新生リブラ
フェイスブックが主導する仮想通貨リブラプロジェクトが、トークンモデルを大きく変更する計画を公式で発表した。
リブラの裏付け法定通貨に関する内容を大幅に改変した今回のホワイトペーパー、主な変更点は2つだ。
1つ目が単一通貨に基づく新たなリブラモデルに移行する点。2つ目が、より厳格に規制に準拠する点となる。
リブラの発行モデルについては、これまで目指していた『バスケット型リブラ』から、個別法定通貨に裏付けられる『単一型リブラ』のモデルに変更する。
具体的には、米ドルを代表する『リブラUSD』、ユーロを代表する『リブラEUR』、イギリスポンドを代表する『リブラGBP』、シンガポールドルを代表する『リブラSGD』といった形で発行する。
また、より様々な規制当局がリブラ協会がパーミッションレスのネットワークを構築することについて、コンプライアンスを確保することができないと懸念していることを受け、本来の設計を規制に準拠する形で見直すという。
よりオープンかつ透明性の高いネットワークを目指すと、幹部のDavid Marcusは説明した。
なお、バスケット型リブラ(≋LBR)の計画が破棄されたわけではないようだ。ホワイトペーパーによると、将来的にはバスケット型のリブラも発行を計画しており、単一型リブラをまとめる形でバスケット型リブラの組成を行うという。
≋LBR自体は個別のものではなく、リブラネットワーク上で発行される単一リブラで複合した集合体になる
スイス決済ライセンス申請
新たなリブラモデルのローンチ時期は明かされていないが、実運用に向けて政府や規制のプロセスは加速させている。リブラ協会は、本拠地スイスの金融庁(FINMA)に決済システムのライセンス申請に向けて動いているという。
協会は、FINMAのライセンス申請プロセスで、各国の中央銀行や規制機関の懸念・意見を反映させたいと話した。FINMAのライセンスがあるからといって、スイス以外の国にも適用するわけではないが、金融規制が非常に厳しいスイスでも承認されれば、将来グローバルで運用できる公算も高まると読んでいるのだろう。
リブラのホワイトペーパーが発表されてから一年も立っていないが、これまで米国やフランスをはじめ多くの国の政府、中央銀行からその正当性を疑問視されたことなど規制の問題を受け、VisaやMastercard、PayPalなど多くの加盟予定企業はリブラ協会を離脱している。
参考:リブラ新ホワイトペーパー