- マネーロンダリングと脱税目的の仮想通貨活用を防止する国際案設立に向かう
- 12月初頭、アルゼンチンでG20会議が開催され、仮想通貨も題目として取り上げられ、資金洗浄と租税回避を目的とした仮想通貨の利用を取り締まる国際案の設立を20年までに目指す事が発表された。
- G20とは
- 「Group of Twenty」の略。 主要国首脳会議(G7)に加盟する7ヶ国(アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、日本、イタリア、カナダ)に加え、EU(欧州連合)、ロシア、中国、インド、ブラジル、メキシコ、南アフリカ、オーストラリア、韓国、インドネシア、サウジアラビア、トルコ、アルゼンチンといった新興国を含めた、計20ヶ国(地域)で構成されている。
G20、国際的なデジタル課税制度へ
11月30日から12月2日まで、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスでG20首脳会議が開催され、食料問題(サスティナブリティ)、米中の貿易摩擦や仮想通貨等の題目が議論された首脳宣言の文書が明らかとなった。
仮想通貨に関する内容は以下の通り。
暗号資産のマネーロンダリングとテロ資金供与を目的とした利用を防止する為、FATFの基準に沿って取り締まっていく。
経済のデジタル化に応じた国際的な税制度の設立を目指す。2019年にコンセンサス案を変更し、最終報告書は2020年までに提出する。
今回の発表が重要である点は、具体的に仮想通貨の資金洗浄と脱税を目的とした仮想通貨の利用が主要国家のリーダーに問題として取り上げられた点だ。
仮想通貨は7月に開催されたG20会議でも取り上げられていたが、今後各国政府がどのようにしてプロトコルのレベルで仮想通貨の不正利用を防ぐのかに焦点が集まる。
なお財務省公式サイトが発表している7月のG20会議の要点は、以下の通りだ。
<将来性>
- 暗号資産(仮想通貨)の基礎となるものを含む技術革新は、金融システム及び、より広く経済に重要な便益をもたらし得る
<懸念点>- 暗号資産(仮想通貨)は、消費者及び投資家保護、市場の健全性、脱税、マネーロンダリング、並びにテロ資金供与に関する問題を提起する
- ソブリン通貨(各国政府や政府機関などが発行・保証する通貨)の主要な特性を欠いている
<結論>- 現時点でグローバル金融システムの安定にリスクをもたらしていないが、G20は引き続き警戒を続ける
- FSB(金融安定理事会)及び基準設定主体からのアップデートを歓迎するとともに、暗号資産の潜在的なリスクを監視し、必要に応じ多国間での対応について評価するための進展を期待する
- FATF(マネーロンダリングに関する金融活動作業部会)基準の実施に関する3月のコミットメントを再確認し、2018年10月に、この基準がどのように暗号資産に適用されるか明確にすることをFATFに求める
仮想通貨業界からの反応
以前中国最大級の仮想通貨取引所だったBTCCで共同設立者で、仮想通貨界隈の著名人であるBobby Lee氏は今回の会議に出席した主要各国は仮想通貨の台頭を認めざるを得ない状況であるとツイートした。
I wonder if @G20org World Leaders actually realize that they DO face a REAL Common Enemy now? 🤔
— Bobby Lee (@bobbyclee) 2018年12月2日
With #Bitcoin soon turning 10, national gov’ts are SLOWLY but SURELY losing their #monopoly & ability to issue (#fiat) money. It’s slow at first but this #revolution is irreversible! pic.twitter.com/Z62gJFouYo
世界各国のリーダー達は共通の敵と向き合っていることを果たして把握しているのだろうか。
ビットコインが10歳となった今、各国政府は少しずつ、確実に法定通貨を独占的に発行する能力を失っている。
初動は遅いかもしれないが、後戻りはできない!
また今年の10月にもCircle社のCEOであるJeremy Allaire氏は各国政府の仮想通貨に対する規制の標準化は「 G20レベルで必要」とロイター社とのインタビューで発言していた。
またCircle社は最大級の仮想通貨取引所の一つであるCoinbaseと提携して今年9月末に業界コンソーシアム「CENTRE」を発表している。
引き続きG20で決定される仮想通貨に対する見解は重要視されており、来年は日本での開催される予定だ。
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