
IOTA(アイオタ)は、2017年6月14日に香港の取引所「Bitfinex」に上場。 上場初日に時価総額ランキング6位にランクインしたことで話題になりました。
今回は、注目の仮想通貨「IOTA」について説明します。
- IoTのための仮想通貨
- IOTAの技術がIoTで問題視されているセキュリティ面やコスト面を解決するかもしれません。
- ブロックチェーンを使わない世界初の仮想通貨
- Tangle(タングル)という新たな分散型台帳を使用しています。
- 取引手数料が無料
- Tangleでの取引は手数料が無料で行われ、スピーディーな処理を実現します。
通貨コード | IOT |
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取引開始日 | 2016年7月11日 |
承認アルゴリズム | Proof of Work |
発行上限 | 2800兆枚(100万枚で1単位で取引) |
公式サイト | http://www.iota.org/ |
White paper | White paperはこちらから |
IOTA(アイオタ)の概要
IOTAはIoT(モノのインターネット)に導入することを目的に開発された仮想通貨です。
そこで、そもそもIoTとは何かを理解しなければなりません。
IoTとは?

IoTとはInternet of Thingsの略で「モノのインターネット」などと呼ばれています。
これはパソコンやスマホだけではなく、あらゆるモノをインターネットに繋げることで生活を便利にするといった革新的なものです。
現在、防犯カメラや一部の家電などで実用化が進んでいます。
一見便利そうに見えるIoTですが、セキュリティ面やコスト面で技術的に困難だと言われています。
- ・セキュリティ面での不安
- あらゆるモノがインターネットに繋がるということはそれだけハッキングのリスクが増えるということです。
- ・コスト面での不安
- IoTデバイス間でデータをやり取りするので、どうしても通信コストがかかってしまいます。
この二つの問題を解決する可能性があると期待されているのがIOTAの独自技術Tangle(タングル)なのです。
IOTAの独自技術Tangle(タングル)とは?
Tangle(タングル)はIoTデバイス間のデータ通信や記録を最適化するために開発された技術です。
Tangleを介して通信すれば、IoTデバイス間の小さなデータの取引(マイクロトランザクション)にかかる小さな額の取引(マイクロペイメント)の手数料を無料にし、コスト面の問題を解決します。
また、一つの取引(データ間のやりとり)を行う際にPoW(プルーフ・オブ・ワーク)という方法で承認し、不正や改ざんが無いか確認することでセキュリティ面の問題も解決します。
この二つの問題を解決することでIoTデバイス間のネットワークが最適に構築されるのです。
Tangleの仕組み
Tangleの仕組み簡単に言うと、IoTに特化したブロックチェーンのようなものです。
ただブロックチェーンとは違いブロックという概念が無く、一つ一つのトランザクションを承認しメッシュ状に分散させて記録します。

このようにメッシュ状に繋がっていトランザクションを処理しているので、取引が多いほど処理のスピードが高速化され、より多くのトランザクションを処理できます。
また、ブロックが存在しないのでスケーラビリティの問題は起きません。
つまりブロックチェーンより多くのトランザクションを高速に、より多く処理できるのがTangleなのです。
なぜ取引手数料が無料に?
一言で言えばマイニングが存在しないので、採掘者グループへの報酬を支払わなくていいからということですね。
ビットコインのような従来の仮想通貨はブロックの承認をするために莫大な計算力が必要で、それを提供してくれる採掘者グループの報酬として取引に手数料が支払われていました。
しかしTangleネットワークのトランザクションの承認は計算能力の低いIoTデバイスで行うことができるので、莫大な計算力を提供してくれる採掘者グループは必要なくなり、取引手数料はいらなくなりました。
これにより支払うコストはデータのやり取り分のみになり、煩わしい手数料を払わなくて済むのです。例えばレンタカーなら「走ったぶんだけ」コストを払うだけのようなものですね。
小さなデータのやり取りを頻繁に行うIoTではこれは非常に重要で革新的なことだったのです。
Tangleのセキュリティは大丈夫?
IoTの発展の最大の問題点はIoTデバイス間のネットワークのセキュリティにありました。
今まではデバイス間でのデータの整合性やネットワーク上でのデータ改ざんを防ぐことが技術的にできなかったのです。
そこでTangleはトランザクション承認の際にPoW(プルーフ・オブ・ワーク)というブロックチェーン技術のセキュリティの根幹と言われる技術を採用しています。
これは暗号計算によって、そのデータに不正や改ざんが無いか確認するというものです。
Tangleは「新たなトランザクションが到着すると、二つ前のトランザクションを承認しなければならない」という原則に従って構築されているので、一つ取引をするごとに二つ前の取引が承認されます。
つまり不正や改ざんをできないように高速で承認されているので、IoTデバイス間でのデータの整合性が取れたり、不正や改ざんが行われない安心したネットワークが構築できるというわけです。
IOTA(アイオタ)の今後
現在、家電やドアなど様々なIoTサービスが普及しています。
まだ発展途上のサービスですが、力を入れて開発している企業も多く存在しています。
今後IoTサービスが浸透したり、Tangleという技術がより浸透すればIOTAにも自然と注目が集まっていくことになるでしょう。
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