世界と日本、仮想通貨の銘柄別関心度に乖離
──ビットコインとアルトコイン(個別銘柄)への関心度は、日本と世界で大きな乖離がある
2017年のバブル最盛期に、日本でも多く語られてきたトピックの一つだ。
実際、日本のアルトコイン取引出来高では、韓国などと共に世界の中でも大きなシェアを獲得し、各国の関心度がそれを牽引してきた。
今回は、国別の関心度データを分析したBlockchaincenter.netの「Cryptocurrency World Map」を元に、最新の状況を記事で紹介する。
「Cryptocurrency World Map」は、Googleトレンドの検索データをもとに、国別の関心度を可視化している。検索したワードについては言及されておらず、その国の言語に対応しているか不明な点は留意したい点にあがる。Googleが利用できない中国も対象外になる。
世界の銘柄別関心度シェア
まずは、世界各国の基準となる平均値から算出した、個別銘柄別の関心度シェアを紹介する。
データによると、世界の関心度の平均値は80%が、時価総額1位で基軸通貨のビットコインに集まっている。アルトコインについては、概ね時価総額に沿った銘柄で構成されている。
Blockchaincenter.netによると、時価総額トップ10に入っている銘柄でも、Googleトレンドで十分な検索量と判断されていないケースで、統計結果に反映されていないケースがある。
その逆も然りで、時価総額トップ30に入っていないDogecoinは、検索数ではトップ10入りを果たし、一定の関心度や需要が反映されたという。
ビットコインの関心度が高い国は?
世界的に圧倒的な関心度を示したビットコインについて、国別に見るとより関心度が高い国が見えてきた。
ランキング上位に入ったのは、1位ケニア(94.7%)、2位ブラジル(92.6%)、3位チリ(89.8%)、4位エクアドル(89.4%)、5位ナイジェリア(89.4%)。
トップ10入りした国の特徴は南米とアフリカ圏に集中している点で、南米大陸から4ヵ国(ブラジル・チリ・エクアドル・アルゼンチン)、アフリカ大陸から4ヶ国(ケニア・ナイジェリア・南アフリカ・モロッコ)がランクインした。
南米・アフリカ圏は、ビットコインを決済や資産逃避としての手段として利用拡大が注目されている国で、国際的な取引所も多く進出し始めている。
アフリカについては、インフラストラクチャーの不足、うまく管理されない経済、高額の送金手数料、貧困などアフリカ南部で広く存在している課題について、人々が仮想通貨を用いてどのように乗り越えようとしているかを描くドキュメンタリー「バンキング・イン・アフリカ:ビットコイン革命」がAmazonプライムで公開も予定されている。
世界と異なる日本の関心度のポイントは
また、アルトコイン関心度にトピックを移すタイミングで注目したいのが、ビットコインの関心度が国別シェアで少なかった国の比率だ。
アルトコインの比率が高く、相対的にビットコインのドミナンスが60%台を記録した国は、データで示された国のうち日本、韓国、ロシア、セルビアの4ヶ国となった。
日本と韓国は、17年時の出来高データを引き継ぐ形で、現在の関心度でも一定のアルトコイン検索シェアを有している。
これら4ヶ国を特徴別にグルーピングすると、日本と韓国が、関心度2位にXRPが入る。一方の2ヶ国についてイーサリアム(ETH)の検索数が大きなシェアを占めた。
日本のケースでは、ビットコインが68.4%で1位、XRPが10.3%で2位で、8.5%のイーサリアム、3.3%のIOTAと続く。
また、セルビアは、イーサリアムの関心度が22.8%と世界の中で突出、ロシアはアルトコインの全体的な比率が高かった。
銘柄別シェア
また、アルトコインを銘柄別でみると以下のようなランキングになる(トップ3を抜粋)。
トップ3に日本がランクインしたのは、XRP、Cardano(ADA)、Tron(TRX)、IOTAの4銘柄。日本も上位に入ったIOTAは、1位ドイツが圧倒的で、唯一イーサリアムをIOTAが検索数で抜く国としてランクインした。
Ethereum
1位:セルビア
2位:ロシア
3位:韓国
XRP
1位:韓国
2位:日本
3位:アイスランド
Bitcoincash
1位:ベネズエラ
2位:ウクライナ
3位:ロシア
Litecoin
1位:ベネズエラ
2位:ウクライナ
3位:ロシア
Cardano
1位:オランダ
2位:スロベニア
3位:日本
Monero
1位:ウクライナ
2位:チェコ
3位:ベネズエラ
Tron
1位:パキスタン
2位:日本
3位:ロシア
IOTA
1位:ドイツ
2位:オーストリア
3位:日本
Dogecoin
1位:バングラディッシュ
2位:ウクライナ
3位:パキスタン
ランキング詳細:blockchaincenter.net