- Huobi研究所レポート
- 世界有数のHuobi研究所提供。三週間連続でBTC大口取引が大量にあり、占有率上位のアドレスがBTCを全売りしたのは少なくなかった。1万BTC以上の「超大口取引」が前週より9倍も増加した。
1. ブロックチェーン上のデータ
1-1. 動きがあったBTCアドレス
「11月28日~12月5日」の1週間で、動きがあったBTCアドレス数は前週比2.6%減となる344万件となり、4週連続減少してきた。
新規に増えたアドレスは、前週比1.7%増で、119.8万から121.8万へと増加した。
1-2. BTCの取引ボリューム及びトランザクション回数
BTCブロックチェーン上全体のBTC取引ボリュームは、前週(800.5万BTC)比28.9%増で、1032.1万BTCとなった。
このデータは、直近半年間の「週間取引ボリューム」の中で最も高かったという。
トランザクション数は計172.6万回と記録され、前週比4.7%減少した。
また、トランザクションごとにおける平均BTCボリュームは前週比35.3%増で、5.98BTCとなった。
1-3. BTCのトランザクションコスト
今週、BTCネットワーク全体における総トランザクションコストは、前週の264BTCから241.6BTCへと減少した。
平均トランザクションコストにおいては前週比12.2%増となる0.00015BTCとなった。
1-4. BTC保有量の占有率
一部のアドレスに対するBTC保有量の占有率は、前週より大幅に減少した。
上位10アドレスの全体に対する占有率は前週比0.09%減で5.31%となったほか、上位10〜100位アドレスの占有率も前週比3.09%減となった。上位100〜1,000位アドレスの占有率も前週比2.57%増となった。
それ以外のアドレスの占有率は、前週比0.61%増となる64.52%となった。
特に、今週には占有率上位のアドレスの中に、前週の9〜12位、30〜31位、45〜54位などを含め、BTCを全売りしたのは少なくなかった。
流出したBTCのほとんどが新規96アドレスに入れられ、一つのアドレスあたりに8,000BTCが入った。これは同じ機関または個人が行ったことだと思われた。
1-5. BTCにおける大口取引のデータ
Huobi研究所は、「超大口取引」を1万BTC以上と定義し、「大口取引」を1千BTC以上1万未満の取引と定義している。
超大口取引は18回あり、大口取引は前週の1051回から1003回と、やや減少した。
三週連続で大口取引が大量にあり、BTCによる資金洗浄の疑いがあった。
1-6. BTC取引ボリュームごとのトランザクションデータ
今週、大口取引のトランザクションが高いレベルのままだった。100〜1K BTC取引ボリュームのトランザクション占有率は前週の27.4%から今週の32.6%に上昇した。
2. ソーシャルメディア
続いて、ソーシャルメディアに関する調査になる。
2-1.キーワード分析
Reddit’s r/CryptoCurrency Subreddit をNLP分析という手法で調査し、仮想通貨、イベント、取引所及びインフルエンサーの3つのカテゴリーにおいて、海外トレンドと、市場センチメントに関して分析している。
仮想通貨
NLP分析によると、BTC、ETHとNANOが、もっとも注目された仮想通貨になった。
BTC及びETHの場合、主に価格と取引戦略が語られていた。
NANOについて、バイナンスにオフィシャルゴールドプロジェクトとしてピックアップされたことに焦点が当てられた。
イベント
Fiat(法定通貨)、Wallet(ウォレット)、Decentralized(分散化)が、キーワードに。
Fiat(法定通貨)が仮想通貨に交替されるかどうかについて熱く議論された。
Wallet(ウォレット)に関しては、各デジタルウォレットのアップデート状況が語られた。
Decentralized(分散化)では、分散型取引所が伝統的な取引所をリープレイスできるか、EOSやIOTAなどの仮想通貨は本当に分散系通貨かに注目が集まった。
取引所/インフルエンサー
NLPによると、Binance、Coinbase、Satoshiは今週最も注目されていた。
Coinbase、Binanceの場合、ログインやトランザクション、手数料などの問題を含む海外の投資家間での通常通りの話題が語られた。
Satoshiについては、中本聡さんのP2Pファンデーションアカウントは2011年以来初めて更新されたことに焦点が当てられた。
2-2. GitHubでの開発に関する動き
Githubコミュニティでは、新規で増えたコードが最も多かったのはNEO、ADA、ETHである。
最もフォーク数が多かったのはBTC、ETH、EOSで、そして最もプロジェクトに関する開発の提出が多かったのはTRX、EOS、ETHである。
また、新規増えたイシュー数量の上位3位はIOTA、NEO、DASH。
一番「良いね」が集まったのはETH、BTCとEOSであり、さらに注目者が最も増えたのはDASH、EOS、IOTAとの三つとなる。
3.マーケットデータ
3-1. Return/Priceのボラティリティ比率
今週、BNB以外に、仮想通貨価格の全体は下落のトレンドのままに見受けられた。
BNBの価格は前週比12%上昇した一方、EOSは前週比33.12%減で、最も下落した通貨となった。
取引高においては、BNB以外の通貨は全部減少した。
3-2. 仮想通貨の連動率
仮想通貨の間に見られる連動率とは、ある程度タンデムで動くとされるもの。
下記の基盤はピアソンの相関とp数値(=前週比の平均価格で比重した取引高の戻り値から計算される数値)となっている。
今週、TRONは独自なトレンドで動いたが、他の主要通貨の連動率は非常に高く見えた。
その中、BTC/IOTAは最も高く、0.99という割合だった。TRON/EOSは最も低く、0.1だった。
Huobi研究所について
Huobi研究所は、仮想通貨取引所を運営しているHuobiグループによって2016年4月に設立され、2018年3月に、ブロックチェーン分野における技術開発・業界調査分析・応用研究・コンサルティングを目的とした、より高度な組織へ発展を遂げました。
また、経済、金融、AI、法律等様々な分野に精通する人材を多く抱えている他、世界のあらゆるブロックチェーンに関する学術団体や大学、研究施設と提携しており、Huobi研究所の所長を務める袁煜明(Hubery Yuan)氏は、元産業保安研究所の副院長兼TMT(テクノロジー・メディア・通信業界)主席アナリストを務めた人物であり、New Fourtune社から「ベストアナリスト賞」を受賞しております。
また、同研究所はブロックチェーン分野の研究基盤を構築し、業界に対してより明確に根拠のある理論や研究成果を提供する事で、業界及び産業の発展を促進する事を目指しております。
Huobi研究所の理念として、「ブロックチェーンのエコシステムを構築し、より良い未来に貢献する事」を掲げております。
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※注意事項
今回の記事はあくまで、調査レポートを元にCoinPostの考えを述べたもので、仮想通貨の値上がりを保証するものや、投資を奨励するものではございません。
仮想通貨への投資の際は、価格変動リスク、信用リスク、流動性のリスク等、リスクを確認した上、ご自身の責任の下で投資を行いましょう。