
PoWマイナーに朗報
米国証券取引委員会(SEC)は20日、特定のプルーフ・オブ・ワーク(PoW)マイニング活動に関する見解を明確にした。これは同機関が仮想通貨業界に対してより友好的なアプローチへと移行する最新の動きとなっている。SECの企業財務部門が発表した声明によると、PoWマイニングは証券の募集および販売を伴わないとしている。
「したがって、マイニング活動の参加者は、これらのマイニング活動に関連して、証券法に基づく取引を委員会に登録する必要はなく、また証券法の登録免除のいずれかに該当する必要もないというのが当部門の見解である」とSECは述べている。この判断には「ハウイテスト」が適用された。これは1946年の米国最高裁判所の判例で、資産が投資契約に該当し、したがって証券となるかどうかを判断するためにSECが頻繁に引用するものである。
SECは声明の中で「マイナーの自己(またはソロ)マイニングは、他者の企業家的または管理的努力から得られる利益の合理的な期待をもって行われるものではない」と説明。「むしろ、マイナーは自らの計算資源を提供し、それによってネットワークを保護し、ソフトウェアプロトコルに従ってネットワークから発行される報酬を獲得できるようにしている」としている。SECはまた、処理能力を結合して報酬を共有するためにプールに参加するマイニングプールについても言及し、マイニング自体と同様に、マイニングプールには利益の期待がないと述べている。
プルーフ・オブ・ワークは、マイナーが暗号パズルを解くために計算努力を費やすことを要求するコンセンサスメカニズムの一種である。成功したマイナーには一定量の仮想通貨が報酬として与えられる。市場時価総額で最大の銘柄であるビットコインはプルーフ・オブ・ワークを使用している。
このSECの声明は、トランプ政権下で暗号資産業界に対する規制環境が緩和されつつあることを示す最新の事例である。1月の大統領就任以来、トランプ氏は仮想通貨に友好的な指導者を重要機関のトップに起用し、規制の明確化を進めている。今回の声明により、PoWマイニングに従事する企業や個人は、証券法に基づく登録義務から解放され、法的不確実性が大幅に減少することになる。