仮想通貨IOTAで新ノードソフトウェア「Hornet」発表、非中央集権ネットワーク補完へ

IOTA、「Hornet」リリース

仮想通貨(暗号資産)IOTAの開発に携わるIOTA財団が、新しい軽量ノードのソフトウェア「Hornet0.4.0」をリリースした。これによりIOTAネットワークの速度、パフォーマンス、利便性の大幅向上が期待される。

より分散化されたネットワークへと進む一つのステップとなった。HornetはコミュニティーとIOTA財団がプログラム言語Goを採用して共同開発したもので、追加された新機能は次の通りである。

自動ピアリングモジュール

ピアリングとは、ネットワーク同士が相互接続し、経路情報やトラフィックを交換するようになることだ。

新しい自動ピアリングモジュールにより、HORNET0.4.0はピアリングする他のノードを自動的に検出。ピアを見つけてノードを素早くセットアップすることができるようになったという。

Easy APTリポジトリ

APTとは、Linuxでソフトウェアの導入や削除に用いられる管理システムのこと。

「apt installパッケージ名」というコマンドを入力するだけで、ファイルのダウンロードやソースコードのコンパイル、ファイルの配置などを行うことができる。

HORNETのインストールも、apt install hornetコマンドを使用して簡単に行える。

WarpSync

ノードを最大7倍の速さで同期させ、プロセスの基盤を迅速に固め、使用するリソースを減らすことができる。

メモリ使用量

Hornet 0.4.0は、従来のIRIやHornet旧バージョンよりメモリ消費を10倍も低減する。

新コーディネータープラグイン

承認時間を短縮し、ユーザーと企業は数分でプライベートネットワークをセットアップできるという。

より分散化されたネットワークへの一歩

「Hornet 0.4.0」のリリースは、Chrysalis(IOTA 1.5)と呼ばれる一連のプロトコルアップデートの一部となる。財団によると、Chrysalisの目標は、IOTAエンタープライズの準備を整えること、そしてCoordicide実装(IOTA 2.0)への、よりシームレスな移行を準備することだという。

現在IOTAは、大規模攻撃対策としてトランザクションをチェックする中央集権的ノード「コーディネーター」を設置している。IOTA 2.0ではこれが取り外され、より分散型のシステムとなりスケーラビリティが向上する見込み。

また、今回のリリースに伴いストレステストも行われた。開発チームは、スパムを送信してネットワークの安定性を評価、150ノードを超えるネットワークで一秒あたりトランザクション(TPS)は650に到達した。

チームによると今後さらに機能が実装され、ストレステスターのプールが拡大するにつれて、この数値は上昇し続ける見込みだという。

IOTA最近の動向

IOTAプロジェクトは、IoT(モノのインターネット)に特化したトークンで、取引スピードが速く、手数料が無料であることもIoTに適しているとされる。

今年2月に公式ウォレット「Trinity」がハッキング被害を受け、約230万ドル相当のIOTAトークンが流出。この被害額については、IOTA創設者であるデビッド・ソンステボが個人保有のIOTAトークン(MIOTA)を拠出して補償すると発表、話題になった。

マイクロソフトや、富士通、フォルクスワーゲンなど著名なテクノロジー企業と提携を結んでおり、昨年には自動車大手ジャガー社とのプロジェクトも発表し、高級電気自動車「I-Pace」において、持続可能なエネルギーのトレーサビリティ(追跡可能性)構築を目指すという。

参考:IOTA


画像はShutterstockのライセンス許諾により使用