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大手銀行INGが独自の「ゼロ知識範囲証明」を開発、通常の証明に比べ高性能かつ幅広い応用が可能に

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

大手銀行INGがゼロ知識証明の応用技術を開発
オランダの大手銀行INGは銀行業界カンファレンス「Sibos」にて、ゼロ知識証明をより応用の効く形にした「ゼロ知識範囲証明」を開発した。これは通常のゼロ知識証明よりも計算が軽く、ブロックチェーンによる処理も速くなるというメリットも期待される。
ゼロ知識証明とは
証明者の証明する内容が正しいことを、「証明する内容が正しい」以外の情報を与えずに承認者に示す暗号化方式の一種。これにより、具体的にはパスワードを相手に教えることなく、そのパスワードが正しいものだと証明することができるようになるなど、プライバシーを保持した取引が可能になる。仮想通貨でも匿名性の高いZcashなどで採用されている。

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INGバンクの新たなプロトコルとは

INGバンクはブロックチェーンにおけるさらなるプライバシー向上のために、ゼロ知識証明の一種である独自のZero-Knowledge Set Membership(ZKSM)ソリューションを発表した。

オランダに本社を置くこの大手銀行INGが開発したZKSMの正体は、ゼロ知識証明をより単純な形式にした、「ゼロ知識範囲証明」というものだ。

ゼロ知識範囲証明では、数値(金額など)が特定の範囲内にあることを、その数値が具体的にいくらであるかを相手に公開せずに証明できる。

例えば、住宅ローン申請者は自身の収入が、ローンの審査で求められる一定の範囲内にあることを、収入額を伝えることなく証明できるようになる。

このような範囲証明は、通常のゼロ知識証明よりも計算が軽く、ブロックチェーンでの処理も早くなるというメリットもあるとされる。

また、ブロックチェーンの構築上で拡張するように仕組まれているため、英数字を特定の順列内で検証可能なデータとして扱うことが可能になっている。

現実的な利用で言うと、数字データを数学の寸法証明や位置情報などのデータに変換することができるようになるとのことだという。

これを用いることで、例えば、ユーザーの本人確認(KYC)において、そのユーザーは特定の地域の住人であることを具体的な住所を明かすことなく証明することができる模様だ。

EU圏内の住人であることを示すには、まずEUのすべての国のデータセットを用意し、ユーザーがこのデータセット内のいずれかに該当するデータを示すことができればよいとされる。

Coindeskの報道によれば、ING銀によるブロックチェーンへに対する取り組みはオープンソースで進められてきたため、今回のプロジェクトも、Zcashの共同創業者でMITで研究を行うMadars Virza氏のような学問的な領域の人からレビューを受けてきているという。

INGのAnnerie Vreugdenhil氏は、今回のZKSMのオープンソースに関する発表は、データとプライバシーを分散型台帳技術(DLT)を用いてどのように扱っていくかを探求していく過程において、新たな一歩となるだろうと、そして以下のように言及した。

INGでは、幸運なことに業界でもトップクラスの知恵を持ってこのプロジェクトに取り組むことができている。今回開発したこの革新的なソリューションがいよいよ実装、試験段階へ進むことに非常にわくわくしている。

進む企業によるブロックチェーンの採用

最近では、企業によるブロックチェーンの採用が見る見る増えていることが確認できる。

例に挙げれば、マイクロソフト(MS) が分散型IDに特化した「ウォレット型アプリ」の開発をしていることや、自動車巨人トヨタ がデジタル広告を最適化するために広告分析に特化したブロックチェーン企業Lucidityと提携したこと、さらには世界最大の会計事務所デロイトトーマツ が商業貿易における取引での信用を創出するためにブロックチェーンの利用を推進している報道など、大手企業がブロックチェーンを取り入れ始めたことにより、より広範囲へ浸透し、普及していくと言えるだろう。

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