
GENIUS法やCLARITY法で監督体制明確化に
米トランプ政権でAI・仮想通貨特命官を務めるデビッド・サックス氏は26日、7月に仮想通貨規制の重要な突破口が開かれる可能性があると示唆した。同氏によると、GENIUS法とCLARITY法という2つの重要法案が前進しており、新政権下で最も強い勢いを示している。
GENIUS法は間もなく下院で可決されトランプ大統領によって署名される見込みで、米ドルなど実世界の資産に連動するステーブルコインの全国統一規制を創設する。これにより米国企業のステーブルコイン発行が容易かつ安全になり、国内イノベーションを促進しつつ外国金融技術への依存を削減する。
同時にCLARITY法は上院に送られ、仮想通貨監督役割をSECとCFTCに分割し長年業界に欠けていた仮想通貨資産の種類別定義を明確化する。この不明確さが大手金融機関の参入を阻んでいたが、法案成立により数兆ドル規模の潜在投資が解放される可能性があるという。
CLARITY法案(いわゆる仮想通貨市場構造法案)は米証券取引委員会(SEC)と商品先物取引委員会(CFTC)の規制権限を明確に分担し、仮想通貨業界に包括的な規制枠組みを提供する。デジタル資産企業には顧客への情報開示義務と顧客資金の分別管理が求められる。また、非管理型仮想通貨プラットフォームと開発者が送金事業者や無免許送金サービス事業者として扱われないことも明確化されており、DeFi開発者の法的リスクが軽減される見通しだ。
サックス氏はX投稿で上院銀行委員会のスコット委員長とルミス議員に謝意を示し、CLARITY法を8月休会前に導入し9月末までに成立させる計画を評価した。同氏は「7月はGENIUS法の大統領署名とCLARITY法の上院送付で重要な月になる」と強調し、両法案がトランプ大統領の完全な支持を得ていると述べた。
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ルミス議員は政権が7月という早期の主要仮想通貨法制定を積極支援していると楽観視を示し、先週上院を通過したステーブルコイン重点のGENIUS法をその勢いの証拠として挙げている。
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