モネロ(XMR)の概要
匿名性の高い仮想通貨である「プライバシーコイン」の代表格として知られるモネロ(Monero:XMR)は、「ワンタイムリング署名」による匿名技術と、ワンタイムパスアドレスによる高いセキュリティ性能をもつ仮想通貨だ。
取引履歴を公開し、ユーザー同士で監視しようとする一般的なブロックチェーンとは相反する思想を掲げるモネロは、取引履歴のトラッキングが極めて困難な設計のブロックチェーンとなっている。
また、承認時間が早いことでビットコインのようなスケーラビリティ問題および「51%攻撃」などの悪意ある攻撃を受けにくいというメリットもある。
特徴
一般的な仮想通貨の取引は、公開鍵さえわかれば取引履歴はブロックチェーンから容易に特定されてしまう。
モネロが採用する技術である「リング署名」は、公開鍵を複数人のグループで生成し、署名がグループ内の誰かであることを証明することを可能にするものだ。複数人による署名を行うことで、個人を特定することが難しくなるという特徴がある。
さらに、匿名性を保つミキシングと異なる点は、匿名グループを自動で編成・再編成するために取引時に混ぜ合わせる媒介を必要としない点だ。
規制
モネロはその匿名性の高さから、テロリストの資金供給経路、またはマネーロンダリングとしての利用、あるいは闇市場サイト(ダークウェブ)での決済手段として利用される懸念があることから規制が進められており、特に欧米ではその流れが強くなっている。
2020年初めに発表された欧州刑事警察機構(ユーロポール)の「インターネット犯罪脅威評価」では、モネロはZcashに次いで「ダークウェブ上での取引のため、最も定評のあるプライバシーコイン」となりつつあり、「法執行機関の捜査に障害となる可能性」が指摘された。
海外取引所では、バイナンスやHuobi、Krakenなどの主要な仮想通貨取引所に上場されている。日本でも過去にはコインチェックでの取扱いがあったものの、金融庁からの指摘を受けて2018年に上場廃止となった。