仮想通貨ビットコインが一時急騰
仮想通貨市場は3日、ビットコインが続騰。米ドル建てで、一時7000ドルを上抜けて高騰した。トップ10が10%高を超える全面高を記録した。
7000ドル台まで取引価格を戻したのは3月12日の急落後初めて。7,000ドルに抵抗線を迎えるアセンディングトライアングルの上限のライン抜けが意識された。
心理的節目7000ドルライン突破に伴う、ショートカバー(BitMEXで約1万BTC)が大幅上昇の支援材料となったが、ブレイク後は元のトレンドの動きに戻すことができず、再び6000ドル台に価格を戻している。
2日の金融マーケットは、米原油先物相場で、WTI5月物が急反発。一時、前日比35%高の1バレル27ドル台を記録した。
トランプ大統領がサウジアラビアとロシアが減産で近く合意、約1000万バレルの減産に動く見通しだとのトランプ米大統領のツイートに反応した。
米株式市場では、原油価格の下げ止まり期待から、エネルギー関連株が急伸。S&P500種株価指数は3営業日ぶりに上昇した。
2日に発表された週間の米新規失業保険申請件数が前週の2倍に急増し過去最多、2週間で1000万件に到達したと報じられる中で、米景気懸念は依然として継続している状況。株式相場に本格的な推進力は戻っていない。
しかしながら、避難資産とされた金や債券を含め、全市場満遍なく売られる全アセット現金化の流れは、史上大規模の金融政策の効果により、一旦過ぎ去ったとの見方もある。
原油市場の急反発も含め、投資家がリスクを取りやすくなった状況は、ビットコイン市場にも好影響と見ることができる。
また、中長期の目線でみれば、インフレ局面では、希少性の高い金やプラチナなどの「貴金属」は、値下がりしにくい資産だとされる。量的緩和に伴うインフレーションで物価が上昇すれば、相対的に現金(預貯金)の価値が目減りする懸念があることなどから、相対的に資金が流れやすい。
デジタル・ゴールドとしての性質を帯びるビットコイン市場も例外ではない。一時的に高まっていた株式市場との相関係数が弱まり、株式市場の急落局面にて無相関・逆相関が確認されるようになれば、徐々に独立した値動きも期待できるようになるのではないかと思われる。