
BTC時価総額の倍増可能性
ヘッジファンドマネージャーで億万長者のフィリップ・ラフォン氏は、今後5年間の最高の投資機会になり得る銘柄のリスト「ファンタスティック40」の一つに暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)を挙げた。CNBCが25日に放送したインタビューでの発言だ。
ビットコインは新たな資産として興味深いものであり、現在の時価総額は2兆ドル(約290兆円)だが4兆~5兆ドル(約580~720兆円)になる可能性があると考えられると述べている。
背景については、ビットコインの時価総額2兆ドルは世界の純資産の約0.5%であり、これが長期的に2倍になる可能性はあると意見した。また、世界の脱ドル化やアメリカ例外主義の終焉なども挙げている。
アメリカ例外主義とは
アメリカは自由と民主主義の模範国家で、他国とは異なる使命・制度・価値観があり、国際秩序をリードすべき存在であるとする考え方。
ラフォン氏は、ビットコインを現在も所持しておらずそのことを後悔していると話した。
これまでもビットコインは素晴らしいと思っていたが、ナスダックの2倍、3倍のボラティリティであったためBTCに関わるのを躊躇していたという。しかし、最近ではトランプ関税の問題があった際にも、ビットコインはナスダックと同程度しか下落しなかったと指摘した。
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ラフォン氏が取り扱っていいと考える程度に、ビットコインの資産クラスとしてのボラティリティ(価格変動の大きさ)は下がっているとの考えを示した格好だ。
ビットコインの他の発言としては、マイクロソフトはナスダック100に残るだろうと意見した。マイクロソフトは時価総額3兆ドル(約430兆円)規模の企業だが、2030年までの5年で倍になり、5兆~6兆ドル(720兆~870兆円)になる可能性があると話している。
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アナリストのビットコイン価格予測
ビットコインのボラティリティ低下傾向については、仮想通貨アナリストのスコット・メルカー氏も5月に指摘していた。
ビットコインは「かつてはS&P500指数の約3倍のボラティリティだったが、今では2倍以下」になったと述べている。
年金基金と上場投資信託(ETF)発行体の関与増加によるものであり、長期投資家が短期投機筋に取って代わることで、より安定した市場環境が生まれていると説明した。
メルカー氏は、ビットコインは2025年末までに25万ドル(約3,600万円)まで急騰する可能性があるとの強気見解を示している。
仮想通貨分析企業Cryptoquantの登録アナリストも18日、現在のサイクル3年目の典型的なペースを維持すれば、2025年末までにビットコイン価格は20万ドル(約2,900万円)に達し、今サイクルの頂点となる可能性があると分析した。
一方、著名アナリストのウィリー・ウー氏は、独自のリスクモデル分析により「ビットコインは強気相場の後期段階に入った」と述べる。上昇余地はあるものの、流動性が反転すると、ビットコインには次の弱気相場が訪れるだろうとコメントした。
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