決済データを紙の領収書の代わりに 写真も不要
政府与党は、キャッシュレス決済による経費精算で紙の領収書を保存する必要性をなくす方針で、2020年4月からの実施を目指している。6日、日経新聞が報じた。
現在でも税務申告に必要な領収書をデータで保存することが認められているが、改ざん防止のための厳しい内規を作るなどといった重い条件が付されている。また、財務省によれば念のため紙の領収書も保存している企業が多いようだ。
新法案ではデータの書き換えが難しいクラウドサービスでのデータ管理など、より軽い条件の下で取引内容や金額、日付などの決済データそのものを領収書として扱えるようにする。紙の領収書を写真データとして保存する必要もなくなる。
改ざんを防ぐには
経費精算の電子化では従業員による不正が主な焦点となる。これまでもクラウドを利用した経費精算システム各社は不正・改ざんを防ぐための機能を提供してきた。
例えば、平成28年度の規制緩和では領収書を個人のスマートフォン等で電子化することが認められたが、領収書の使い回しを防ぐためにタイムスタンプの付与と検証を提供するサービスも登場した。
決済データを領収書として扱うための具体的な条件は現段階では不明だが、この内容が実施されれば対応したサービスも立ち上がることになるだろう。「改ざん耐性」が求められるこのような分野ではブロックチェーンへの期待も存在する。
bitFlyer Blockchain代表取締役、日本ブロックチェーン協会 代表理事の加納祐三氏は今回の報道内容について8日、自身のツイッター上で「ブロックチェーンにすれば良い」と発言を行なっている。
これもブロックチェーンにすれば良い。
— 加納裕三 (Yuzo Kano) (@YuzoKano) December 8, 2019
「改ざんを防ぐため、外部からのデータ書き換えができないクラウドサービスでデータを管理することを条件とする。」 https://t.co/VmBpKQU2zd