- コインベースの資産管理は安全か
- 厳重に仮想通貨を保管している大手Xapo社の買収先とみられているコインベースに対し、顧客から不安の声があがっている。ライバル社のBitGoはこれを機に市場拡大を狙うか。
コインベース買収への不安
仮想通貨カストディアンサービス大手の米BitGo社は、ライバル企業である米仮想通貨取引所コインベースのカストディ業務に注目している。コインベースは、機関投資家向けに仮想通貨保管サービスを展開している大手Xapoの買収に向けて交渉を継続中だ。
買収交渉が継続している中で、Xapoの顧客は、コインベースのカストディが、厳重な資産管理で知られるXapoと同等のサービスを提供できるとは思えず非常に不安視していると、8月14日のブログでBitGoが説明している。こういった不安を考慮し、BitGoは現在、一定の条件を満たした顧客に対し、1年間無料でカストディサービスを提供するようにしているという。このサービスのオファーは9月末まで実施される。
今年5月にThe Blockは、Xapoの買収交渉は進んでいると報じた。コインベースは、買収する権利を巡って世界的金融大手フィデリティとも競っている。また、BitGoも買収を狙っていた。
買収先の最終的な決定は現時点で確認されていないが、今月最初に、大手仮想通貨投資運用企業のグレースケール社が、27億ドル(約2860億円)相当の仮想通貨をXapoのウォレットからコインベースに移したことから、市場関係者はコインベースが買収先になると推測している。
BitGoは援助を求めてくるXapoの顧客が、自身が所有する仮想通貨がコインベースでも継続して安全に保管してもらえるか不安を抱えていると明かしている。
競争が激化するカストディサービス
Xapoは、コールドウォレットにビットコインを約70万BTC(73億ドル)保管していると言われている。そして、ビットコインを預ける顧客に対し、手数料をとっていない。手数料で収益を得るよりは、カストディサービスでビットコインを利用する顧客にOTC取引サービスを提供することで利益を得ている。
ライバルのBitGoは、20億ドルの資産を保管し、手数料も徴収している。しかしBitGoのCEOのMike Belshe氏はThe Blockに対し、「安全に資産を保管したい顧客は増加しており、カストディサービスに対する手数料が安くなるだけでなく、限りなく無料に近い状態になるだろう」と説明している。
仮想通貨のカストディサービス市場は実際に競争が激化している。今年初めには、フィデリティも参入した。米仮想通貨プラットフォーム・カストディアンのBakktもサービスのローンチが期待されている。なおBakktはカストディ企業Digital Asset Custody Company(DACC)を買収済みだ。
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The Blockは記事執筆時、コインベースの担当者からコメントを得られなかったが、情報が入りしだい記事内容を更新をすると説明している。
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