Uniswap V3
DEX(分散型取引所)Uniswapが新たなバージョンとなる『V3』を5月5日に正式にローンチする予定であることがわかった。
Uniswapのチームが24日にV3のホワイトペーパー(事業計画書)を発表。ガス代改善や流動性強化など、複数の新機能を実装する予定で、主な変更点は以下通りだ。
- Optimism L2(セカンドレイヤーの導入)
- Concentrated Liquidity positions(LP関連)
- フレキシブルな手数料
Optimism L2
現在、イーサリアムのネットワーク混雑により、メインネットのガス代が高くなる傾向にある。DeFiユーザーがUniswapやその他イーサリアムベースのDEXの利用をする上でのひとつの課題となっている。
今回のポイントは、その解決の糸口になり得るセカンドレイヤーの導入が盛り込まれている点だ。
Uniswapが同技術を実装することで、ガス代を0近くまで削減し、スループットを引き上げる。Optimismの実装は5月5日のL1メインネット実装後に実施する予定だ。
「Optimistic Rollup」は、イーサリアム関連企業Optimismが開発する『スケーラビリティを向上させる』レイヤー2ソリューションだ。今年の1月に初めてDeFiプラットフォーム「Synthetix」に導入され、運用を開始している。
Concentrated Liquidity positions
また、「Concentrated Liquidity positions」という流動性プロバイダー(LP)の資本効率を改善する新機能も実装。板取引のオーダーブックに類似する仕組みだ。
この機能をもって、LPは自らトークンペアの価格帯を調整できるようになる。これまで、LPはトークンペアにおけるすべての価格帯をカバーし流動性を提供する必要があったが、従来の方法では価格の変化によってペアにある一方のトークンが取引されずにいる場合があった。
新機能では、特定の価格帯のみに向けて流動性を提供することが可能になり、LPの収益向上にもつながると説明されている。
フレキシブルな手数料
LPの収益は、「柔軟な手数料」にも繋げる。
これまで統一したパーセンテージがLPの収益源として設定されていたが、これからは0.05%、0.30%、1.00%という3つの手数料レベルから選ぶことができるようにする。
それぞれのトークンプールは流動性やボラティリティは異なるため、手数料を分けることはLPおよびユーザーにとってもより適切になり得る。
ハードフォークの抑制も
さらに、SushiSwapのようなフォーク版DEXが容易にコードをコピーできないよう、V3のコアコードをライセンスとして登録した。
ライセンスはウォレットやモバイルアプリの統合などには影響を与えないが、オープンソースの一部を制限することになるとの指摘もみられる。(2年間の制限)