- リップル社の提携先7社:xRapidの利用体制整う
- 英ロンドンのMercury FX、米国の大手取引所Bittrex、東証一部上場企業SBIホールディングスなど、米Ripple社の提携先7社では、「xRapid」の利用体制を整えている。
リップルの躍進
リップル社はブロックチェーン技術(分散台帳技術)を基盤として銀行や企業間、顧客などの国際送金を効率的かつ安全に実行するためのシステムを提供しており、数々の企業や金融機関との提携を進め、その躍進はとどまるところを知りません。
また数日前には、9月20日から21日にかけてリップル(XRP)が急騰し、一時前日比100%を超えるなど、世間の注目を集めています。
この高騰の理由の一つに、リップル社製品の一つである「xRapid」の存在が考えられ、最近リップル社のアジア太平洋地域、中東地域の規制関係担当の代表Sagar Sarbhai氏は、CNBCのインタビューで約1ヶ月後のxRapid商業使用開始に向けギアを上げているという旨の発言をしています。
xRapidとは
米Ripple社は、ブロックチェーン技術(分散台帳技術)を基盤として、銀行や企業間、顧客などの国際送金を効率的かつ安全に実行するためのシステムを提供します。
RippleNetは、Ripple社が運営する、ブロックチェーンを基盤とした国際送金ネットワークで、Ripple社が企業と提携するとき、その企業は通常RippleNetに参加することになります。
RippleNetに接続するための手段として、Ripple社はいくつかのプロダクトを金融機関などに提供しており、主に「xCurrent、xRapid、xVia」の3プロダクトがあります。
- xCurrent:金融機関とRippleNetを接続するためのソリューション
- xRapid:XRP通貨を利用し、主に新興国市場への支払いにおける流動性コストを最小限にするためのソリューション
- xVia:一般企業とRippleNetを接続し、請求書などの豊富な送金情報を送信するためのソリューション
xRapidは、流動性コストを最小化したい送金業者やその他の金融機関のためのソリューションです。
新興市場への送金においては事前に現地通貨を用意する必要があり、流動性コストは高くなります。
xRapidでは、XRPをブリッジ通貨とすることで、流動性面での資本要件を大幅に引き下げることができます。
多くのXRP保有者にとって、最も重要な関心事が、XRP通貨が実際に利用されるかということですが、RippleNet上のプロダクトのうち、実際にXRP通貨を利用するのは(xCurrent、xViaではなく)xRapidです。
したがって、3つのプロダクトの中では、xRapidの利用が公表されることが、XRPの価格上昇に最も大きな影響を与えます。
(他のプロダクトの詳細は以前のコインポストの記事をご参照ください。)
xRapidの実績
xRapidは、第三者機関の送金を手助けするツールで、選ばれた第三者機関に送金され、その機関は通貨からXRPに変換しそれを海外に送金し、送金先の国の通貨にまた変換し、最終的に口座に送られます。
今年の5月には、メキシコからアメリカへの送金テストなど試験的運用も行われ、成功を収めています。
リップル社の発表では、このサービスにより「銀行を仲介するよりもコストを最大70%削減できる」としており、またプレスリリースによると、金融機関はこのサービスを利用することで、従来の方法を用いるよりも40〜70%送金コストを削減できるそうです。
また、従来の方法では国境を跨いでの送金は平均で2、3日かかるところを、xRapidはほんの数分で行うことができるとされています。
リップルの提携先7社:xRapid利用体制整う
リップルとのパートナーである、海外の仮想通貨取引所Bittrex、Bitso、Coins.phは、国境を超えた安い手数料での即時決済を可能にするため、xRapidを利用する予定です。
またロンドンに拠点を置くMercury FXも提携しており、試験調査を行った際は、xRapidの決済速度を「信じられないスピードだ」と評しています。
In Q1, along with other xRapid pilots customers, we have proved that #xRapid can lower liquidity costs & increase payment speed and transparency using #XRP. We are looking forward to continued successful testing and going into production.https://t.co/hlYDcFyG7o
— Mercury-fx Ltd (@mercury_fx_ltd) 2018年4月26日
他にxRapidの利用を計画している企業には、主にアメリカ、メキシコ、香港で活動をし、銀行以外の顧客に国境を超えた決済サービスを提供するCuallix社、SBIの提供する新たな仮想通貨取引所SBIバーチャル・カレンシーズ、カナダの国境を超えた決済サービスを提供するZip Remit社などが挙げられます。
上記の7社に加え、IDT corporation、MoneyGram、Cambridge Global Paymentsなど、その他複数の企業がxRapidの試験調査に乗り出すなど、xRapid導入に向けた様々な動きが見られます。
また10月1日から2日間に渡って開催されるリップル社主催の国際カンファレンス「SWELL」を控えるなど、今後のリップル社の動向には注目が集まっています。