はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨初のヘッジファンドサミットが7月27日開催|ヘッジファンドの市場参加への推進起点となるか

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨ヘッジファンドサミット開催
今月27日からニューヨークで、業界初となる仮想通貨ヘッジファンドサミット(2018 Crypto Hedge Fund Summit)が開催される。投資市場の有力者の参加に加え、個人投資家も参加可能となっており、専門家やインフルエンサーが一堂に会する場になると見込まれている。
ヘッジファンドが市場に及ぼす影響
ブルームバーグの資料によると、2017年には167にまで登ったヘッジファンド創設数が2018年には20にまで落ち込んでしまったようだ。仮想通貨ヘッジファンドの成長は、機関投資家などの莫大な資金の流入を意味し、市場の成長に大きな影響をもたらすと考えられている。今回のサミットには、機関投資家参入の促進による市場の発展が期待される。
ヘッジファンドとは
そもそもファンドとは、投資家から集めた資金で投資を行い、利益を分配すること。そして、ヘッジファンドはその中でも、様々な手法でリスクを極小化しつつ、積極的な運用を行う。また、最低投資単価が高く、主に機関投資家や富裕層が対象となっている。

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

仮想通貨ヘッジファンドサミット開催

今月27日からニューヨークで、業界初となる仮想通貨ヘッジファンドサミット(2018 Crypto Hedge Fund Summit)が開催されます。

起業家向けのサービスを提供するLiaoyuan社と 仮想通貨取引プロバイダーのTrade Terminal社が共同で開催するこのサミットには、世界最大の資産運用会社BlackRock社をはじめ、仮想通貨投資会社BlockTower社、ヘッジファンドTwo Sigma Compasなどの、投資市場の有力プレイヤーの参加が確認されています。

流通市場向けのサミットではあるものの、個人投資家も参加可能だということで、200人以上の仮想通貨関連分野の研究者や専門家、インフルエンサーやファンドマネージャーが一堂に会し、現在の市場の評価や将来の投資動向などについて、活発な議論が行われる予定です。

共同主催者のLiaoyuan社、最高経営責任者であるChen Li氏は、このサミット開催の動機について、次のように述べています。

「仮想通貨市場は、急速に成長しているものの、多くのファンドマネージャーは依然として、法的、技術的面で懸念を持っており、投資を前進させるためには、そのあたりの事実関係を明確にする機会が必要だ。」

このようなChen Li氏の発言は、米大手ヘッジファンド、Citadelh社 のCEO、Ken Griffin氏の発言に代表されるような、ビットコインや仮想通貨に対する懐疑的な姿勢を如実に反映しています。

昨年、ビットコインを17世紀オランダのチューリップバブルになぞらえて批判したこともあるGriffin氏は、先週ニューヨークで開催された「アルファを実現する会議」(Delivering Alpha Conference)で、「仮想通貨は必要ではないし、ビットコインには困惑させられる」と発言し、以前の懐疑的な姿勢を再度示しました。

300億ドル(3兆3424億円)を超える資産を運用するCitadel社では、「仮想通貨を買うべきだというポートフォリオマネージャーは一人もいない」と同氏は述べ、ファンドとして「自分が信じていない仮想通貨」を商品化するかどうかの判断は非常に困難であるとコメントしています。

一方で、個人資産120億ドル(1兆3369億円)と言われる、投資家Steve Cohen氏が、仮想通貨ヘッジファンドのAutonomous Partnersに投資したと、今月半ばに報じられています。

Cohen氏は、Point72 Asset Managementの創設者兼CEOであり、彼自身がヘッジファンドマネージャーとして、巨額のファンドを運営してきた経歴を持ちます。

また、このサミットに参加を表明している前出のBlackRock社も、仮想通貨関連のリサーチを開始していることが報じられています。

このように、ヘッジファンドの仮想通貨市場への関心には温度差があるようです。

ヘッジファンドが市場に及ぼす影響

仮想通貨市場が急激な成長を遂げた2017年には、ヘッジファンドの数も急速な伸びを記録しました。

ブルームバーグの資料によると、167ものヘッジファンドが創設され、ヘッジファンドデータプロバイダーのユーレカヘッジ社(Eurekahedge)によると、2017年に同社が追跡調査した九つのヘッジファンド(合計資産10億ドル、1114億円)は、平均1477.85%のリターンを記録したと発表しています。

一方、今年初頭からの弱気相場を反映してか、2018年に新しく創設されたへッジファンドは、20にとどまるとともに、中には、撤退を余儀無くされたファンドもいくつかあると報じられています。

しかし、その運用手法の多様性やレバレッジにより、高いリターンを狙うヘッジファンドにとって、ボラティリティの高さや、流動性の低さは必ずしもネガティブな要因とはならず、リスク管理の手腕次第で、大きなリターンを達成するファンドが存在するのも事実です。

また、ヘッジファンドは、私募投信で、高額の最低投資額が必要であり、その投資対象が富裕層や機関投資家に限られるという特徴を持つことから、仮想通貨ヘッジファンドの成長は、機関投資家の参入の増加を意味することでもあり、仮想通貨市場の大きな拡大に繋がります。

2017年の仮想通貨市場は、主に一般投資家からの投資で大きな盛り上がりを見せたと言われています。

今回のサミットのような場を設けることにより、伝統的なヘッジファンドが、仮想通貨投資への理解を深め、投資の一つの選択肢として検討することは、機関投資家の参入を促し、仮想通貨市場の発展へとつながると考えられます。

CoinPostの関連記事

ビットコインなど仮想通貨市場への機関投資家の資金流入が加速|半期で約710億円に膨らむ
仮想通貨市場の低迷にも関わらず、ベンチャーキャピタル企業や、ヘッジファンドなどの機関投資家から仮想通貨市場への資金流入は、2018年初頭から6月15日時点にかけて約710億円に達するなど、大幅に増加している。
仮想通貨投資信託の投資額は週平均10億円増、内56%は機関投資家から|グレイスケール社レポート
ビットコインなどの投資信託を提供する仮想通貨投資会社グレイスケール社は、業界初となる、今年上半期の仮想通貨資産投資レポートを公開。仮想通貨市場の価格の暴落に相反して、同社製品への投資のペースは加速度的に高まり、6ヶ月で約2億5,000万ドル(280億円)という、同社創設以来の最高の資金流入額になったと報告した。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/07 金曜日
14:05
著名投資家ダリオ、FRBの量的緩和再開はバブル加速への引き金 更なるインフレリスクを警告
ブリッジウォーター創設者レイ・ダリオ氏が、FRBの量的緩和再開は従来と異なり「バブルへの刺激」になると警告している。現在の状況下でのQE拡大は、実質金利の低下や株価収益率の上昇につながり、テック/AI/グロース株や、金などの価格を押し上げる可能性がある。
13:35
ビットワイズ、ドージコインETFの20日以内上場を目指す動き=ETF専門家
ビットワイズがドージコインETFで「8(a)手続き」を採用。ブルームバーグアナリストによると、11月6日の予備目論見書提出から20日後の11月26日頃に自動承認される可能性。SECの介入がなければ上場実現へ。
13:10
サークルとコインベース、ステーブルコイン規制「ジーニアス法」施行で重要な提言
サークル社とコインベースが米財務省にジーニアス法施行に関する提言を提出した。ステーブルコインの公平な競争条件の確保や利回りをめぐる過剰規制の回避などを求めている。
13:01
日本3メガバンク共同でステーブルコイン発行へ、金融庁が「FinTech実証実験ハブ・決済高度化プロジェクト」を支援 
金融庁が決済分野に特化したプロジェクトを新設し、みずほ・三菱UFJ・三井住友の3メガバンクによる共同ステーブルコイン発行を初の支援案件として承認した。信託型の枠組みで100万円の送金上限が撤廃され、円建てに加え米ドル建ても視野に。片山財務相も支援を表明し、国を挙げた金融イノベーション推進が本格始動する。
11:41
仮想通貨市場の投資家心理は最低水準、10万ドル節目の攻防続く
ビットコインが6月以来初めて10万ドルを割り込み、10月高値から20%超の急落。長期保有者による416億ドルの大量売却と、ETFからの9億ドル流出で市場は動揺している。個人投資家のセンチメントは過去最悪レベルに落ち込む一方、Bitwise幹部は機関投資家の投資意欲は旺盛で、年末の最高値更新もあり得ると指摘した。
11:05
テザー、新たな提携でトークン化証券市場を加速
ステーブルコイン大手テザーが資産運用会社クレインシェアーズ、ビットフィネックス・セキュリティーズと戦略提携。トークン化証券市場は2030年に約1500兆円規模へ急拡大の見込み。
10:50
時価総額トップ100の仮想通貨の内の72銘柄、最高値から50%超下落
ギャラクシーのリサーチ部門は、時価総額トップ100の仮想通貨の内72銘柄の価格が過去最高値から50%以上下落していると報告。今後の相場の見通しに注目が集まっている。
10:25
「ビットコイン市場は脆弱な均衡状態に」Glassnodeが鍵となる価格水準を分析
Glassnodeが最新市場分析を発表。仮想通貨ビットコインは軽度の弱気相場にあると指摘した。ビットコインの持続的な回復あるいは下落に必要な水準を分析している。
10:05
JPモルガンのダイモンCEOがステーブルコイン事業参入を表明、他行との共同構築も検討
JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEOがステーブルコインの将来は不透明としながらも事業参入を表明した。他の銀行との共同構築も検討している。
08:35
アイルランド中銀がコインベース欧州法人に約36億円の罰金、3000万件超の取引監視を怠ったと指摘
アイルランド中央銀行がコインベース欧州法人にマネーロンダリング対策違反で約38億円の罰金を科した。取引監視システムの設定ミスで総額31兆円相当の取引が未監視だった。
07:45
年間10兆ドル超のステーブルコイン取引を扱う7団体、決済標準化コンソーシアムを設立
ファイアブロックスやソラナ財団など7団体がブロックチェーン・ペイメンツ・コンソーシアムを設立した。クロスチェーンのステーブルコイン取引を標準化し、従来の決済と同様の利便性を図る。
07:05
SBIデジタルマーケット、チェーンリンクと提携
SBIデジタルマーケットは、チェーンリンクと戦略的パートナーシップを締結。これからチェーンリンクの技術を活用して、TradFiとDeFiの橋渡しをすると説明している。
06:45
グーグル・ファイナンスが予測市場データなどを統合、金融情報機能を大幅強化
グーグルが金融情報検索にカルシとポリマーケットのデータを統合し、将来の市場イベントに関する質問に回答できるようになった。
06:25
トム・リーのビットマインが210億円相当のイーサリアムを追加購入、2600億円の含み損抱えるも買い増し継続
ビットマインが6日にも約1.4億ドル相当のイーサリアムを追加購入。17億ドルの含み損を抱えながらも下落局面での買い増しを継続。
05:50
JPモルガン、ビットコイン価格予測を17万ドルに引き上げ その条件は=The Block
JPモルガンのアナリストがビットコインの今後6カ月から12カ月の価格予測を17万ドルに引き上げた。レバレッジ調整の進展と金に対する相対的な魅力の向上が理由だという。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧