現在もネットワーク上ではdApps(分散型アプリ)の開発が進められ、他のプロジェクトとの連携を開始。
2020年3月には、仮想通貨チェーンリンク(LINK)のプロジェクトとの協業を発表している。ファントムのdAppsは、仮想通貨の価格データ等の外部情報を入手するために、チェーンリンクの分散型オラクルを使用できるようになった。
また2021年11月には、235の国と地域に仮想通貨決済サービスを提供するCrypoRefillsが、決済の処理手段としてファントムのブロックチェーンを採用したことを発表。手数料が安いことや処理能力が高いことを採用の理由に挙げている。