はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨VC大手Paradigm、AI含むフロンティア技術へ投資領域を拡大

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Paradigmの投資領域

暗号資産(仮想通貨)に焦点を当てたベンチャーキャピタルのParadigmが、AI(人工知能)を含むいわゆる「フロンティア技術」に投資領域を広げている。その一方で、同社ウェブサイトのトップページからは、仮想通貨やWeb3(分散型ウェブ)に関する記述が削除された。

Paradigmは、仮想通貨市場で強大な影響力を持つ投資企業として知られる。海外の仮想通貨専門メディアThe Blockの25日付の報道によれば、同社は引き続き仮想通貨とWeb3に関心を持ち続けており、ウェブサイトの変更はフロンティア技術への焦点を強調するためのものだと説明している。

フロンティア技術とは

開発途上にあり、可能性を秘めた技術全般を指す。例えば、AI(人工知能)、量子コンピュータ、ロボット工学、ナノ・マイクロ、バイオ、宇宙探査などが含まれる。

▶️仮想通貨用語集

インターネットアーカイブによると、5月3日以前にはParadigmのウェブサイトに「革新的な暗号/Web3企業やプロトコル」への投資を掲げていた。しかし現在では「研究主導型のテクノロジー投資会社」と紹介されている。さらに、「私たちは仮想通貨が次の数十年を定義すると信じている」という一文も削除されている。

出典:Paradigm

Paradigmは、Coinbaseの共同創設者であるFred Ehrsam氏と元SequoiaパートナーのMatt Huang氏によって2018年に立ち上げられた。21年11月には、当時としては史上最大となる仮想通貨専門のベンチャーファンドとして3,500億円(25億ドル)を調達した。同社のウェブサイトには、現在も多数の仮想通貨関連ポートフォリオが紹介されており、分散型取引所Uniswap、NFTマーケットプレイスOpenSea、レイヤー2技術会社Starkwareなど、著名な企業も含まれている。

関連:ParadigmやFTXベンチャーズ、元アマゾンベテランのDeFiプロジェクトに20億円出資

投資市場の変遷

2022年に仮想通貨市場が弱気相場を迎え、仮想通貨企業が次々と破綻、さらに米国内で規制の不確実性が高まる中で、Paradigmは新たな技術領域への展開を進めている。22年11月に元大手仮想通貨取引所FTXが破産申請を行った際、Paradigmは同社への投資額2億9000万ドルを全額償却し、評価額をゼロに下げた。これは、同社からの将来の収益や価値の見込みを事実上放棄したことを意味する。

22年11月にリリースされ、爆発的に普及したOpenAIの言語モデルChatGPTの影響で、AIへの関心が急増している。だが、CB Insightsのデータによれば、2023年第1四半期には5つの新たなAIユニコーン企業が誕生したものの、これは前四半期と同数で、全体のAI関連の資金調達額は減少傾向にある。それでも、シリコンバレーでは投資機会の回復を見越している様子だ。

出典:CBINSIGHTS

現在、業界内ではAIとブロックチェーン技術をどのように統合できるかについての議論が活発化している。AI駆動のボットがウォレットアドレスと連携して、ステーブルコインのUSDCを使用した取引が行われている動きも見られる。

「データの連携、スマートコントラクトの自動生成と実行、さらにAI間の価値交換が可能だからこそ、AIとブロックチェーンは非常に相性が良い」と、USDCの発行会社サークルの共同創設者兼CEOのJeremy Allaire氏は主張する。

一方で、仮想通貨投資会社BitwiseのCEO、Hunter Horsley氏は、スプーフィングやディープフェイク、作品の複製、制作者や対象の確認といった生成型AIの問題に対する解決策として、公開鍵/秘密鍵の暗号化やゼロ知識証明といった、ブロックチェーンの構成要素が重要な役割を果たすと指摘。

さらに、自律型のAIエージェントがエスクローなどのDeFiの要素を利用する可能性があるとして、仮想通貨の次の上昇相場にとってAIが重要なトリガーとなるかもしれないと見解を示した。

関連:ソラナ、ChatGPTをブロックチェーンに導入 AIの活用を推進

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
14:00
ステーブルコインの未来はオムニチェーン アジアの金融革命を加速させる相互運用性の必然|Four Pillars
ステーブルコインの総供給量は2025年2月に2250億ドルに到達し、前年比63%の急成長を遂げる中、相互運用性が次なる進化の鍵となっている。LayerZeroのOFT標準を採用したTether、PayPal、Ondoなどの先進事例を参考に、アジア市場は単なる発行にとどまらない相互運用性戦略の構築が不可欠な段階に。
13:51
デロイト「トークン化不動産市場は10年後までに4兆ドル規模に急成長し得る」
デロイトの最新レポートによると、ブロックチェーン技術を活用したトークン化不動産市場は年平均27%で成長し、2035年には575兆円規模に達する見込みだ。私募ファンド、証券化ローン、不動産開発の3領域での展開事例を紹介している。
13:40
コインチェック、X不正ログインによりサービス全停止の緊急対応
暗号資産取引所コインチェックが公式Xアカウントへの不正アクセスを受け、フィッシング被害防止のため全サービスを一時停止。再開時期は未定で、顧客に不審URLのクリック回避を呼びかけている。
12:10
米ProShares、XRP先物ETF3種を上場へ レバレッジ型とインバース型を提供
米ProSharesが新たに仮想通貨XRPの先物ETF3銘柄を上場予定だ。2倍レバレッジ型、ショート型などを提供する。現物ETF承認への期待も高まる中、市場への影響が注目される。
11:50
ビットコイン93000ドル台で高止まり、チャイナマネーなど相場転換の主要因は?
週明けのビットコイン市場は9万3000ドル台で高値維持。世界の流動性増加、金と仮想通貨の相関性、米中貿易戦争に伴う中国マネーのシフトがアルトコイン弱気相場からの転換要因に。専門家は市場の「デジタルゴールド」としての性質に注目される。
04/27 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、米CMEのXRP先物提供やSOLの企業購入事例など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナなど主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコイン10万ドルも視野、貿易摩擦懸念緩和が支援材料に|bitbankアナリスト寄稿
bitbankアナリスト長谷川氏によるビットコイン週次レポート。ドル安進行と米中関係改善期待を背景にビットコインは200日線を突破し三役好天を形成した。今後の重要経済指標と共に注目される節目の10万ドル到達の可能性を解説。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|金の最高値とBTC上昇の関係に高い関心
今週は、金の最高値更新と仮想通貨ビットコインの価格上昇の関係分析、ビットコイン価格とM2マネーサプライの相関関係、42,000BTC保有予定の21キャピタル設立に関するニュースが最も関心を集めた。
10:00
Sui(スイ)ブロックチェーンのDEX「Cetus AMM」の使い方、ウォレット準備から取引まで
Suiブロックチェーン上の主要DEX「Cetus AMM」の使い方を解説。OKJでのSUI購入からウォレット設定、Walrus(WAL)を想定した、トークンスワップの使い方まで初心者にもわかりやすく紹介します。
04/26 土曜日
13:20
米ナスダック、SECの仮想通貨規制緩和を歓迎も有価証券分類の明確化求める
米ナスダックがSECに対し、仮想通貨が「実質的に株式」である場合は同等の規制を適用すべきとのコメントレターを提出した。
11:40
世界初のXRP現物ETF、ブラジルで先行取引開始 米国承認前に実現
ブラジル証券取引所B3で世界初のXRP現物ETF「XRPH11」の取引が4月25日に開始。Hashdexが運用する本ファンドはナスダックのXRP指数に連動する。
11:25
スイス中銀総裁がビットコイン準備金提案に反対表明、国民投票イニシアチブの行方は
スイス国立銀行総裁が、ビットコインは準備金として不適合だとの見解を示した。一方で国民投票を目指す「ビットコイン・イニシアチブ」は署名活動を継続中だ。
11:15
オソフ上院議員が批判 トランプ大統領のミームコイン晩餐会は「弾劾されるべき違反」
ジョージア州代表のオソフ上院議員がトランプ大統領のTRUMPコイン保有者向け晩餐会を「弾劾に値する犯罪」と批判。上位220名の保有者を招待する計画に対し、民主党議員からは利益相反の懸念が高まり、SECへの調査要請も行われている。
10:45
「1000万BTC保有でも問題なし」─アモウズ氏、ストラテジー社のビットコイン寡占懸念を一蹴
サイフェディアン・アモウズ氏が、企業によるビットコイン寡占リスクについて見解を示した。トランプ関税政策を批判し、ビットコインによる米国債務問題の解決策についても言及している。
10:15
世界経済の不確実性はビットコインにとって追い風=ブラックロック幹部
ブラックロックの幹部が世界経済の不確実性がビットコインの価値上昇につながると指摘。フィンクCEOは先月、米国の債務管理失敗によりドルの準備通貨地位がビットコインに奪われる可能性を警告。市場の地政学的分断が進む中、低相関資産としてのビットコインの役割が注目される。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧