エイダ(ADA)とは
エイダ(ADA)は、カルダノというブロックチェーンのネイティブトークン。カルダノはプルーフ・オブ・ステーク(PoS)を採用し、スマートコントラクト機能を搭載したブロックチェーンである。
エイダは2017年9月に発行。カルダノでは主に、手数料の支払い、ステーキング、ガバナンスに使用されている。
カルダノの研究・開発を主導するのは、イーサリアムの開発に携わったことでも知られるチャールズ・ホスキンソン氏らが創設したInput Outputである。
価格
- 現在価格(2024年11月20日時点):0.772ドル(約120円)
- 年初来高値(2024年11月):0.772ドル(約120円)
- 年初来騰落率(YTD):+54.25%
- 過去最高値(2021年9月):3.1ドル(約480円)
価格動向
22年5月:米FOMC通過でビットコインなど金融市場が一斉反発
22年6月:BitMEX共同創業者のアーサー・ヘイズがビットコイン底値予想を更新、ADAは前週比+28.7%上昇
時価総額|関連銘柄
エイダの時価総額は2024年11月時点で約275億ドル、「スマートコントラクト」セクターの中では4位に位置する。同セクターで1位のイーサリアムの時価総額は約3,750億ドル。2位はソラナ(SOL):約1,130億ドル、3位はビルドアンドビルド(BNB):約900億ドルである。
主な出来事
- 2022年9月:エイダ「Vasil」アップグレード、実装完了
- 2022年11月:カルダノ商業部門EMURGO、ステーブルコイン「USDA」をローンチへ
- 2023年6月:コインベース提訴 SECゲンスラー委員長「もう仮想通貨は必要ない」
- 2024年5月:「今後XRP、ソラナ、ADAの現物ETFが実現するだろう」米リップル社CEO見解
エコシステム支援組織
カルダノ財団:スイス拠点の非営利団体。パブリックなデジタルインフラとしてカルダノが普及するように取り組んでいる。また、コミュニティをサポートすることも重要な任務であり、ツール開発の支援もしている。
EMURGO:2015年に日本で創設されたブロックチェーン技術企業。エコシステムの拡大を推進するためにプロダクトやサービスを提供し、商業化の促進をミッションにしている。
Input Output:チャールズ・ホスキンソン氏とジェレミー・ウッド氏が創設。あらゆる場所の全ての人々をサポートするためにブロックチェーンやWeb3のプロダクトを構築する研究開発企業である。
トークンアロケーション
エイダのプロジェクトは、2015年から2017年にアジアで行ったパブリックセールで、合計で約259億ADAを販売。これに加えて、最初にカルダノ財団に約6.5億ADA、EMURGOに約21億ADA、Input Outputに約25億ADAが配分された。つまり、ローンチ時には合計で約311億ADAが発行されている。
エイダのパブリックセールは、本人確認のガイドラインを設けた上で行われ、監査を受けていることが大きな特徴。公式サイトでは、売上などの詳細を公開している。
ステーキングによる報酬としてエイダは利用されているため、ICODROPSによると、トークン配分の割合とリリースのスケジュールは画像の通りである。
Total Value Locked(TVL)
Total Value Locked(TVL)は、DeFi(分散型金融)プラットフォームやプロトコルの価値を評価するための重要な指標の一つ。2024年11月時点、カルダノのTVLは4.5億ドル。プロトコル別のTVLトップ3は以下の通り。
- Liqwid(1億ドル):レンディングプラットフォーム。ユーザーはカルダノ上の資産を貸し出して金利を得たり、資産を借りたりすることができる。
- Minswap(8,280万ドル):分散型取引所(DEX)。複数のプールを備えており、コミュニティを重視していることが大きな特徴。
- Indigo(5,930万ドル):デジタル資産や現実資産のためのトークン化プロトコル。あらゆる人々のために、金融の機会を民主化しようとしている。
- 資金調達総額:約6,230万ドル
- 大規模な投資ラウンド:2015年10月からのICO
- 投資家:Julian Sarokin、James Sowersなど
出資している主なVC
エイダの将来性
ロードマップ
エイダの開発は、「Byron:基盤」「Shelley:分散化」「Goguen:スマートコントラクト」「Basho:スケーリング」「Voltaire:ガバナンス」という5つの段階に分けて進められていることが大きな特徴。各段階ごとに一連の機能がリリースされるようになっているが、開発は並行して進められている。
2024年6月にはエコシステムの非営利組織「Intersect」がロードマップの進捗状況を報告。そこで、2024年はイノベーション、分散化、コミュニティ強化に取り組んでおり、Goguen、Basho、Voltaireで大きな発展があったと説明した。
そして、これからも安全で拡張性の高い、持続可能なブロックチェーンを開発していくとしている。
期待される今後の動向
エイダの特徴の1つは、慎重に開発が行われていること。専門家が内容を確認したリサーチをもとに創設され、証拠にもとづいたアプローチで開発が進められている。
これは開発に時間を要する方法ではあるが、上記の計画に従って発展していけば、信頼性や持続性の高いネットワークが構築される可能性を秘めている。
競争が激しいスマートコントラクトブロックチェーンの中で差別化を図り、ユースケースが増えてエコシステムが発展したり、開発者やユーザーを呼び込んだりすることができれば、トークンの需要も高まる可能性がある。
投資リスク、懸念材料
米証券取引委員会(SEC)は仮想通貨取引所バイナンスなどを提訴する際、エイダは投資契約として販売されたと証券性を主張。また、ステーキングを投資契約とみなしており、今後の訴訟によってはエイダへの投資手段が制限される可能性がある。
一方、2024年の米大統領選で、仮想通貨を支持するドナルド・トランプ氏が勝利したことで、SECのメンバーが変わるとみられる。トランプ政権下では仮想通貨に友好的な規制ルールが整備される可能性があるため、係争中の裁判の進展にも注目が集まっている。