ダッシュ(DASH)の概要
ダッシュ(DASH)は、決済利用を目的とした仮想通貨。即座に簡単に利用でき、手数料をほぼ無料にして、金融の自由を人々に提供することを目指している。これまで、日常生活で利用される「デジタルキャッシュ」になれるよう開発が進められてきた。
匿名性の高さと、自動販売機で利用できるほどの速い処理速度が大きな特徴だ。
ダッシュの発行上限は現時点では約1,890万枚。ローンチは2014年1月で、最初の名称は「XCoin」、その後「Darkcoin」という名称を経て、ダッシュへと改名した。
ブロックチェーンについて
採用するコンセンサスアルゴリズムはプルーフ・オブ・ワーク(PoW)だが、ダッシュでは「X11」と呼ばれる。11種類のハッシュ関数を利用し、従来のPoWの仕組みを複雑化して改良したX11は、セキュリティの向上や不確実性の軽減を実現した。
また、InstantSendや取引のプライバシーを高める「CoinJoin」などの機能を実現するために、ネットワークに上にマスターノード(Masternodes)という役割が導入されていることも大きな特徴。ダッシュのネットワークはマイナーとマスターノードで二層になっており、マスターノードはガバナンスに参加したり、ユーザーのデータを安全に保管したりする役割も担う。
InstantSendはマスターノードに承認を一任することで、承認速度を速めている。同じくPoWを採用するビットコインでは10分以上かかるブロック承認を、ダッシュは約1.3秒で行うことが可能だ。
ユースケース
実際にダッシュは、決済での利用が進んでいる。
例えば2020年8月には、メキシコの仮想通貨取引所Taurosとの提携で、メキシコでVISAデビットカードを発行することが分かった。他の仮想通貨も利用可能だが、ダッシュのプロジェクトが発行を主導。当時ラテンアメリカで仮想通貨を利用できるデビットカードが発行されるのは初として注目を集めた。
2021年7月には、ダッシュを日常の支払いで利用できるアプリ「DashDirect」がローンチ。アプリのユーザーは、サブウェイやゲームストップ、アメリカンイーグルなど、米国にある15.5万超の実店舗と125以上のオンラインストアの支払いでダッシュの利用が可能だという。