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米SEC、仮想通貨トークンの不正有価証券販売の訴訟に新たな展開|米地裁がBlockvest社に差止命令を発令

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

SEC、対Blockvest社の新証拠提出
米連邦裁判所は米時間14日、米国証券取引委員会(SEC)が不正有価証券販売の主張で訴訟中の仮想通貨企業Blockvest社に対する新たな証拠を認可し、業務の差止命令を発動させた。

米SECのBlockvest社に対する訴訟が再開

米時間14日、連邦地裁は、米国証券取引委員会(SEC)が仮想通貨企業Blockvest社との訴訟における新たな証拠を提出したことで、差止命令申請が却下となった昨年末の判決を覆した。

11月27日の却下は、SEO側が「投資家が利益を見込んで、Blockvest社に資金を投じた」事実を証明できなかったのが要因だった。

しかし今回、Gonzalo Curiel裁判官は、SEOによって提示された新たな証拠に基づく、将来の証券法違反の危険性を指摘し、Blockvest社とその創設者であるReginald Buddy Ringgold III氏に対する差止命令を正式に出した

第一審の差止命令申請却下

米仮想通貨ウォレットBlockchainの社長兼「米国デラウェア州公認の国際通貨基金(IMF)の法律顧問を務めるMarco Santori氏は今回の裁判官の判断について、下記のように詳しく解説している。

まず、今回、連邦裁判所が過去の判決を再検討することは非常に稀であるとしている。

SECは第一審で、Blockvest社がセキュリティ・トークンの発行と、有価証券の形式で利益配分をしている事実の両方を証明する必要はないと主張したが、裁判所はそれを認めなかった。

そのため、SECはトークンとは別の利益配分があったという議論をするために、第一審でBlockvest社の記名がある実際の小切手を証拠として提示したが、裁判所はこれを不十分とした。実際「お金の投資」があったという明白ではなかったからだ。

SECとBlockvest社の訴訟に関する詳細記事はこちら

https://coinpost.jp/?p=58194 &from=in_article

新証拠の提示

前回の却下を受け14日にて、SECは裁判所が実際には投資のオファーがBlockvest社によって行われていた事実を見逃しているとして、新たな証拠を提示した。

それは、Blockvest社ウェブサイト上の”BUY NOW”「今すぐ購入」ボタン機能であるとSECは指摘している。

裁判所はこれに対し、類似の企業が投資家の資金を調達し、利益を再分配する制度を採用したウェブサイトを運営した前例があると補足した。

更にSECは、同ウェブによれば投資家がトークンから「受動的収入」を得ている可能性を指摘した。これを受けて、裁判所は投資家からの最終的な「利益の予想」には十分であると判断した。

また、裁判所は、今回の判断について、被告らBlockvest社の過去の証券取引違反と、将来の違反の合理的な可能性があるという結論を支持する新たな証拠を、証明書類に基づいて再考する必要があったからだと、その正当性を強調した。

Curiel裁判官は、

被告らは連邦規則に基づき、弁護人が証明できなかった特定の書類を提出するようにBlockvest社に要求した。しかし、この新しい証拠により、Blockvest社の弁護人が訴訟中に判事と会社の代理人を辞任した。

という事実を明かし、

実際には、Blockvest社弁護人が書類の提出を拒否した時、被告らは弁護人の許可または署名なしに書類を裁判所に提出しようとし、その書類は裁判所書記官によって拒絶されている。

と、Blockvest社側の混乱についても言及した。そして14日、Blockvest社とその創設者Ringgold氏に対する差止命令を正式に出すに至った。

同裁判官は前回、BLVトークンが本当に有価証券であるかどうかについては言及しなかったものの、証券売買が行われた事実を証明する証拠が不十分であるという考えであった。

なお、地裁はSECに対し、BLVトークンが有価証券に該当すること、トークンの販売が有価証券の販売に当たることを証明できる単独の証拠を提示するように要求している。

その点で今回の訴訟の再開は、司法機関による、仮想通貨・トークンを有価証券として正式に見なす可能性のある重要な判例となるかもしれないため、今後、判決結果に注目したい。

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