- シンガポール政府はKYCブロックチェーンのプロトタイプの利用を開始
- 米国政府がブロックチェーンの採用を討論している中、シンガポール政府は先陣を切り(政府レベルでの)ブロックチェーン利用を開始しました。
- KYCブロックチェーンにより銀行開設がより楽に
- かつて銀行で口座開設をする際、セキュリティの厳格化が進み銀行にとっても顧客にとっても口座開設は大変な作業でありました。シンガポール政府はKYCブロックチェーンを採用し作業を効率化させる狙いです。
シンガポール政府と複数の大手銀行が共同し、現地では初となるKnow-Your-Customer(KYC)ブロックチェーンのプロトタイプ(試作原型)の提供を始めました(KYCとは新規口座を開く際、銀行から要求される書類手続き等を言います)。
三菱ファイナンシャルグループ、オーバーシー・チャイニーズ銀行(OCBC銀行)及び、香港上海銀行 (HSBC) などの現地報道機関はリリース日(10月3日)に『ブロックチェーンテクノロジーを活用した新しい身分証明に成功した』と揃って報道しました。プロトタイプ(試作原型)はシンガポール国務通信省の援助のもとで運営する、情報通信メディア開発庁(IMDA)の提携により実現されました。これにより、シンガポールは長期的なゴールである『国務省基準のブロックチェーン構造の構築』に一歩近づいたことになります。
IMDAのCEOであるタン・キアット・ハウ氏は、とBusiness Times誌の取材で以下のように述べました。
今回の試験への意欲はスマート国家のためのデジタルエコノミーを達成するためにはとても大事な一歩となります。金融機関が顧客により良い経験をしてもらうために、画期的なフィンテックを開発し効率化を狙うのは素晴らしいことです。
KYCソリューションは金融機関メンバー内の顧客データ共有に集中します。大手金融機関であるEquifax及びDeloitte社がデータセキュリティの緩和を目指しているため、KYCソリューションのタイミングは完璧です。
また、OCBC e-business代表プラナブ・セス氏は述べています。
我々のKYCプロセスに費やした努力は顧客の利便性だけでなく犯罪や詐欺を低減させ、さらに産業を効率化させます。
First Blockchain KYC Prototype Hits Singapore Banking Sphere
Oct 3, 2017 by William Suberg
参考記事はこちらから
CoinPostの考察
世界での銀行によるブロックチェーン利用が加速しています。ケンブリッジセンターの代替ファイナンスの調べによると2019年までに20%の中央銀行はブロックチェーン技術を採用し、10年以内に40%がブロックチェーン技術を組み込んだアプリケーションを採用する兆候にあると言います。
日本の銀行では特に三菱UFJ銀行が積極的にブロックチェーン技術の採用に積極的で、Utility Settlement Coinプロジェクトに参加しています。今後も銀行のブロックチェーン参入には注目です。