- 出来高・ボラティリティともに最低水準へ
- ビットコインのボラティリティは2%を下回り、過去1年半の期間で過去最低水準を更新した。出来高も年初来で最低水準にまで落ち込み、10月の出来高は前月比で10%以上減少した。
- アナリストは現状をどう分析するか
- ボラティリティが大きく縮小している中、現状をポジティブに捉えている投資家も多く存在する。Fundstrat社やBloombergのアナリストは、ボラティリティ、出来高の減少が今後の価格上昇のサインであると主張している。
ビットコインの出来高・ボラティリティが最低水準に
現在、仮想通貨市場は価格・出来高ともに落ち込みを見せている。
ビットコインのボラティリティは過去1年半の期間で過去最低水準を更新し、30日平均でのボラティリティは2%を下回った。
ボラティリティの大きさが2%を下回るのは2017年5月以来であり、Bloombergの分析によるとビットコインのボラティリティとNYSEに上場するハイテク株FANG(Facebook、Netflix、Amazon、Google)のボラティリティとの差は過去最大を記録しているとのことだ。
ボラティリティと同様、ビットコインの出来高も年初来で最低水準にまで落ち込んでいる。
6月から9月までは、1日あたりの平均取引高がおよそ44億ドルで推移していたが、10月の平均取引高は約38億ドルと前月比で10%強も下げた。
各アナリストの見解
仮想通貨市場は現状冷え切っていると言わざるを得ないが、投資家の中には間も無くビットコインの価格が大きく動き、ボラティリティを取り戻すだろうと考えている者も多くいる。
各社のアナリストらはボラティリティが最低水準となった現状をどう分析しているのかを以下にまとめた。
Fundstrat社のアナリスト:仮想通貨市場に希望の兆しが見える
Fundstrat社のテクニカル戦略責任者を務めるRob Sluymer氏はMarketWatchの取材に対し、「現在の仮想通貨市場は多くの投資家の予想に反し、ポジティブな兆候を示しているかもしれない」と主張した。
ボラティリティの低下が価格上昇のサインであると結論づけることは時期尚早であるが、週を重ねるごとに市場が活発化するための希望の兆しが着々と見えてきた。ボラティリティ、出来高やアルトコインドミナンスの減少は、イーサリアムやビットコインの技術進展を促進することになるだろう。
と同氏は述べている。
Bloombergのアナリスト:ボラティリティ減少は底打ちのサイン
BloombergのインテリジェンスアナリストであるMike McGlone氏は25日、主要仮想通貨であるビットコインの価格変動が極めて低いことが、逆にビットコインが底を打ったサインであると言及した。
今のボラティリティの低さは「市場離れが起きた結果であり、最終的には底を打つ過程の兆候である」と述べた。
推測ではあるものの、高いボラティリティは仮想通貨のユースケースを縮小させてしまう原因でもあるため、良い兆候だとも述べている。
10ヶ月にも及ぶ弱気相場から一転し、次に見せる大きな動きは強気相場の再来の可能性があると説明した。