アイオタ(IOTA)の概要
2016年7月11日にオープンベータテストが開始した仮想通貨IOTA(アイオタ)は、IoT(モノのインターネット)に特化したトークンだ。取引スピードが速く、手数料が無料であることもIoTに適しているとされる。開発元のIOTA財団は、2014年に創設。
IOTAはブロックチェーンを使わず、「Tangle」と呼ばれる分散型台帳技術(DLT)により、主にIoT(モノのインターネット)機器間の取引を記録するものだ。
IOTAネットワークでのトランザクションは無料で処理されるため、特に取引額が少額なマイクロペイメント(少量少額送金)の分野で企業と一般ユーザーにとって等しく使いやすいものとなる。
特徴
IOTAが採用するTangleでは、マイニングが存在しないため、マイナーへ報酬を支払わなくて済むという特徴がある。
たとえば、ビットコインやイーサリアムでは、ブロックに記載されるデータの検証・承認を行うために莫大な演算力が必要となる。そうしたコンピュテーションを提供するマイナーに対し、対価としてマイナー報酬・取引手数料が支払われている。
しかしTangleネットワークのトランザクションの承認は、計算能力の低いデバイスで行うことができるため、莫大な演算力を提供するマイナーは必要なく、取引手数料がかからないという利点がある。
その他
20年2月に公式ウォレット「Trinity」がハッキング被害を受け、約230万ドル相当のIOTAトークンが流出。この被害額については、IOTA創設者であるデビッド・ソンステボが個人保有のIOTAトークン(MIOTA)を拠出して補償すると発表、話題になった。
マイクロソフトや富士通、フォルクスワーゲンなど著名なテクノロジー企業と提携を結んでおり、19年には自動車大手ジャガー社とのプロジェクトも発表し、高級電気自動車「I-Pace」において、持続可能なエネルギーのトレーサビリティ(追跡可能性)構築を目指すという。
本稿執筆時点(22年2月)では、IOTAはまだ国内の仮想通貨取引所には上場していない。