- EOSのアカウント27個に関連するトランザクションの拒否命令
- 6/22に、EOSのブロックプロデューサーへ向け27のアカウントに関連したトランザクションの承認を拒否するよう通告がなされました。通告を出したEOSの規制団体であるECAFは、その理由を明らかにしておらず、後日追って説明を発表するとしています。
- 通告命令の反響は?
- BPらによる承認では、詐欺に関連したトランザクションが正常に拒否される必要があるものの、明確な説明がなされていないことに不満を持つユーザーも少なくありません。 EOSとは
- ウェブボットによる価格上昇予想や、格付け機関「Weiss」の最初の評価でイーサリアムと並ぶ最高評価の「B」を獲得したことで急騰。分散型アプリケーションに特化したプラットフォームで、秒間数百万回のトランザクションは仮想通貨の中でも最速級。
EOSのアカウント27個に関連するトランザクションの拒否命令
EOSのBP(ブロックプロデューサー)候補者の一人であるFedous Bhai氏は6/22、自身のTwitterでEOSのアカウント27個によるトランザクションを拒否するよう要望されたことを公表しました。
EOSのメインネットではDPoSアルゴリズムが用いられており、ブロックの承認にあたって、BPと呼ばれる21人の代表者が投票によって選ばれブロック生成を請け負います。
21人のBPが選ばれる投票は、100人以上存在するBP候補者の中から2分ごとに繰り返し行われ、今回の通告命令をTwitterに後悔したFedous氏もその候補者の中の一名です。
The authorities in EOS just instructed the block producers to censor transactions from 27 accounts with no reasons given.
— Ferdous ฿hai (@ferdousbhai) June 22, 2018
“the logic and reasoning for this order will be posted at a later date"
ggwp 😂$EOS pic.twitter.com/60yRPqCAvh
トランザクションの拒否命令は、EOSコミュニティの自治団体であるECAF(EOS Core Arbitration Forum)によって下されたものです。
同氏のTwitterによると、ECAFは「緊急保護命令(Emergency Measure of Protection Order)」をBPらに通告し、その通知書類では続いて
EOSのブロックプロデューサーは、以下に示したアカウントと関連するトランザクションを拒否しなければならないことをここに通告致します。この拒否命令は、ECAFが公式通告を再度発表するまで有効となります。
といった主旨が述べられています。
同書類には、これら27個のEOSアカウントが凍結される理由について明確に述べられておらず、後日その理由について説明がなされるとのことです。
また同氏は、この通告書類の入手源がEOSネットワークのBPが集まるプライベートテレグラムグループであることを明らかにしており、規制団体から直接BPらに提供されたものと思われます。
通告命令の反響は?
この命令は現在、多くの批判を呼んでいます。
これは、EOSネットワークのブロック承認を行うBPらの意向によって、トランザクションが恣意的に操作されることでもあり、ブロックチェーンの利点である非中央集権性が損なわれてしまうことを意味しています。
EOSは先日にも、BPらが詐欺行為と関連が深いと思われる7つのアカウントを凍結し、ECAFがその後正式にアカウント凍結命令を打ち出したといった経緯がありました。
非合法的な取引が罰せられるためにこれらの自治がワークすれば、EOSのアルゴリズムは正常に機能していると言えますが、彼らの私利私欲のためにトランザクションが不当に操作されてしまうことが現実的に可能であることは問題点の一つであるかもしれません。
EOSのこうしたガバナンスのアプローチは、数多くあるブロックチェーンプロジェクトの中でも新しい試みであり、その機能がワークするかどうかは未だ手探りが続いている状況です。
EOSはコンセンサスアルゴリズムとしてDPosを採用していることからも、一つの中央機関というよりは、複数の統治者(BP)によってガバナンスを行い分散性を維持しようと試みています。
これにより、完全なPoWアルゴリズムを採用しているビットコインの承認よりも圧倒的に早いトランザクション処理が実現されていますが、しかしその代償として分散性が損なわれていることは間違いありません。
トラブルが絶えないEOSネットワーク
EOSネットワークは、14日にメインネットローンチに関する投票が正式に可決され、稼働が始まりました。
しかし、稼働から2日以内となる6/16、EOSのメインネットはプログラム不良により一時的に停止したと報道されました。
開発者らの迅速な対応により問題の発見から解決までのプロセスは5時間以内に完了したものの、今回の停止はバグの検証が不十分な状態でメインネットがリリースされたことが原因であり、多くのユーザーがEOSに不信感を抱くきっかけとなりました。
仮想通貨全体のセンチメントが悪いこともあいまって、EOSの価格はメインネットローンチ前の6/2に直近最高値の約15.5ドルをつけた後に下落し続け、およそ3週間で半分の7.3ドルにまで価格が低下しています(6/24 13時現在)。