はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

巨額ハッキング事件の行く末:Mt.Gox管財人と仮想通貨取引所クラーケンが「覚書」を交わす

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Mt.Gox管財人とクラーケンが覚書を交わす
Mt.Goxの破産管財人を務める小林信明弁護士は、クラーケンを運営するPayward社と覚書を交わした。 今後の支援に対し誠実に協議するといった内容だという。
債権者は要再申し立て、早ければ2019年初めにも補償手続き開始か
債権者は、10/22(月)までにMt.Goxの民事再生手続に合わせ、再度届け出を行う必要がある。 Mt.Goxのビットコイン売却が進み、早ければ2019年初頭にも債権者への返還が始まるという。1BTCあたり1500ドル(約17万円)の分配を見込む。

Mt.Gox管財人とクラーケンが覚書を交わす

Mt.Goxの破産管財人を務める小林信明弁護士は10/5(金)、クラーケンを運営するPayward社と覚書 を交わした。

「株式会社 MTGOX の民事再生手続における Payward, Inc.による今後の支援に関し、誠実に協議する旨の覚書を締結した。ただし、本覚書の支援に関する規定は意向の表明にすぎず法的拘束力を有しないものであり、かつ、本覚書は排他的な合意を定めるものではない。」

Payward社の支援内容は今後詳細を協議するとなっており、あまり新たなことは明らかになっていない。

民事再生手続に合わせ、債権者は再度申し立てが必要

事件当初、Mt.Goxは「破産手続」を行うと即時決定していたものの、何年も経ってから「民事再生手続」に切り替えると発表していた。

Mt.Goxの債権者は、10/22(月)までにMt.Goxの民事再生手続に合わせ、再度届け出を行う必要がある。

2015年当時、クラーケンを通して申し立てた内容が有効なのか不明瞭なため、今回再び届け出を行わない場合は権利を失う可能性があるが、事件発生から時間が経ち過ぎており、申し立てるべき内容があやふやになってしまった債権者も多いと考えられる。

Mt.Goxのカスタマーサポートはすでに機能しておらず、自身のアカウントページにログイン出来ないために情報収集できていない債権者もいるという。

補償金額と日時について

早ければ2019年初頭にも債権者への返還手続きが開始されるという。

管財人の小林弁護士により、2018年3月までに5億ドル(約560億円)分のBTCとBCHが売却され、1BTCあたり500ドル(約5万6千円)で換算した場合、Mt.Goxに申し立てられた債権の全てを補償可能な額が揃った。

管財人は更に、今年3〜6月の間にも2.5億〜3億ドル(約225〜335億円)相当のBTCとBCHを売却している。

これで、訴訟やその他の付属的な申し立てにも応えられる額が揃ったと考えられ、実質的には債権者の不安の種が取り除かれたと言える。

一連の売却結果として、Mt.Goxには14万BTCと14万BCHが残されている。

ハッキングによって盗難されたコインを100万とおいて大まかに計算すると、債権者に分配されるのは1BTCあたり500ドル(約5万6千円)に加え、0.14BTCと0.14BCHということになる。

つまり、法定通貨に換算して、1BTCあたり1500ドル(約17万円)が分配されると考えられる。

もちろん、債権を申し立てない者もいるだろうが、この数字に大きな乖離はないだろう。

債権申し立てはクラーケンを通すべきか

この分配がクラーケンを通して行われるのであれば、手続きは円滑に進むと考えられる。

少なくともクラーケンを通して債権の申し立てを行った方が、自動的に支払い手続きが行われるのではないか。

クラーケンを通すべきと主張する理由はもう一つある。

小林弁護士の事務所に再申し立て書類を送った債権者によれば、受領確認メールを貰えていないという。

事務所には、大量の再申し立て書類が未処理で積み上がっていると容易に想像でき、個人情報や機密情報を紙面で送るのは気が引ける。

クラーケンが以前の申し立てを自動で再度処理してくれれば、これより安心なこともない。

Mt.Goxのデータベースは全て漏洩しており、紙上での偽装は容易だがクラーケン相手ではそれも難しいだろう。

CoinPostの関連記事

「東京クジラ:Mt.Gox」直近3ヶ月でも259億円相当の仮想通貨を売却、合計は約700億円に
9月25日に、Mt.Goxは公式サイトにて文書を公開し、2018年3月から6月にかけて合計259億円分の仮想通貨を売却していたことを明らかにした。そして、2017年12月から2018年2月までに売却したものと合わせて合計700億円の金銭を確保したと記述している。
Mt.Gox民事再生手続開始決定でどう変わる?売り圧力が消える?
6月22日、Mt.Goxの民事再生手続開始決定が、再生管財人に選出された小林信明弁護士によって発表されました。今回の民事再生手続は破産手続とどう違うのか、仮想通貨投資家最大の関心事項である売り圧力はどうなるのかについてまとめました。
CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/03 月曜日
13:40
欧州が仮想通貨・証券の統一監督機関設立を検討 米SECモデルに
欧州委員会が仮想通貨・証券取引所を一元監督する機関を構想している。米証券取引委員会をモデルにしており、ESMAの権限拡大案も検討していると伝えられる。
13:36
FTX債権者は仮想通貨上昇分の恩恵受けられずか 債権実質回収率の試算は9%~46%
仮想通貨取引所FTXの債権者は破綻時の現金相当額で弁済されるため、債権者はビットコインなどの上昇分を受け取れないことになる。債権者代表は、実質回収率は9~46%と推算した。
10:25
仮想通貨Zcash、プライバシー取引機能をさらに強化へ 新ロードマップ公開
匿名機能を重視する仮想通貨Zcashが2025年10~12月期のロードマップを発表した。プライバシー機能を大幅強化し、スワップ毎の使い捨てアドレスなどを導入する計画だ。
09:00
Sui DEX「Momentum」、11月上旬にTGE予定 累積取引量250億ドル超でエコシステム基盤化
Sui最大のDEX「Momentum」、210万人のユーザーを獲得。投票型ガバナンスで投票者自身が報酬配分を決定し、プールの手数料を得る仕組みで流動性の安定化を目指す。
07:00
【流通額1億円突破】JPYCの買い方・使い方まとめ|何ができる?
JPYCが資金移動業ライセンスを取得し、日本初の円建てステーブルコイン「JPYC EX」を発行へ。特徴や将来性を徹底解説。
11/02 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、フランスのビットコイン戦略的備蓄法案提出やソラナETFの米上場など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
12:00
メタマスクの使い方、仮想通貨の送金や交換、便利機能を図解で簡単に
MetaMaskのインストール方法から送金手順、暗号資産(仮想通貨)取引所への送金や取引所からの出庫方法、セキュリティ対策までを初心者向けに詳しく解説。自己管理型ウォレットの基本知識を身に付けましょう。
11:30
ビットコインは売られ過ぎ水準、来週の指標次第で利下げ期待強まるか|bitbankアナリスト寄稿
ビットコインは逆三尊形成中でギリギリの水準。来週のISM統計で景気減速が確認されれば12月利下げ期待が強まり、11.6万ドルのネックライン到達も。今後の展望を解説。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|Bybitの日本人新規登録停止に高い関心
今週は、日本初のステーブルコインJPYC始動、SBIインシュアランスグループによる株主優待へのXRP導入、仮想通貨取引所Bybitによる日本人の新規登録停止に関する記事が関心を集めた。
07:30
米国アルトコインETFの審査状況一覧 ソラナやXRP・ドージなど
ビットコインやイーサリアムに続き、ソラナやリップルなど多数のアルトコインETF申請が進行中。2025年の米国規制環境で加速するETF審査状況を整理しました
11/01 土曜日
13:50
ステーブルコイン覇権争い激化 テザーが過去最高益、USDCは機関投資家採用加速
ステーブルコイン最大手テザーが2025年第3四半期報告書を公表し年初来利益が100億ドルを超えたことを明らかにした。米国債保有額は1350億ドルに達し国別ランキング17位相当。
13:20
仮想通貨市場の現状、センチメント冷え込み=CryptoQuant分析
CryptoQuantがビットコインとイーサリアムの週間市場レポートで投資家の慎重姿勢を指摘した。現物ETFや先物ベーシスなどの指標から市場のセンチメントが冷え込んでいると述べる。
10:20
イオレがSBI VCトレードと提携、ビットコイントレジャリー事業強化へ
イオレがSBI VCトレードと提携し、法人向けサービスを活用したビットコイン取引・保管・運用を開始した。Neo Crypto Bank構想の実現に向けSBIグループとの初の具体的連携となる。
09:50
チェンジHD、JPYCで地方創生へ ふるさと納税・インバウンド決済に円ステーブルコイン導入検討
チェンジホールディングスが日本円ステーブルコインJPYCを活用した地方創生に着手する。「ふるさとチョイス」での決済導入検討やインバウンド事業での実証実験を計画している。
09:20
欧州中央銀行がデジタルユーロ開発加速、2029年導入目指す
欧州中央銀行が中央銀行デジタル通貨(CBDC)デジタルユーロの開発を次段階に進めることを決定した。2027年にパイロット実験を開始し、2029年の正式導入を目指す。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧