- 仮想通貨市場
- 15日以降値が動かず、0日平均(青)、60日平均BTC(黒)ボラティリティ指数(USD換算)が、2016年末以降最低水準にまで達していたビットコイン価格についに動きが見られた。底値付近で推移していたビットコインは急落の影響で重要な局面へ置かれている。
仮想通貨市場
ビットコインの値が動かない。何が起きている?と感じる方も多いだろう。
実際、2018年年末まで大きく価格を上昇させたビットコインは、6000ドル付近の底値を守りつつも上値を切り下げて推移している。
この価格変動の変動率の低さは、ここ1年以上見られていない数値であり、価格変動率を示すボラティリティ指数を提供するbitvol.infoのデータでは、30日平均(青)、60日平均BTC(黒)ボラティリティ指数(USD換算)が、2016年末以降最低水準にまで落ち込んでいたのだ。
現在の相場を言葉で表すと、出来高が極めて低く、目線は下落であるにもかかわらず、落ち切らないという状況であったと言える。
しかし、この相場が動くのも近いかもしれない。
今月15日からレンジ相場が続き、2週間大きな動きを見せない相場となっているビットコイン価格だが、日本時間16時30分頃からbitFlyer BTC/JPYにて赤のサポートラインを一旦割り、下髭をつける動きが確認された。その後、20時過ぎに再度抜けを確認すると下落に傾き、70万円割れの急落を記録した。
2万円幅以上の動きが確認されたのは約半月ぶりとなるが、底値の硬さを示していたビットコインも中・長期の三角保ち合いを形成していたことから、このサポートラインを守りきるかが大きな注目点となるだろう。
仮想通貨トレーダーのハル氏(@kasou365)は、本日の急落について、以下のように解説している。
今日はBFFXの乖離に特に注目。
— ハル (@kasou365) October 29, 2018
(20時20分の急落ポイント)
・最初にBitfinexで強い売買
・直後にBitMEXで強烈売り
→$6350割って売り加速
・BFFXが異様に耐える
→乖離率最大3.2%超え
乖離分の2段下げを想定しショート継続。結果、利益拡大☺️
下落相場で乖離3%超えは危険水準だと思います。 pic.twitter.com/wy6ok3IIYc
相場の重しとなっているもの
なお、現状見えているビットコインの価格推移における「3重苦」については、以下の3点が挙げられる。
1.出来高の減少
2.金融マーケット全体の下落
3.材料の不足と感度の減少
1. 出来高及び流動性の半減
ビットコイン価格の下落に伴い減少した相場への関心は、価格上昇を後押しするために重要な出来高の減少へと繋がっている。
Bitcoin出来高のチャートを掲載するcoinlib.ioでは、9月以降ビットコイン出来高が急激に減少しており、年初来最低水準で推移。
またUSDの出来高チャートを掲載するblockchain.comのチャートでは右肩下がりに減少している動きが確認でき、昨年末の53.5億USDから現在では1.32億USDと40分の1まで減少している現状がある。
2. 金融マーケット全体がリスクオフ
厳しい状況に置かれているのは仮想通貨マーケットだけではなく、株式市場においても欧州政治不安や米中貿易摩擦が影響し、世界的な経済不安が波及、日米の株式市場も続落する傾向が見られている。
前営業日時点で、松井証券の「信用買い評価損益率」が-27.91%に到達するなど、個人投資家も厳しい立場に置かれており、仮想通貨などへ回す余剰資金も限られて来ている状況があると思われる。
日本市場のみならず、米国、欧州、中韓など、仮想通貨を好む個人投資家への金融資産ダメージは計り知れず、少なからず投資マインドを毀損しているのは間違いないだろう。
3. 材料不足と感度の減少
また、個別マーケットでの勢いを示す特大材料に乏しい状況も、個人投資家の投資意欲を減衰させ、仮想通貨市場の氷河期を長引かせる要因と考えられる。
2018年は規制の年となったが、大きな材料も予定を後ろ倒しする形で延期、未だ相場に活気を取り戻す材料は見られていない(予定で留まっている)。
また、出来高の減少やボラティリティの低下、市場全体の地合いの悪さも影響し、個別材料に対する反応も鈍くなっていると言える。
ファンダメンタルズ要因は重要ではあるものの、まずは、失われつつある仮想通貨市場への関心をいかに戻すことが出来るかが課題となりそうだ。
仮想通貨(ブロックチェーン)関連株
中国・上海株式市場の軟調を受けて不安心理が台頭したことで、日本株式市場は寄り天に。特にマザーズ市場は大幅続落で、さらに-4%暴落するなど年初来安値を更新している。
前営業日時点で、松井証券の「信用買い評価損益率」が-27.91%に到達していたが、本日の信用買い評価損益率は-30%の大台に達している可能性も考えられる。2016年2月のチャイナショック時でも-26%前後だったことを踏まえると、”追証の連鎖売り”という悪循環から脱却できずにいるようだ。
また、地合いが悪化する中、マネックスグループ(8698)が前場引けに第2四半期決算を発表し、終値で13.61%安となる400円まで売られた。仮想通貨交換業者「コインチェック」の認可登録に関する言及がなかったことで、失望売りに繋がったと見られる。
2018年4~9月期の連結純利益は、前年同期比13%減の17億円になったほか、仮想通貨などに関する「クリプトアセット事業」は、営業収益12億円となったものの、サービス全面再開に向けた経営・管理体制の強化及びセキュリティ対策費用など先行投資のみが嵩んだ結果、税引き前損益8.47億円の赤字となった。
なお、業績や今後の展望について、マネックスの松本CEOは決算説明会で詳しく言及。PTS(時間外取引)では、その内容が好感されて若干買い優勢となっている。
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