米大統領選の株価への影響
米商業銀行Galaxy Digital社のCEOで著名投資家のマイケル・ノボグラッツが、次期米大統領選挙が株式市場に与える影響について語った。
同氏は、トランプ大統領の続投ではなく、ジョー・バイデン候補が次期大統領に選ばれることを望み、選挙に勝つのもバイデンであると予想。
米国第一主義のトランプ大統領からの政策転換の影響で相場の不確実性が高まることから、短期的には株式市場に混乱をもたらすかもしれないが、長期的には恩恵をもたらすとの見解を示した。
バイデンは、資産売却益の引き上げを経済政策の1つに掲げているため、投資家は税が上がる前に売却しようと考える。それによって株価も一時的に下落するというのがノボグラッツの主張だ。
トランプ政権が35%から21%まで下げた法人税率を、28%に引き上げる政策も株価の押し下げ要因に挙げたほか、富裕層を対象にした税率引き上げも、市場にとってマイナスに働く可能性があると語った。
それでも、バイデン大統領が誕生した場合を楽観視する理由は、トランプ大統領のような破天荒な言動や行動から、市場に混乱を招く言動をしないことを評価している。直近でトランプ大統領の言動が株価に大きな影響を与えていない理由は、新型コロナウイルス感染拡大に対する過去最大級の経済対策の成果であり、中央銀行が流動性を提供しているからだと語った。
トランプ大統領は、自身の任期の間に株価が上昇したとアピールすることが多いが、これに対してバイデンは「恩恵を受けているのは、富裕層だけだ」と批判し、低・中所得層の支持につなげたいバイデンの政策へとつながっている。
暗号資産(仮想通貨)を支持するノボグラッツは、株価の利益配分に偏りがなくなることで、市場がより強固になるとの考えを示した。
参考資料 : CNBC