ビットコイン脱税の男性に有罪判決
暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)の取引で得た約2億円の利益を過少申告して起訴された石川県の会社役員に金沢地方裁判所は30日、有罪の判決を言い渡したことがわかった。懲役1年、執行猶予3年、そして1,800万円の罰金が判決として下された。
判決を受けたのは石川県小松市の会社役員の男性(56)。暴騰相場だった2017年から2018年にかけて行なったビットコイン取引で約2億円(1億9000万円相当)の利益を得ながら、税金申告では「利益120万」と虚偽の内容を申告していたという。
その後、金沢国税局は2020年3月、7,400万円相当の利益を脱税(過少申告)する所得税法違反の疑いで被告人を告発。仮想通貨関連での脱税事件としては初めての判例になっていた。
21年3月9日に行われた初公判では被告側は起訴内容を認めており、脱税直後に修正申告を行なったことから情状酌量を求めている。検察側は懲役1年と2,200万円を求めていた経緯がある。
金沢地裁の大村裁判官は、「莫大な利益を得ながら、納税義務を誠実に果たそうとする姿勢に欠ける」と指摘しつつ、修正申告を行なった際に「過少申告加算税」を納付した点を考慮して、懲役1年、執行猶予3年、及び1,800万円の罰金を言い渡した。
ビットコインなど仮想通貨取引で得た利益は、雑所得として確定申告する義務があるため留意しておきたい。