はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

米SEC、NFT関連企業「Stoner Cats 2」を提訴 証券法違反で和解へ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

NFTの有価証券性

米証券取引委員会(SEC)は13日、有価証券に該当するNFT(非代替性トークン)を未登録で販売したとしてStoner Cats 2 LLC(以下、SC2)を提訴したことを発表した。

同社が販売したNFTの名称は「Stoner Cats NFT」。SC2はSECの主張を認めることも否定することもせずに、すでに和解に応じている。

SECによると、同社は2021年7月、800ドル(現レートで約11.7万円)の単価で1万個以上のNFTを投資家に販売。この販売は35分でNFTが売り切れたという。Stoner Cats NFTは、「Stoner Cats」というアニメへのアクセス権として機能していた。

SECが主に問題視しているのが、同社が投資家に対して利益を期待させていたこと。SC2のチームにはハリウッドのプロデューサーとしての専門知識があり、評価の高いアニメ映画に携わったアニメイターらが所属しているとも宣伝していた。

ほかにも、暗号資産(仮想通貨)領域でも特にNFTに関する深い知識を持っているメンバーがいるとも説明。こういった宣伝を行い、SC2の努力しだいで二次市場でNFTを高く売ることができる可能性があると投資家に期待させたとSECは主張している。

同社のこういった取り組みが、ハウィーテストの対象になるとSECは指摘。対象のNFTの販売は投資契約に該当し、Stoner Cats NFTは有価証券に相当するため、証券法の要件を事前に満たすべきであったとした。

ハウィーテストとは

米国で行われる特定の取引が、投資契約による有価証券取引に該当するかどうかを判定するテスト。SECのW. J. ハウィー社に対する訴訟事件(1946年)に由来する。

法的拘束力はないが、SECはハウィーテストをもとに仮想通貨の銘柄やサービスに対して訴訟を起こしている。具体的には「資金を集めているか」「共同事業であるか」「収益を期待しているか」「収益が他者の努力によるか」を判定するテスト。なお、仮想通貨という新しい資産に、ハウィーテストは適さないという声もある。

▶️仮想通貨用語集

SECの執行部門のディレクターであるGurbir S. Grewal氏は、以下のようにコメントしている。

募集・販売したのがアニメのNFTでも、投資契約に相当するかの判断は経済的実態に基づいて行われる。提供者がどのように説明しているかも関係ない。

SC2は35分でNFTの全供給分を売って、800万ドル(同11.7億円)超の利益を得ていた。

同社は停止命令に従い、100万ドル(約1.4億円)の罰金を支払うことにも同意。また、SECは公正基金からNFT購入者に返金も行うとした。

関連Twitter投稿が3億円の価値に|大企業も注目する「NFT」の仕組みと可能性

SEC内の反対意見

今回の提訴を受け、「クリプトママ」の愛称で知られるHester Peirce氏と、Mark T. Uyeda氏の2名のコミッショナーが、SECのウェブサイトで反対意見を表明している。

NFTの制作者やアーティストが証券法の対象から完全に除外されるわけではないとした上で、今回のSECの判断には、意味のある制限の原則が欠けていると指摘。このままでは、物理的な収集品の制作者を含む全てのクリエイターに影響を与えることになり、法律にあいまいな点が残されていると主張した。

そして、以下のように述べている。

NFTプロジェクトに対して恣意的な執行を行うより先に我々は、明確なガイドラインを作成すべきだ。

NFTを創作やコミュニティ構築に活用しようとするアーティストやクリエイターのために、はっきりしたルールを作る必要がある。

両氏は、SECが先月にNFTの有価証券性を巡ってメディア・エンターテイメント企業Impact Theoryを提訴した際も、反対意見を述べていた。

関連米SEC、Impact Theoryを提訴 NFTを未登録証券として

二次市場での販売

NFT電子市場大手OpenSeaでは、本記事執筆時点でもStoner Cats NFTを購入することが可能。OpenSeaでの出来高は、イーサリアム(ETH)で7,910ETH(18億円相当)である。

SECは今回「二次市場の販売では、2.5%のロイヤルティがSC2に支払われるように設定されていた」と主張。OpenSeaには同様の記載がある。

アニメのメインキャストには、Chris Rock氏やJane Fonda氏といった著名な役者らに加え、イーサリアム共同創設者Vitalik Buterin氏の名前もクレジットされていた。

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
05/09 金曜日
13:50
トランプ大統領、XRP準備金投稿にロビイスト関与で激怒 リップル社との深い繋がりが明らかに
トランプ大統領による戦略的準備金にXRPを含むとする投稿の裏に、リップル社を顧客に持つロビイストの存在が判明した。トランプ氏は激怒し、このロビイストをホワイトハウスから締め出した。
13:25
ソニー・バンダイナムコ・Gaudiy、100億円調達で日本IPの海外展開加速
ソニー、バンダイナムコHD、Gaudiyが戦略的パートナーシップを締結し100億円の資金調達を実施。CrunchyrollとMyAnimeListの連携などでグローバル展開を強化、次世代クリエイター育成やブロックチェーン・AI活用も推進。
13:01
G7、北朝鮮の仮想通貨ハッキングを議題に検討か
G7サミットで北朝鮮によるサイバー攻撃対策が議題になる可能性がある。2024年の仮想通貨ハッキング被害は13億ドル超となり、IT労働者を装った企業への侵入も報告されている。
11:46
ビットコイン大台の10万ドル奪還、低迷していたイーサリアム高騰の背景は?
ビットコインは3ヶ月ぶりに10万ドルの大台を回復し、イーサリアムが高騰した。背景には複数の好材料が挙げられる。ビットコインETFへの資金流入も加速し、直近2週間で約6200億円が流入した。機関投資家の動きも活発化する中、アルトコイン市場への波及効果も期待される。
11:15
仮想通貨時価総額、34兆円急増
仮想通貨市場の時価総額が一日で34兆円増加。イーサリアムは「ペクトラ」アップグレード実装で20%高騰、ドージコインとエイダも12%超え。米国の仮想通貨法案可決と米英貿易協定が追い風に。
10:50
まずはソラナ上で株取引サービスを開始へ Superstateが発表
RWAトークン化企業Superstateは、株を発行できるプラットフォームOpening Bellを発表。まずは仮想通貨ソラナのブロックチェーンに対応し、その後はイーサリアムに拡大する。
10:25
コインベース1~3月期決算報告 収益は事前予想下回る
米仮想通貨取引所コインベースの2025年1-3月期決算を発表。収益は予想を下回る20億ドルとなった。一方、ステーブルコインUSDCは好調であり、デリビット買収で成長戦略を加速している。
09:20
ビットコイン10万ドル復帰でより強気な予測に、6月までに12万ドル超の可能性
ビットコインが心理的節目の10万ドルを突破。スタンダード・チャータード銀行のアナリストは第2四半期で12万ドル超、2028年には50万ドルに達する強気予測を示す。実需資金流入とトランプ大統領の仮想通貨政策が価格上昇を後押しへ。
08:15
ビットコイン10万ドル突破 米各州で仮想通貨法案が次々と成立|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは、米ニューハンプシャー州におけるビットコイン準備金法案の成立を皮切りに、アリゾナ州、ミズーリ州と続けて仮想通貨に対して好意的な法案が次々に可決・成立したことを受け急騰した。
07:40
コインベース、デリビット買収合意 時価総額1兆ドルへ成長の可能性
仮想通貨取引所コインベースは、デリバティブ大手Deribitの買収で合意したと発表。買収金額、今後の目標、デリビットCEOのコメントなどを公表した。
07:25
米SEC、証券のトークン化促進に向け規制緩和を検討
米SECのパース委員がブロックチェーンを活用した証券の発行・取引・決済を可能にする規制免除命令を検討中と発表。企業がトークン化証券のための革新的取引システムを利用できる環境整備を目指す。
06:35
米GENIUS法案が否決、ステーブルコイン規制の先行き不透明に
米上院のステーブルコイン規制法案「GENIUS法案」が手続き投票で否決。民主党議員の支持撤回の背景にトランプ家の仮想通貨関与による利益相反懸念。他の仮想通貨法案にも影響の恐れが浮上。
06:15
ザッカーバーグのメタ社、ステーブルコイン導入で国際決済市場に再参入か=報道
メタが仮想通貨企業と連携し、インスタグラムのクリエイターへのコスト効率の高い国際決済にステーブルコインを活用する構想を模索。Libraプロジェクト廃止以来の動きとなる。
05:50
リップルとSEC、XRP訴訟で和解合意
リップル社とSECが和解合意に達し、1億2500万ドルのエスクロー資金解除を求める共同申立書を提出。最終的に5000万ドルを支払う条件で3年半続いた法的争いに終止符が打たれる見通し。
05:40
仮想通貨利益も非課税に ミズーリ州、米国初のキャピタルゲイン税廃止へ 
ミズーリ州議会が下院法案594を可決し、米国初となるキャピタルゲイン税廃止が知事の署名待ちに。成立すれば株式・仮想通貨・不動産の売却益に対する州税が撤廃され、投資家にとって大きな税制優遇となる。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧