来週中にもIOTA1.5をローンチ
仮想通貨IOTAの開発を進めるチームが、来週中にメインネット上でChrysalis(IOTA 1.5)の第1フェーズを開始する予定であることが判明した。
Coming next week! The first phase of #Chrysalis (IOTA 1.5) on our #mainnet with significant performance, usability, and reliability upgrades. With over 1k TPS and 10 second confirmation times, this upgrade will bring an entirely new experience to using the current #IOTA network. pic.twitter.com/1gJ50mVM1x
— IOTA (@iotatoken) August 10, 2020
いよいよ来週! パフォーマンス、ユーザビリティ、信頼性が大幅にアップグレードされたChrysalis (IOTA 1.5) の第一段階がメインネットで始動する。1秒間に1000件のトランザクションを処理できるようになり、確認に要する時間は10秒。このアップグレードはIOTAネットワークの利用について、全く新しい体験をもたらすだろう。
とIOTA公式アカウントはツイートした。
IOTA1.5としても知られるChrysalisは「蛹(さなぎ)」という意味で、Coordicide(IOTA 2.0)への移行をスムーズに行うための中間のフェーズに位置付けられる。
Chrysalisは2つの段階を辿る
5月に発表されたChrysalisのリリース戦略では、アップグレードの2つの段階に分けられる。
第1段階:確認時間の短縮と取引の高速化を実現。オートペアリングと呼ばれる新機能により、新しいノードの設定にかかる時間が短縮される。
第2段階:トークン化された資産の導入や、さらなるパフォーマンスの向上も予定。WOTS(Winternitzワンタイム署名)からEd25519署名方式に移行することで、再利用可能なアドレスにも対応する。
Chrysalisのリリースで、IOTAは中央集権的なノードがメインネットから取り除かれるCoordicide(IOTA2.0)に更に一歩近づくことになる。
6月末には、IOTAはIOTA2.0への移行に向けたテストネットの第一段階「Pollen」のダウンロード提供を開始しており、完全に分散化されたIOTA2.0のメインネットは現在のところ、2021年第1四半期を目標としている。
最新のノードソフトウェア「Hornet」リリース済
IOTA財団は6月には、「IOTA1.5」への道筋の一つとしてノードソフトウェアの最新版「Hornet」をリリースしていた。
150以上のノードで安定したネットワークが実現し、テストの結果ではアップグレード後のネットワークは、以前のノードソフトウェアと比較してメモリ消費量が10倍も少ないことがわかった。
IOTAネットワークの速度、パフォーマンス、利便性の大幅向上が可能となった格好だ。
関連:仮想通貨IOTAで新ノードソフトウェア「Hornet」発表、非中央集権ネットワーク補完へ
IOTAネットワークの特徴
IOTA創設者のDominik Schienerは、Chrysalisが完全に展開を完了すると、トランザクション速度が大幅向上し、国際取引を高速かつ低価格で提供できるようになるため、リップルにも代わる優れた選択肢となる可能性を示唆した。
IOTAネットワーク内のすべてのトランザクションは並行して実行可能だが、新しいトランザクションごとに、前の2つのトランザクションが確認される。このためネットワークで処理されるトランザクションが多いほど、トランザクションの確認が速くなる。
IOTAはブロックチェーンを使わず、「Tangle」と呼ばれる分散型台帳技術により、主にIoT(モノのインターネット)機器間の取引を記録するものだ。
IOTAネットワークでのトランザクションは無料で処理されるため、特に取引額が少額のマイクロペイメントの分野で企業と一般ユーザーにとって等しく使いやすいものとなる。