はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

ビットコインのブロックサイズを「ハードフォークなしで拡大」する提案を発表|3584倍の処理能力向上の可能性も

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ビットコイン:スケーラビリティ問題解決へ
ブロックチェーンスタートアップ「Blockstream」の共同設立者であり、ビットコインコアの開発者Mark Friedenbach氏は、東京で行われたカンファレンスにて、ビットコインのスケーラビリティ問題の解決策を提示した。開発者らなどからは賛否両論が巻き起こっており、大変注目を集めている

スケーラビリティ問題解決へ

ビットコインの抱える問題にスケーラビリティ問題が挙げられる。

スケーラビリティ問題とは、ビットコインのブロック生成におけるトランザクションが混雑することで、送金の遅延が発生したり、取引手数料が高騰することを指す。

ビットコインのプロトコルをどのように変更するかということは長年の大きな課題の一つであり、ビットコインのような巨大な分散システムにおいて合意形成することは極めて難しいとされている。

先日この問題に対して、一つの解決策となりうるアイデアが発表された。

ブロックチェーンスタートアップ「Blockstream」の共同設立者であり、ビットコインコアの開発者Mark Friedenbach氏は、東京で開催されたカンファレンス「Scaling Bitcoin workshop」にて、その画期的な提案をした。

その提案は「Forward Blocks」と題され、内容としては主要なオンチェーンのキャパシティを、ソフトフォークによるプルーフ・オブ・ワーク(PoW)の変更により処理能力向上させ、またブロックサイズの拡大の可能性もあるというものである。

その中の一つには、主要仮想通貨の一つイーサリアムでは、送金遅延や手数料増加など「スケーラビティ問題」に対する解決策の一つとしてSharding(シャーディング)を利用しているようだ。シャーディングとはデータベースを水平方向に分割、検証作業を並列化することで、これによりイーサリアムは処理能力の大幅向上を図っている。

同氏はこのシャーディングと呼ばれる技術を用いることにより、トランザクションの処理容量が現在の3584倍にまで向上し、センサーシップ・レジスタンスも改善されると主張している。

センサーシップ・レジスタンスとは、直訳すると「検閲耐性」となり、いかに過去の取引記録などのデータ改ざんが行われにくいかという耐性の度合いを表す言葉。

以前にGavin Andresen氏やMike Hearn氏はブロックサイズの容量拡大(SegWit2x)を提案したものの、ブロックサイズを1MBのまま変更すべきでないとするメンバーと対峙、結果としてビットコインにはブロックサイズの拡大を行うハードフォークは実行されなかった経緯がある。

ブロックサイズ拡大のビッグブロック派を推すコミュニティも誕生したことで、ビットコインキャッシュが誕生するなるなど、ビットコインのブロックサイズの問題は極めて重要な論点であると言える。

(なお、ビットコインキャッシュは、このトランザクション処理の観点に力を入れており、度々のアップデートを発表している。)

それゆえ今回提案をした同氏は、ハードフォークを適用せず、どのように大きな変更を容易に実行するか、その方法を模索し続けていた。

同氏は以下のように述べている。

「Forward Blocks」にとって今までの議論を無意味なものだ。もしソフトフォークで解決しようと決めたのなら、ビットコインのスケール拡大にハードフォークは必要ではない。SegWitのようにソフトフォークでも達成可能なはずだ。

Segwitは「スケーラビリティ問題」、「トランザクション展性」の2つの問題を解決するために生まれた技術で、詳細は以前のコインポストの記事をご参照ください。

この提案に対してBlockstreamのCEO、Adam Back氏は「実用化されるかは別として、新たな仕組みを発見することは有益だ。極めてシンプルなものだが、興味深い。」と評し、ビットコインコア開発者Karl-Johan Alm氏は、実用化するかは不明瞭なものの「技術的突破口だ。」としている。

批判的な意見も

一方で批判的な意見も出ている。その意見の一つにビットコインのような分散型ネットワークに大規模な変更を加えることが厳しいというものがある。

Shinobimonkey氏は「アップグレードという名のネットワーク攻撃だ。」と発言。Twitterでも今回のカンファレンスについて痛烈に批判している。

今回の提案に対して賛否両論はあるものの、この提案がきっかけとなりスケーラビリティ問題にはより関心が高まっている。

これがスケーラビリティ問題解決への突破口となるのか、その動向には要注目です。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
07/03 木曜日
18:23
Aptos LabsがYellow Cardと提携、アフリカ20カ国で手数料無料のステーブルコイン送金開始 
Aptos LabsとYellow Cardが提携し、アフリカ20カ国で手数料無料のステーブルコイン送金サービスを開始した。USDT・USDC対応で即時決済を実現し、数百万人のユーザーがステーブルコインをより迅速かつ手頃な価格で利用できるようになった。
18:10
ストラテジー社のビットコイン財務戦略:価値創造と潜在リスクの両面
米国のストラテジー(マイクロストラテジー)などビットコイントレジャリー企業の財務モデルを軸に、株式を通じた投資の仕組みやレバレッジ効果、税務上のメリットなどを解説。日本のメタプラネットなど類似上場企業の動きも取り上げ、再現性の条件やリスク要因を多角的に考察する。
17:26
スイスFINMA規制のAMINA銀行、リップル社RLUSDを世界初サポート
スイス金融監督局(FINMA)規制下のAMINA銀行が、リップル社の米ドル建てステーブルコイン「RLUSD」の取扱いを開始。時価総額660億円超のRLUSDをサポートする世界初の銀行として、機関投資家向けに保管・取引サービスを提供。
16:14
米仮想通貨取引所コインベース、「LiquiFi」買収でトークン発行支援事業強化へ
米コインベースがトークン管理プラットフォーム「LiquiFi」を買収。トークン発行者を初期段階から支援するプラットフォームであり将来的に機関投資家向けサービスにも統合予定だ。
16:02
オルタナ信託設立とProgmat・ALTERNAの協業深化
三井物産デジタル・アセットマネジメントは、デジタル証券特化の信託会社「オルタナ信託」を設立。Progmatと協業し、ST発行・管理基盤を導入。ST市場の効率化と拡大を目指す。
12:04
ビットコイン反発で11万ドルに接近、Bitfinex分析ではQ3の季節性要因を警戒
仮想通貨取引所ビットコインは前日比+2.6%の108,733ドルまで上昇。Bitfinexレポートによると、4月安値から50%反発後は10-11万ドルのレンジ相場に移行し、第3四半期の季節性要因で平均リターン6%の「最弱四半期」を警戒する。一方、米国初のソラナステーキングETFが取引開始し初日3,300万ドルの好調なスタートを記録。
09:50
「ビットコイン保有者の大多数が含み益、HODLが主流に」Glassnode分析
Glassnodeの週次レポートによると、仮想通貨ビットコイン投資家の大多数が含み益状態で、長期保有(HODL)が市場の主要メカニズムになっている。
09:31
米SIFMA、証券トークン化の規制作りでSECに要望書簡送付
米SIFMAはSECに対し、RWAに分類される株などの証券のトークン化に対する規制整備について提案を行った。オープンで透明性の高いプロセスを通して、ルールを作るべきだと主張している。
08:55
米テック富豪ら、仮想通貨向け銀行「Erebor」設立を計画=報道
ピーター・ティール氏らテック投資家が仮想通貨企業向け銀行Erebor設立を計画。全米銀行免許を申請、シリコンバレー銀行の後継を目指す。
08:20
米上場の中国系アパレル企業アデンタックス、ビットコインを最大12000BTC買収へ
ナスダック上場の中国系企業Addentaxが最大1万2000BTCの買収で基本合意。約13億ドル相当を株式交換で取得予定、5月発表の8000BTCから規模拡大。
07:55
ブラックロックのIBIT、手数料収入が「S&P500ETF」超え
ブラックロックの仮想通貨ビットコインの現物ETF「IBIT」は、同社のS&P500のETFよりも手数料収入を生み出していることがわかった。IBITはビットコインETFの資金フローを主導している。
07:30
ドル指数が2022年以来の安値に、ビットコインや金に与える影響と今後の見通し=Cryptoquant分析
Cryptoquantが2日に発表した分析によると、ドル指数が2022年来安値を記録する中、ビットコインは膠着状態が続く。長期保有者の含み益減少も指摘。
06:55
ビットコイン、2025年後半に20万ドル到達目標を維持=スタンダードチャータード銀
スタンダードチャータード銀行のケンドリック氏がビットコイン20万ドル予測を維持。ETFや企業購入の拡大により2025年後半に史上最大の上昇を見込むか。
06:10
リップル、米国銀行ライセンス申請 サークルに続く動き
リップルが米通貨監督庁に国家銀行免許を申請。RLUSDステーブルコイン規制対象化とサークルとの競争激化が注目される。
05:50
オープンAI、ロビンフッドの株式トークン化サービスとの提携を否定 未承認でトークン発行か
OpenAIがロビンフッドの株式トークンサービスへの関与を公式否定。未上場企業トークン化における先買権問題が浮き彫りに。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧