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相次ぐ仮想通貨の自主規制ルール、日本市場への影響は?

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

相次ぐ自主規制ルール
仮想通貨交換業者(仮想通貨取引所)の業界団体である「日本仮想通貨交換業協会(JVCEA)」が、顧客の取引金額に上限を設けることを業者に義務付ける、新たな自主規制ルールを設ける方針を固めた。これはレバレッジ規制に続く形で報道されたが、今後日本市場にどのような影響が出るのか?
JVCEAとは
日本仮想通貨交換業協会の略称。金融庁による仮想通貨交換業の登録を受けた事業者、全16社が正会員となる、自主規制団体。

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

時事通信は8月28日、仮想通貨交換業者(仮想通貨取引所)の業界団体である「日本仮想通貨交換業協会(JVCEA)」が、顧客の取引金額に上限を設けることを業者に義務付ける、新たな自主規制ルールを設ける方針を固めた、と報道しました。

同じく時事通信は7月24日、倍率をかけて取引を行う「証拠金取引」にて、倍率制限を4倍以内にすることで、低い倍率上限を設けること推奨する自主ルールを設ける方針で調整に入ったと報道しており、日本における仮想通貨取引に関するルール制定への動きが強まっています。

また時事通信の報道によると、証拠金に関する倍率制限は「推奨」であったのに対し、本日の取引上限に関するものは「義務」として規制ルール制定へ動くことで、より厳格な自主規制体制を築くことが伺えます。

認定自主規制団体を目指す

自主ルールを主導する業界団体「日本仮想通貨交換業協会」は、今年3月新たに発足した認定自主規制団体を目指す新団体で、金融庁による仮想通貨交換業の登録を受けた事業者、全16社が正会員として登録されています。

これら発表された自主規制ルールは、日本の仮想通貨業界への直接的な影響があるといえ、法整備では時間がかかることから、まず自主規制ルールを制定し、業界の発展の速さに対応する自主規制ルールの制定が重要視されています。

なお同協会は、これら自主規制案を取りまとめ、金融庁に改正資金決済法に基づく自主規制団体の認定を申請する方針です。

自主規制ルール

倍率規制に関して

今回、日本の仮想通貨書庫金取引の上限が、4倍へと推奨という形で進む方針となりますが、現行での登録業社16社の最大倍率は、日本の外国為替証拠金取引(FX)規制下での、証拠金倍率25倍と同じ倍率となっていました。

今年5月に金融庁の外国為替FXの規制、「利用者保護の目的で10倍まで引き下げる案」が見送りになったと報じられたばかりですが、今まで証拠金倍率は二度引き下げられてきた経緯があり、原稿では米国のレバレッジ規制である主要通貨50倍、他20倍や、欧州での主要通貨30倍、他20倍より、低い倍率で取引されています。

特に今回投資家保護の目的としての注目点は、仮想通貨の変動率(ボラティリティ)で、外国為替とは一線を画す変動率となります。

この変動率こそが、仮想通貨での魅力であるとの意見はあるものの、倍率がかかることでよりリスクが増し、担保として預けた金額を上回る損失が生じるリスクもより高まることから、最も重要視される投資家保護を行うべく、見直しの検討へ動く大きな理由となっている可能性があります。

投資上限について

投資上限に関する、今回の自主規制ルールは、大きく分けて2つの選択肢があり、交換業者に選択の余地が与えられている模様です。

1.資産が少ない顧客も安全に取引できる水準で一律に設定

2.年齢、資産、投資経験、所得などに応じて個別に設定

出典:時事通信

この投資上限に関してですが、株式市場などと比較すると若年層が圧倒的に多いとされる仮想通貨市場であることを加味すると、1を適応する取引所が出て来た場合、かなり低い水準まで押し下げられる形で上限が設定されることになります。

取引所ごと個別に選択することができる点などから、自ら顧客観点でのデメリットを取りに行くとは考え難く、2のルール制定がメインになるのではないかと考えられます。

また時事通信を英語で配信したjapantimesでは、禁止はされていない未成年者に対し、取引前に保護者の許可を求め、定期的に大人の意思確認を求めることを計画していると報道しています。

外国為替証拠金取引と同様に、未成年者に対する同意書や、各取引所ごとに年齢制限を設ける(現状国内口座開設は20歳以上が大半)など、若年層への保護強化の動きが強まりそうです。

日本の仮想通貨市場はどうなる?

この様に、仮想通貨市場における金融庁の認定自主規制団体を目指すJVCEAは、投資家保護への対策を急務と考え動いている様に思えます。

これには、コインチェックのハッキング事件から露呈した資産管理、セキュリティの問題点だけでなく、予想以上に投機市場として盛り上がりを見せた日本仮想通貨市場の状況が背景にあります。

産経新聞の報道から、金商法適応への移行が噂され、より法整備の厳格化、市場の透明性が期待されてはいるものの、法整備にはかなり長い時間がかかることから、まず自主規制ルール制定、また金融庁公認となる自主規制団体が必要とされている格好です。

しかし、今回の自主規制ルール案に関するユーザーの反応には、懐疑的に捉える意見も多く、今回ユーザーへの制限が加えられる自主規制ルール制定を行う前に、各取引所の顧客資産管理や、インサイダー、相場操縦など、違う観点からの投資家保護を要求する声も多くみられました。

この様な状況下では、税率の高さも含め、日本国外へと投資家流出を促す要因となってしまうことに繋がると考えられ、既に何度か警告を行なっていることからも、より海外取引所への警告や、使用制限が厳しくなるという循環へと繋がる可能性も考えられます。

技術発展が早く、明日にも新たなルール制定が必要とされる場面が来るかもしれない仮想通貨市場のスピードが、まず投資家に大きなリスクから保護することを優先度として押し上げていると言えますが、あくまでも自主規制団体は、国内仮想通貨取引所で構成されている点から、顧客確保も重要視されることは間違いなく、状況的に板挟みになっている感が否めません。

投資家や取引所共に、目指し望んでいる先は、市場の健全化であるにも関わらず、自主規制団体と投資家の間に、深い溝ができつつある実情は、望まれる環境とは言い難く、技術発展の早い業界に対応する未来を見据えたルール制定、また市場健全化に向けた自主規制団体の未来のビジョンの共有が行われることで、投資家も一丸となる共に臨む業界の発展へと繋がるかもしれません。

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