- 仮想通貨ETF検討
- Business Insider.deは、世界最大の資産運用会社BlackRockとの関係を示唆した上で、仮想通貨取引所Coinbaseが仮想通貨ETFの申請を検討していることを報じた。今後BlackRockとCoinbaseが共同で継続して仮想通貨ETFに取り組んでいくかは定かではないが、その仮想通貨ETFは、同社が提供しているインデックスファンドと同様、複数の仮想通貨が組み込まれるとされている。
- ETFとは
- Exchange Traded Fund (上場投資信託)の略でインデックスファンドの一種。日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)等に連動する運用成果を目指し、東証などの金融商品取引所に上場している投資信託もこの一種。
Coinbaseが仮想通貨ETF申請を検討
ここ数ヶ月において、仮想通貨業界内では、ビットコインETFに関する話題が多く挙がっており、そのETFがいつアメリカ証券取引委員会(SEC)に承認されるのかに注目が集まっています。
しかし、仮想通貨取引プラットフォームGemniを運営するウィンクルボス兄弟のビットコインETFはSECによって不認可とされ、市場で本命視されているシカゴ・オプション取引所(CBOE)が関わるVanEck・SolidXビットコインETFを始めとする多くのビットコインETFの判断が延期されています。
そのような中で、サンフランシスコ基盤の米最大手仮想通貨取引所Coinbaseが、世界最大の資産運用会社BlackRockとの関係性が示唆された上で、仮想通貨ETF(上場投資信託)の申請を検討していることがBusiness Insider.deによって明らかにされました。
1988年に設立されたBlackRockは、既述の通り、世界最大の資産運用会社で、2018年6月30日時点で6.3兆ドル(約697兆円)の資産運用を行い、世界中の25都市に運用拠点を持ち、世界中の資産に投資を行ってい、2015年からブロックチェーン技術を金融サービスに組み込むことを目的とした専門チームも作成しています。
そして、仮想通貨取引所Coinbaseは、仮想通貨取引所運営を基盤とし、資産運用、ベンチャーキャピタル、管理(カストディ)サービス、ブローカー業務など多岐に渡るサービスを展開しており、今年3月にはビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ビットコイン・キャッシュ(BCH)、ライトコイン(LTC)という主要4仮想通貨を組み込んだインデックスファンドも一部投資家向けに公開することを発表しました。
今回Coinbaseが取り組んでいるとされる仮想通貨ETFも、そのインデックスファンド同様、複数の仮想通貨が組み込まれるETF(ビットコインETFは単一通貨のETF)になるだろうと予想される一方で、インデックスファンドとは違い、より多くのメインストリーム投資家の参入が見込めると記述されました。
BlackRockとの関係性も焦点
Business Insider.deは、BlackRockのブロックチェーン部門とCoinbaseがここ数週間において複数の会議を行っていたことを明らかにしていますが、BlackRockのCEOであるLarry Fink氏は以前、仮想通貨業界が”資金洗浄の温床である”と語り、同社の顧客も関心を示していないと言及していたことから、その会議が今回限りのものであるのか、それとも、今後Coinbaseと共同で仮想通貨ETFへの取り組みを進めていくのかは定かではありません。
しかし、もしBlackRockが今後この取り組みに関与して行かなかったとしても、仮想通貨取引所Coinbaseが、仮想通貨ETFの申請を検討していることは、非常に注目すべきことであると言えるでしょう。
CFRAにてETFおよび、投資信託部門のディレクターを務めるTodd Rosenbluth氏が以前「多くの企業がビットコインETFの認可を得るために躍起になっている。
そして、そのETF認可を最初に勝ち取れば、大きなアドバンテージを得ることができるのだ。」と言及している通り、最初に認可される仮想通貨関連ETFこそが最大限の恩恵を受けられると期待されています。
そして、市場で本命視されているVanEck・SolidXビットコインETFが、9月30日までにSECに認証されることがなく、アメリカ投資会社BKCMのBrian Kelly氏が語るように、来年2019年2月まで延期されることが確定した場合、今後もCoinbaseを始めとする複数の企業が、この仮想通貨関連ETF獲得競争に参加する可能性も否定できません。
このようにCoinbaseという仮想通貨市場内でも知名度の高い企業が仮想通貨ETFへの参入を検討していることを考慮すると、仮想通貨関連サービスを提供するAbra CEOのBill Barhdyt氏の「ビットコインETFは、2019年には実現するだろう。それほどの需要が存在しているのだ。」という発言の信憑性が高まってきていると言えるでしょう。