トランプ前大統領がビットコインに言及
米国のトランプ前大統領は7日、ビットコイン(BTC)は詐欺のようであるとの見解を示した。
ビットコインの価格は以前、6,000ドル(約65万円)よりもはるかに安い時期があったと述べ、4月に6万ドル(約650万)を超えて史上最高値を更新したビットコインを「米ドルと競合する通貨のようで好きになれない」と主張。ビットコインは米ドルやその重要性に影響を与える存在で、厳しく規制されるべきだと語った。以前と同様に、米ドルが世界の通貨であるべきだと主張し、ビットコインに否定的な見方を示している。
トランプ氏はFox Businessのインタビューに電話で応じた際、最後にインタビュアーからビットコインに対する見解を聞かれ、投資をしないのか問われた。上記の内容は、その時の発言だ。
暗号資産(仮想通貨)に対してトランプ氏は、大統領就任時から否定的な見方を示している。2019年には、ビットコインを初めとする仮想通貨とフェイスブックが開発を主導するステーブルコイン「ディエム(旧リブラ)」にツイッターで言及。規制面の問題や違法行為を助長する可能性に懸念を示し、その時も米ドルだけが本物の通貨だと主張していた。
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今回のインタビューでは詐欺のようであると考える理由を詳しく語っていない模様だが、2019年のツイートでは、仮想通貨について「お金ではなく価格が不安定な上、資産価値の裏付けもないに等しい」と主張。「規制の整っていない仮想通貨は、麻薬取引や非合法取引など、反社会的活動を助長する可能性がある」とも指摘していた。
米国の仮想通貨規制
現在米国は、バイデン大統領へと代わって新たな政権が誕生し、仮想通貨の規制整備に着手している。
先月下旬には、バイデン政権が複数回会議を開き、仮想通貨規制の問題点について議論していることが分かった。違法行為やテロ資金供与に仮想通貨が利用されていないか、一般的な個人投資家を保護するルールが必要かどうか等について、調査を行なっているという。
また今月には、ランサムウェア攻撃対策の一環として、犯罪に関与した取引を追跡するために、仮想通貨に対する分析や調査を強化する意向であることが明らかになっている。後に、身代金の大半は回収に成功している。(8日)
石油パイプラインを運営するコロニアル・パイプライン社や大手食肉加工企業JBSでランサムウェア攻撃の被害が続いていることを受け、身代金の支払いに利用される傾向が高まる仮想通貨も注視する姿勢を示した。
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