
サイバー戦続くか
イスラエル当局が24日、イラン諜報機関のために諜報活動を行った疑いで3人を逮捕したと発表した。容疑者らは監視、プロパガンダ、情報収集任務を実行し、仮想通貨による報酬を受け取っていたとされる。仮想通貨分析企業TRMラボが今週報告した。
28歳のドミトリ・コーエン容疑者はベンヤミン・ネタニヤフ首相の息子の婚約者を追跡・撮影した疑いが持たれている。コーエン容疑者は完了した任務ごとに約500ドル相当の仮想通貨を受け取り、イランの担当者と暗号化された通信手段で連絡を取っていた。
27歳のテルアビブ住民は軍事施設や政府関係者の自宅を撮影し、親イラン落書きを市内に描いた疑いで拘束された。19歳のシャロン地域住民はオンラインで勧誘され、イラン工作員に機密情報を渡していたとされる。

逮捕は6月18日のイラン最大仮想通貨取引所ノビテックスへのサイバー攻撃直後に行われた。この攻撃では9,000万ドル以上の仮想通貨が流出し、親イスラエルハッカー集団「ゴンジェシュケ・ダランデ」が犯行声明を出している。
TRMラボは、6月13日のイスラエル攻撃、18日のノビテックス侵害、24日の逮捕発表の時系列から、イスラエルのサイバー部隊がノビテックスの内部データを諜報活動に活用した可能性を指摘した。ウォレットデータやメッセージ履歴が工作員特定に利用された可能性があるという。
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