アフリカの「ビットコイン革命」をドキュメント
Amazonプライムで、アフリカにおけるビットコインの状況を描くドキュメンタリーが公開される。
タイトルは「バンキング・イン・アフリカ:ビットコイン革命」というもの。
インフラストラクチャーの不足、うまく管理されない経済、高額の送金手数料、貧困などアフリカ南部で広く存在している課題について、人々が仮想通貨を用いてどのように乗り越えようとしているかを描く。
ボツワナの「ビットコイン・レディー」
登場する人物の一人は、ボツワナの「ビットコイン・レディー」とも呼ばれる女性、Alakanani Itireleng。
彼女はみずからも貧困を経験、数年前には親のいない子供たちを支援する慈善団体SOSチルドレンビレッジのために、ビットコインによる寄付を募っていた。この慈善団体は食料、学用品、衣料品、医療、などの必需品を子供たちに届け、また児童労働から救出された子供たちのシェルターでもあった。
Alakanani Itirelengは現在、非営利の教育機関「サトシセンター」を立ち上げ、仮想通貨によってどのように利益を得て、生活を変えていくかについて現地の人々に教えている。
学校に仮想通貨で電気を灯すUsizo
またUsizoの創設者Lorien Gamaroffも登場する。
Usizoはブロックチェーンベースの慈善プラットフォームで、ユーザーはアフリカの学校を仮想通貨の寄付で応援することができる。
南アフリカの農村では電気代が高額、前払い式であり、学校に電気が点かない問題があった。Usizoは、ブロックチェーン対応のスマートメーターを導入して、エネルギー支払いプラットフォームを設定。寄付者が世界中どこからでも、仮想通貨で電気代を支払うことを可能にした。
Gamaroffは、映画の冒頭で「仮想通貨は単なる新しい発明ではなく、実際に人々を助けることができるものだ」と希望を語っている。
アフリカでは仮想通貨需要に切実な背景
先進国で仮想通貨は投機目的となることも多いが、アフリカなど貧困が問題となる地域では、生活上の必要に仮想通貨がマッチしている。
たとえば、仮想通貨は低コストで高速な送金を実現する。現在200ドル未満の支払いをサブサハラ諸国に送る場合、世界平均の6.8%と比較して平均約9%の費用がかかり、アフリカ地域の国をまたぐ支払いはさらに手数料が高い。
自国通貨が不安定なため外貨獲得へのニーズが以前から存在していることもある。特に、外貨購入を制限するナイジェリアなどの国では、代替手段としてビットコインに注目が集まっている。
また、アフリカ大陸では銀行口座を持たない人々の割合が高く、スマートフォンなどから金融サービスにアクセスすることのできる仮想通貨が魅力となっている。
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人口が12億人を超えるアフリカは、今後仮想通貨にとって巨大なマーケットとなりうるポテンシャルがある。Twitter社と送金企業Square社のCEOを兼任するJack Dorseyも、「ビットコインの未来はアフリカが握る」として、アフリカ諸国を歴訪、市場開拓を目指しているとみられる。