Bitfinexに新たな裁判命令
テザー準備金の不正利用疑惑で係争中のBitfinexおよび親会社iFinexが、ニューヨークの控訴裁判所から新たな判断を受けた。昨年年末以来の半年ぶりに裁判が進展した。
ニューヨーク州の控訴裁判所は10日、Bitfinexおよびテザー(USDT)に対するNY司法当局(NYAG)の管轄権を認める判断を下した。NYAGは、裁判所の判断の下でUSDTの捜査を再開できるようになる。
NYAGは2019年4月、iFinexが8.8億ドルの顧客資産を消失をカバーするためにテザー(USDT)の準備金を不正に利用したとして調査。後に裁判へと発展している。
同年10月の第一審で、裁判所はBitfinexらが財務書類をNYAGに提出する必要がないと判断していたが、NYAGは控訴裁判所に上訴していた。
管轄権を認める
iFinexはこれまでの裁判で、NYAGに捜査権を含む管轄権がないと一貫した主張を行なっていたが、裁判所は今回の判断でその主張を退けた。
控訴裁判所は今回の判断で、USDTはコモディティにも有価証券にも該当しないという主張を認めず、ステーブルコインは裁判所の審理範囲に当てはまるとした。
NYAGのLetitia James司法長官は控訴裁判所の判断を受け、「仮想通貨(バーチャルカレンシーズ)さえ法を超越することはできない」とコメントした。
一方、Bitfinexの代表弁護士Stuart Hoegnerは判断を受け、「裁判所の判断を尊重する」、と話している。
今後の捜査に関しては不明確な点も多いが、USDTは仮想通貨市場の時価総額で3位に位置しており、捜査報告は市場の警戒要因になる。発行や取引所での取り扱いにも影響する可能性には留意したい。