はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

「採掘した仮想通貨をイランの輸入資金に」経済特区CEOが苦肉の策

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

自動車輸入資金にマイニングで獲得した仮想通貨を使用する提案

インフレが深刻化するイランで、マイニングによって獲得した仮想通貨(暗号資産)を自動車の輸入資金に充てる提案がなされた。

地元メディアArzDigitalの報道によると、提案を行ったのは、イランの投資促進機関の一つ、キーシュ・フリーゾーン庁の最高経営責任者であるGholam Hossein Mozaffariで、輸入資金としての仮想通貨の使用に関して中央銀行と合意に達することを望んでいると述べた。

インフレに苦しむイラン

イラン統計センターが発表した最新のデータによると、7月22日から8月21日(イラン暦5月)のインフレ率は前年同月比、30.4%の上昇を記録した。同時期までの1年間の平均消費者物価指数は前年比+25.8%となっている。

通貨インフレと現在の経済状況のため、自動車輸入に対するイラン中央銀行からの出資は不可能であると告げられたと、Mozaffariは述べている。

そこで、中央銀行からの出資に頼らない代替案としてMozaffariらが提案したのが、「国の通貨に圧力をかけない」方法、つまり、フリーゾーンで採掘された仮想通貨を輸入資金として提供することだった。

キーシュ・フリーゾーン

イラン国内には、政府が認可した7つのフリーゾーンがあり、それぞれ独立した企業として設立、運営されている。

MozaffariがCEOを務めるキーシュ・フリーゾーンは、ペルシャ湾の観光拠点として有名なキーシュ島に位置している。観光産業に力を入れており、入国ビザなしで外国人観光客を受け入れ、様々な国際的なイベントや会議なども開催してきた。

イラン国内と異なり、フリーゾーンでは、投資促進の一環として外国企業に対して、銀行業務や税、輸出入規制やなどをはじめ様々な優遇措置が講じられている。

関税が非常に高く、生産国やエンジン容量などに対する制限も厳しいため、「悲しい状況」とMozaffariが言及する自動車輸入に関しても、フリーゾーンでは制限が緩和されており、関税や輸入関連費用も低く抑えられている。

キーシュ島ではすでにマイニングが行われており、その報酬である仮想通貨を自動車の購入資金に充てることを中央銀行が承認すれば、キーシュを含む三つのフリーゾーンで仮想通貨を利用した自動車輸入が可能になり、自動車問題の解決につながるとMozaffariは主張している。

この提案について話し合うため、来週にも中央銀行との会談が予定されているが、同時に民間部門に仮想通貨取引所の開設を促すと、Mozaffariは述べている。

国家戦略としての仮想通貨マイニング

安価な電力環境を強みとするイランでは、仮想通貨のマイニングは合法化されており、すでに1000を超えるマイニングファームがライセンスを取得済みだ。外国籍のマイニング企業「iMiner」が、6000台のマイニング機器を設置する「イラン最大」のマイニングファーム設立も認可されている。

今年5月には、イランのロウハニ大統領はイラン中央銀行をはじめ政府のエネルギー及び情報通信技術部門関係者に対し、マイニング産業に特化した国家戦略の策定を命じたことからも、イラン政府の力の入れ具合が伺える。

さらに、国内の発電所によるマイニングも、余剰電力の利用などの条件付きで承認されている。

米国政府による経済制裁が重くのしかかるイランでは、イラン革命防衛隊の司令官も、仮想通貨の利用促進を訴えるなど、経済制裁回避の手段として、多くの政府関係機関が仮想通貨の可能性に注目しているようだ。

出典:ArzDigital

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
22:21
ステーブルコイン「$U」がBNBチェーンとイーサリアムで始動
ユナイテッド・ステーブルズが新ステーブルコイン「U」をBNBチェーンとイーサリアムでローンチ。USDC、USDT、USD1で1対1裏付け。PancakeSwap等の主要DeFiプロトコルと初日から統合、AI経済向けにEIP-3009とx402をサポート予定。
18:27
ユニスワップ、1億UNI焼却提案の最終投票開始へ 流通量の16%
分散型取引所ユニスワップが1億UNI焼却を含む「ユニフィケーション提案」の最終投票を12月19日に開始。可決されれば手数料スイッチが起動し、UNIトークンは収益を生む資産へと転換する。
17:22
YO Labs、トークン化ゴールド「yoGOLD」の事前預入を受付開始
YO Labsがトークン化ゴールド(XAUt)で利回りを獲得できるイールドボールト「yoGOLD」を発表。金を預けて利回りを得られる。現在、事前預入を受付中。
16:43
トランプ大統領、次期FRB議長に「大幅利下げ支持」と宣言 
トランプ米大統領が次期FRB議長について「大幅な金利引き下げを支持する人物」と表明。金利1%以下を主張し、FRBの独立性を巡り議論を呼んでいる。QT終了や史上最大の税還付シーズンと相まって、仮想通貨市場への影響が注目される。
15:08
ハイパーリキッド、約1557億円相当のトークンをバーン認定へ 供給量13%削減目指す
分散型デリバティブ取引所ハイパーリキッドが約1,557億円相当のHYPEトークンをバーン認定する提案を発表。承認されれば流通供給量の13%が永久除外される。取引手数料の99%を自動買い戻しに充てるアシスタンスファンドのトークンが対象で、秘密鍵のないアドレスに保管され引き出し不可能。バリデーター投票は12月24日締切。
13:45
ソラナ、テストネットで耐量子署名を導入 量子コンピュータ対策で業界をリードか
ソラナ財団は量子コンピュータの脅威に備え、テストネットに耐量子署名を導入した。Project Elevenとの提携により実証実験に成功し、実用的な量子耐性が確認された。
13:15
仮想通貨詐欺対策強化 米上院議員、セーフクリプト法案を提出
米上院議員がビットコインなど仮想通貨関連の詐欺に対策する法案を提出した。米財務省や規制当局が連携するタスクフォース設置を目指している。
12:35
バイナンス、7つの個人・団体をブラックリスト入り
バイナンスが7つの個人・団体をブラックリスト指定。詐欺行為の通報者に最大500万ドルの報奨金。内部情報漏洩事件を受け、上場プロセスの透明性を強化。
11:55
ビットコイン一時9万ドル回復も急反落、市場の脆弱性露呈と日銀会合への警戒感が台頭
ビットコインがFRBハト派発言で9万ドルまで急騰後、88,500ドル付近に反落した。過去2日間でBTC・ETHのETFから10億ドル超の純流出を記録し、市場構造の脆弱性が露呈。日銀利上げ観測と米CPI発表を控え、短期的な下押し圧力が継続する見通し。
11:25
米SECが「仮想通貨証券」の保管規則を明確化、ブローカーディーラー向けに指針を提示
米SECが仮想通貨証券の保管に関する見解を発表しブローカーディーラーが物理的保管とみなされる条件を明確化した。分散型台帳技術の評価や秘密鍵の保護、緊急時の対応計画などが求められている。
10:53
イーロン資産が93兆円突破、トム・リー「CEO個人価値のトークン化」構想とは?
イーロン・マスク氏の資産が史上初の6000億ドル(約93兆円)を突破。スペースX急騰が背景に。一方、トム・リー氏が提唱する「CEO個人価値のトークン化」構想が注目を集めている。企業価値から経営者の影響力を分離して投資できる革新的手法とは。
10:45
ブータン、ビットコインを特別行政区「GMC」に拠出へ
ブータンの特別行政区GMCは、ブータンが国としてGMCの長期的な発展を支援するために最大1340億円相当の仮想通貨ビットコインの拠出を誓約したと発表。今後の計画について説明した。
10:30
「ビットコインは脆弱な構造の中で推移」グラスノードの最新レポート
グラスノードの最新レポートによると、仮想通貨ビットコインは需要衰退で脆弱な構造の中取引されている。今後は10万ドル回復が上昇の鍵だと分析している。
10:10
ビットコイン乱高下、日銀政策決定会合を控え警戒感高まる|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは直近24時間で約80万円の乱高下となった。米株式市場の取引開始前、FRBのウォーラー理事が今後も利下げを継続すべきとの見解を示したことを受け、リスク資産全般が買われ、一時は9万ドルを突破した。
09:45
カリフォルニア州知事がトランプ大統領の仮想通貨関連恩赦を批判、CZ氏ら含む
米カリフォルニア州のニューサム知事がトランプ大統領による仮想通貨関連の恩赦決定を批判している。バイナンス創設者CZ氏やシルクロード創設者ロス・ウルブリヒト氏、ビットメックス共同創設者らへの恩赦が対象となっている。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧